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セルバンヌ
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かくして、5人はセルバンヌに降り立った。
「僕たちは勇者として、国王の命を受けて旅をしているんです。なので、新しい街に来たらまず、そこを治める領主様に挨拶をしなければなりません」
「面倒だが、活動許可がもらえれば宿にタダで泊まれたり便利なんだよ。色々教えてくれる場合も多い」
「というわけじゃから、お互い別行動して要件を済ませておくのが吉じゃろうと思うがどうかの? それとも市場調査ということであれば、おぬしらも領主に謁見するべきなのかの」
「そうですね。私たちも領主様にご挨拶はしなければいけませんが、タイミングはずらすべきでしょうから先に商業ギルドに向かいます。後ほど合流することと致しましょう」
というやりとりがあり、勇者たち3人が領主のもとへ向かっている間、メイゼンとメリアは2人でセルバンヌの街を見て回ることになった。
セルバンヌは、大河から流れ落ちる滝の内側に作られた足場の上に作られた街で、全七層からなる階層構造になっている。それぞれの階層に特色があり、一番下の階層は滝壺に限りなく近い。
滝から少しは離れている位置に建設されてはいるが、それでも飛沫はいくらか降りかかるし、なにより湿気が天敵となって補修は絶えない。時折、大きな石が勢いよく街に突っ込んでくることもある。
「面白い街ね!」
「初めて見る人間の街としちゃイレギュラーすぎますがね」
「そうなの? どこもこんなのってわけじゃないのね」
「流石にあたしも面食らってますよ。何を思ってこんなところに住みはじめたんだか」
「おや、よその人かい?」
会話を聞いて声をかけてきたのは、露天の店主だ。魚屋のようで、店先に新鮮な魚が何尾も横たわっている。
無碍にすると怪しまれるので、メイゼンは作った笑顔を貼り付けてにこやかに答える。
「ええ。この街には流通の調査に」
「へぇ。まぁ難しいことはわからんがね。よかったらこの街ができた経緯ってやつを教えてやろうか」
「よろしいのですか?」
「まぁおひねり代わりに魚の一匹も買っていってくれりゃ言うこともねぇ。この辺の宿じゃ、魚を持ち込んだら調理してくれるしな」
「なるほど。でしたらぜひ聞かせていただきたいです」
他の客の邪魔になっては悪いので、メイゼンとメリアはすこし店の横に避け、店主は指を5本立てて話し始めた。
「この街ができたのはだいたい50年前。きっかけはその更に10年も前に遡る。この滝の滝壺にはダンジョンがあって、龍神と呼ばれる強力な魔物が住んでいる。それが目覚めたことが全ての始まりだ」
魔物。魔族と同様魔界の瘴気から生まれるバケモノだ。人間界にもいくつか、魔界と同様の瘴気が噴き出る場所があって、そこは魔物が生まれる危険地帯となる。メリアたちが通ってきた街道もこれだ。
「この龍神という魔物は特殊なやつで、普段はまるきり無害なんだ。しかし何百年に一回、目覚めればこのセルバンヌの滝を登り、そのまま空を飛んであたりを焼け野原にしちまうって伝承が残ってる。もちろんみんな半信半疑さ。いかんせんそんなの実際に見たこともねえからな」
魔族と違い、寿命が長くとも100年程度しかない人間のことだ。無理もないことだろうとメイゼンは思う。なにより、今日明日生きていくことに必死の人間は伝承など過去の話を蔑ろにしやすい。
「しかし、そのときこの辺り一体を巻き込む大地震がなんども続けておこった。なにかあると思って滝を見に行ったのは俺の爺さんさ。そこには信じられない光景があった。なんと、この大滝の水という水が、下から上に流れてたんだ」
店主が腕を持ち上げ掌をパッと開くと、2人の頭にその光景が浮かぶ。この尋常ではない水量の滝が、理に逆らって崖の上に水を運んでいたとなれば、なるほど確かに、自然現象では説明のつかない一大事だ。
「こうなったらもう伝承と異常事態を結びつけるのは難しいことじゃねえ。急遽国王様によって討伐隊が組まれ、腕っこきの大工たちが龍神を攻撃するための土台を組んだ。それが今立ってるここさ。大勢で攻撃しなくちゃならなかったし、評判の占い師が龍神が滝を登るのは10年後だって預言したから、少しは時間があった。とにかく大砲やらなにやら持ち込んでも壊れないよう頑丈な足場を作ったわけだ」
