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8◆ルネ視点
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僕は暗い闇の中にいる。
何があったんだっけ?
そうだ……確かパパとママに会ったんだ。
初めて会ったような気持ちでママに会って、顔もよく思い出せないパパに会って、思い出せなくても嬉しいという気持ちが溢れた。
それは良かった。
………だけど、その後がわからない。
どうして僕はあんなことをしてしまったんだろう?
そんな気持ちはなかったはずなのに………。
あの時、僕の声で頭の中に声が響いたんだ。
『殺せ』って、『お前の手で殺せ』って………。
そんな感情、僕は持っていなかった。
なのにその声が僕を一瞬支配した。
そして僕は、ランスの持っていた剣を勝手に抜いてパパに斬りかかったんだ。
「ルネ!?」
「きゃー!!」
「ルネ様!!」
パパは少しだけ怪我をしてしまった。
僕の力じゃパパを殺すなんてできない。
だってパパは僕よりも強いんだから。
だけど、いきなりだったからパパは怪我をしてしまった。
ママは叫んで気を失って倒れて、ランスは僕から剣を奪う。
………どうして僕はこんなことをしてしまったの。
こんなことしたいなんて思ったことないのに、頭の中の声がもっと命令する。
殺せ殺せってうるさい。
すごく嫌だった。
助けてって思った。
クリアお兄ちゃん助けてって思ったんだ。
その瞬間僕は………。
僕の固有スキル【封印】の暴走で、僕を封印してしまった。
封印の中で、僕はあの日何があったのかを思い出した。
クリアお兄ちゃんに召喚された日、どうして記憶を思い出せなかったのかを思い出した。
僕の記憶を忘れさせていた人のことを思い出した。
あの人は僕のパパを恨んでいた。
僕のパパだけじゃない。
あの人はママのことも恨んでいた。
その復讐のために僕を利用した。
パパとママの大切な子供の僕を利用した。
パパ…ママ…ごめんね。
僕はこのまま封印されているよ。
そうじゃないと、あの人の固有スキルのせいでまた僕は2人に刃を向けるから………。
あの人の固有スキル【暗示】のせいで………。
封印中は暗示が無効になっているみたいだけど、封印から開放されたらあの暗示はまた僕を支配する。
だから、ごめんね。
パパ…ママ……クリアお兄ちゃん………。
暗い暗い闇の中で、僕はそっと目を閉じた。
何があったんだっけ?
そうだ……確かパパとママに会ったんだ。
初めて会ったような気持ちでママに会って、顔もよく思い出せないパパに会って、思い出せなくても嬉しいという気持ちが溢れた。
それは良かった。
………だけど、その後がわからない。
どうして僕はあんなことをしてしまったんだろう?
そんな気持ちはなかったはずなのに………。
あの時、僕の声で頭の中に声が響いたんだ。
『殺せ』って、『お前の手で殺せ』って………。
そんな感情、僕は持っていなかった。
なのにその声が僕を一瞬支配した。
そして僕は、ランスの持っていた剣を勝手に抜いてパパに斬りかかったんだ。
「ルネ!?」
「きゃー!!」
「ルネ様!!」
パパは少しだけ怪我をしてしまった。
僕の力じゃパパを殺すなんてできない。
だってパパは僕よりも強いんだから。
だけど、いきなりだったからパパは怪我をしてしまった。
ママは叫んで気を失って倒れて、ランスは僕から剣を奪う。
………どうして僕はこんなことをしてしまったの。
こんなことしたいなんて思ったことないのに、頭の中の声がもっと命令する。
殺せ殺せってうるさい。
すごく嫌だった。
助けてって思った。
クリアお兄ちゃん助けてって思ったんだ。
その瞬間僕は………。
僕の固有スキル【封印】の暴走で、僕を封印してしまった。
封印の中で、僕はあの日何があったのかを思い出した。
クリアお兄ちゃんに召喚された日、どうして記憶を思い出せなかったのかを思い出した。
僕の記憶を忘れさせていた人のことを思い出した。
あの人は僕のパパを恨んでいた。
僕のパパだけじゃない。
あの人はママのことも恨んでいた。
その復讐のために僕を利用した。
パパとママの大切な子供の僕を利用した。
パパ…ママ…ごめんね。
僕はこのまま封印されているよ。
そうじゃないと、あの人の固有スキルのせいでまた僕は2人に刃を向けるから………。
あの人の固有スキル【暗示】のせいで………。
封印中は暗示が無効になっているみたいだけど、封印から開放されたらあの暗示はまた僕を支配する。
だから、ごめんね。
パパ…ママ……クリアお兄ちゃん………。
暗い暗い闇の中で、僕はそっと目を閉じた。
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