そうした頑丈な基盤が、今日、人が住めている理由だ。それでいて材料が石などでなく木材なのは、スピードを求めたからに違いない。水に浮かべれば、木の運搬は同質量の石材の何倍も容易になる。
「で、最終的に滝を登り始めた龍神をみんな総出で攻撃して、攻撃に怯み滝を登れなかった龍神は、今でも滝壺で眠ってるってわけよ。次にもし何か異変があったらすぐ気づけるよう、そして足場がすぐ使えるために整備する人間も必要だってことで、ここには何人かの人間が住み始めた。一番下の層じゃ魚も取れるし、崖の上には自然もあるから生活するには困らないからな。そうしたらいつしか、どこかで行き場を失った人たちが集まって街になり、なりあがりの騎士に領地として与えられて今に至るってわけよ」
急に湧いて出た、だれが統治しているわけでもない住める場所というのは浮浪者の良い受け皿になった。この滝は当時から王国領土ではあったが、領地として誰かに与えられることはなかった。上流や下流の水場ならばともかく、滝そのものをもらって喜ぶものはそういないためだ。それが現在の領主に与えられたのは、領主が自らの功績で成り上がった当代からの貴族であることとが大きい。
「ここを治めていらっしゃる領収様はどのような人柄をされているのですか?」
「領主様はいい人さ。魔族との戦争で功績をあげて騎士になったって方で、元平民だから勉強はできないが、俺らの気持ちをよくわかってくれてる。何より腕っぷしが立つからな。あの人がいれば、龍神が復活しても大丈夫だって俺は思うね」
「なるほど。貴重なお話をありがとうございます」
「とっても面白いお話だったわ! ありがとう、おじさん!」
「お嬢様もお喜びのようですので、魚を二匹ほど見繕っていただけますか?」
「まいどあり!」
店主は軒先に出ていた大きな魚の尾を鷲掴みにすると、布で軽く巻いてメイゼンに投げるように渡す。引き換えに、メイゼンは懐から小袋を出すと金貨を一枚そこからつまみ上げて、店主に投げた。
「おいおい、魚が二尾で金貨なんて貰えるかよ! ここらじゃ釣り銭なしが礼儀だぜ」
「お釣りは結構です。お礼と思ってください」
「貴族様は懐が深いねぇ! じゃあありがたく貰っとくぜ」
また来てくれよ!! という大きな声に手をあげてこたえながら、また歩き始めたメイゼンは考え込むように目を細めた。
「龍神ねぇ……」
「メイゼン? 心当たりがあるの?」
「そうですね。昔、そんな話を聞いたような。どうでもいいっちゃいいんですが」
「目覚めるのが何百年に一回っておじさん言ってたわ。メイゼンが生きている間に何度か目覚めているのでしょうし、知っててもおかしくないってことかしら」
「強力な魔物なら、どこかの魔族が使役しようとしてもおかしくなさそうなもんですが……」
魔物と魔族は、どちらも魔界の瘴気から生まれる。そのルーツは同じだ。しかし、魔族は知性があり、子をなし、群れを形成して生きる。それに対し、魔物は知性がないので群れることもなければ、瘴気以外で増えることもない。それゆえ魔族は魔物を使役し、人間との戦争に戦力として投入したり、農耕を手伝わせたりといった上下関係を形成している。
他の魔族の手が付いていない強力な魔物となれば、戦力に乏しい魔族にしてみれば垂涎のものだろうとメイゼンは考えたのだ。例え何百年に一度しか使えないとしても、寿命の長い魔族のこと。生きている間になんどか大きな功績をあげられればいいと考えるし、実際に十分だ。
「何か裏がありそうですが、さて……」
「考えたって仕方がないことを考えるのは時間の無駄だわ! 正解なんてわからないのだし。それより色々見て回りましょうよ! 私、お腹もぺこぺこ!」
「そうですねぇ。じゃあ、そのあたりで宿を見つけて魚を渡したらご飯にしますか? 勇者さんがたが、いつまで時間かかるかわかりませんし」
「そうしましょう。でも、夜ごはんはみんなで食べましょうね!」
メイゼンの横を歩いていたメリアが小走りで前に躍り出て、上目遣いでメイゼンの顔を覗き込む。
それと、殆ど同時だった。
体をも震わせるような途轍もなく大きな音とともに、一帯が激しく揺れる。
まさかと思いメイゼンが滝を見上げると、一瞬、水の落下が止まったかと思うと瞬く間に空へ向かって遡りはじめたのだ。
「僕たちは勇者として、国王の命を受けて旅をしているんです。なので、新しい街に来たらまず、そこを治める領主様に挨拶をしなければなりません」
「面倒だが、活動許可がもらえれば宿にタダで泊まれたり便利なんだよ。色々教えてくれる場合も多い」
「というわけじゃから、お互い別行動して要件を済ませておくのが吉じゃろうと思うがどうかの? それとも市場調査ということであれば、おぬしらも領主に謁見するべきなのかの」
「そうですね。私たちも領主様にご挨拶はしなければいけませんが、タイミングはずらすべきでしょうから先に商業ギルドに向かいます。後ほど合流することと致しましょう」
というやりとりがあり、勇者たち3人が領主のもとへ向かっている間、メイゼンとメリアは2人でセルバンヌの街を見て回ることになった。
セルバンヌは、大河から流れ落ちる滝の内側に作られた足場の上に作られた街で、全七層からなる階層構造になっている。それぞれの階層に特色があり、一番下の階層は滝壺に限りなく近い。
滝から少しは離れている位置に建設されてはいるが、それでも飛沫はいくらか降りかかるし、なにより湿気が天敵となって補修は絶えない。時折、大きな石が勢いよく街に突っ込んでくることもある。
「面白い街ね!」
「初めて見る人間の街としちゃイレギュラーすぎますがね」
「そうなの? どこもこんなのってわけじゃないのね」
「流石にあたしも面食らってますよ。何を思ってこんなところに住みはじめたんだか」
「おや、よその人かい?」
会話を聞いて声をかけてきたのは、露天の店主だ。魚屋のようで、店先に新鮮な魚が何尾も横たわっている。
無碍にすると怪しまれるので、メイゼンは作った笑顔を貼り付けてにこやかに答える。
「ええ。この街には流通の調査に」
「へぇ。まぁ難しいことはわからんがね。よかったらこの街ができた経緯ってやつを教えてやろうか」
「よろしいのですか?」
「まぁおひねり代わりに魚の一匹も買っていってくれりゃ言うこともねぇ。この辺の宿じゃ、魚を持ち込んだら調理してくれるしな」
「なるほど。でしたらぜひ聞かせていただきたいです」
他の客の邪魔になっては悪いので、メイゼンとメリアはすこし店の横に避け、店主は指を5本立てて話し始めた。
「この街ができたのはだいたい50年前。きっかけはその更に10年も前に遡る。この滝の滝壺にはダンジョンがあって、龍神と呼ばれる強力な魔物が住んでいる。それが目覚めたことが全ての始まりだ」
魔物。魔族と同様魔界の瘴気から生まれるバケモノだ。人間界にもいくつか、魔界と同様の瘴気が噴き出る場所があって、そこは魔物が生まれる危険地帯となる。メリアたちが通ってきた街道もこれだ。
「この龍神という魔物は特殊なやつで、普段はまるきり無害なんだ。しかし何百年に一回、目覚めればこのセルバンヌの滝を登り、そのまま空を飛んであたりを焼け野原にしちまうって伝承が残ってる。もちろんみんな半信半疑さ。いかんせんそんなの実際に見たこともねえからな」
魔族と違い、寿命が長くとも100年程度しかない人間のことだ。無理もないことだろうとメイゼンは思う。なにより、今日明日生きていくことに必死の人間は伝承など過去の話を蔑ろにしやすい。
「しかし、そのときこの辺り一体を巻き込む大地震がなんども続けておこった。なにかあると思って滝を見に行ったのは俺の爺さんさ。そこには信じられない光景があった。なんと、この大滝の水という水が、下から上に流れてたんだ」
店主が腕を持ち上げ掌をパッと開くと、2人の頭にその光景が浮かぶ。この尋常ではない水量の滝が、理に逆らって崖の上に水を運んでいたとなれば、なるほど確かに、自然現象では説明のつかない一大事だ。
「こうなったらもう伝承と異常事態を結びつけるのは難しいことじゃねえ。急遽国王様によって討伐隊が組まれ、腕っこきの大工たちが龍神を攻撃するための土台を組んだ。それが今立ってるここさ。大勢で攻撃しなくちゃならなかったし、評判の占い師が龍神が滝を登るのは10年後だって預言したから、少しは時間があった。とにかく大砲やらなにやら持ち込んでも壊れないよう頑丈な足場を作ったわけだ」
そうした頑丈な基盤が、今日、人が住めている理由だ。それでいて材料が石などでなく木材なのは、スピードを求めたからに違いない。水に浮かべれば、木の運搬は同質量の石材の何倍も容易になる。
「で、最終的に滝を登り始めた龍神をみんな総出で攻撃して、攻撃に怯み滝を登れなかった龍神は、今でも滝壺で眠ってるってわけよ。次にもし何か異変があったらすぐ気づけるよう、そして足場がすぐ使えるために整備する人間も必要だってことで、ここには何人かの人間が住み始めた。一番下の層じゃ魚も取れるし、崖の上には自然もあるから生活するには困らないからな。そうしたらいつしか、どこかで行き場を失った人たちが集まって街になり、なりあがりの騎士に領地として与えられて今に至るってわけよ」
急に湧いて出た、だれが統治しているわけでもない住める場所というのは浮浪者の良い受け皿になった。この滝は当時から王国領土ではあったが、領地として誰かに与えられることはなかった。上流や下流の水場ならばともかく、滝そのものをもらって喜ぶものはそういないためだ。それが現在の領主に与えられたのは、領主が自らの功績で成り上がった当代からの貴族であることとが大きい。
「ここを治めていらっしゃる領収様はどのような人柄をされているのですか?」
「領主様はいい人さ。魔族との戦争で功績をあげて騎士になったって方で、元平民だから勉強はできないが、俺らの気持ちをよくわかってくれてる。何より腕っぷしが立つからな。あの人がいれば、龍神が復活しても大丈夫だって俺は思うね」
「なるほど。貴重なお話をありがとうございます」
「とっても面白いお話だったわ! ありがとう、おじさん!」
「お嬢様もお喜びのようですので、魚を二匹ほど見繕っていただけますか?」
「まいどあり!」
店主は軒先に出ていた大きな魚の尾を鷲掴みにすると、布で軽く巻いてメイゼンに投げるように渡す。引き換えに、メイゼンは懐から小袋を出すと金貨を一枚そこからつまみ上げて、店主に投げた。
「おいおい、魚が二尾で金貨なんて貰えるかよ! ここらじゃ釣り銭なしが礼儀だぜ」
「お釣りは結構です。お礼と思ってください」
「貴族様は懐が深いねぇ! じゃあありがたく貰っとくぜ」
また来てくれよ!! という大きな声に手をあげてこたえながら、また歩き始めたメイゼンは考え込むように目を細めた。
「龍神ねぇ……」
「メイゼン? 心当たりがあるの?」
「そうですね。昔、そんな話を聞いたような。どうでもいいっちゃいいんですが」
「目覚めるのが何百年に一回っておじさん言ってたわ。メイゼンが生きている間に何度か目覚めているのでしょうし、知っててもおかしくないってことかしら」
「強力な魔物なら、どこかの魔族が使役しようとしてもおかしくなさそうなもんですが……」
魔物と魔族は、どちらも魔界の瘴気から生まれる。そのルーツは同じだ。しかし、魔族は知性があり、子をなし、群れを形成して生きる。それに対し、魔物は知性がないので群れることもなければ、瘴気以外で増えることもない。それゆえ魔族は魔物を使役し、人間との戦争に戦力として投入したり、農耕を手伝わせたりといった上下関係を形成している。
他の魔族の手が付いていない強力な魔物となれば、戦力に乏しい魔族にしてみれば垂涎のものだろうとメイゼンは考えたのだ。例え何百年に一度しか使えないとしても、寿命の長い魔族のこと。生きている間になんどか大きな功績をあげられればいいと考えるし、実際に十分だ。
「何か裏がありそうですが、さて……」
「考えたって仕方がないことを考えるのは時間の無駄だわ! 正解なんてわからないのだし。それより色々見て回りましょうよ! 私、お腹もぺこぺこ!」
「そうですねぇ。じゃあ、そのあたりで宿を見つけて魚を渡したらご飯にしますか? 勇者さんがたが、いつまで時間かかるかわかりませんし」
「そうしましょう。でも、夜ごはんはみんなで食べましょうね!」
メイゼンの横を歩いていたメリアが小走りで前に躍り出て、上目遣いでメイゼンの顔を覗き込む。
それと、殆ど同時だった。
体をも震わせるような途轍もなく大きな音とともに、一帯が激しく揺れる。
まさかと思いメイゼンが滝を見上げると、一瞬、水の落下が止まったかと思うと瞬く間に空へ向かって遡りはじめたのだ。
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