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12◆ノーラ視点
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俺はノーラ。
人族だけどオーガのお嫁さんになった元王子だ。
あ、別に俺の精神が逝っちゃって頭が狂ったわけじゃないからな?
確かに、最初は心がポッキリ折れて心を捨てることにした。
でもさ、ずっと大人しくしてたら、なんかオーガが優しく接してくれるようになってきてな。
とある一体が俺に花を一輪くれたんだ。
「うががっ!うがうが!」
「……ありがとう?」
何を言ってるかなんてわからない。
けれど、ソイツは嬉しそうに笑ったんだ。
綺麗な花に、どんな意味を込めてくれたのかちゃんとはわからない。
でも、好意を抱いてくれてるんだとはなんとなく思った。
気づけば、ソイツはいつも何かしらをくれる。
甘い果実、美味しい木の実、そして肉。
性奴隷に対して、こんなに貢がなくてもいいのに。
まるで、夜の店の女の子に貢ぐ客みたいじゃないか。
そう最初は思っていた。
でも……ソイツは本気だった。
思えば、ソイツが俺に花を渡した辺りから他のオーガは俺に手を出さなくなった。
俺の世話は全部ソイツがしていたんだ。
人らしい生活とまではオーガの生活基準的に言えないが、それでも俺はソイツに大事にされていた。
そして……。
「オ…デ、オー……デ」
「え?」
「オデ……、オ…マエ……スキ、ダ」
「え!?」
すごく頑張って人の言葉で気持ちを伝えようとするオーガ。
俺は驚いたけれど、それよりも嬉しくて……。
だって、俺のために人語を覚えてくれたんだろうから。
コイツ、なんて一途なんだろう……。
そして、俺はオーガの愛を受け入れたんだ。
そのオーガに名前はなかったから、俺がスカイと名付けた。
スカイのお嫁さんになった俺は、もう鎖で繋がれていないし、牢屋に囚われてもいない。
スカイは俺用の腰蓑を作ってくれたから今の俺は全裸でもないぞ。
ということで、俺は俺で幸せだ。
レヴィからしたら、俺の幸せなんて面白くないだろうけれど。
どこにいるのかわからないレヴィも、幸せになっていることを願う。
人族だけどオーガのお嫁さんになった元王子だ。
あ、別に俺の精神が逝っちゃって頭が狂ったわけじゃないからな?
確かに、最初は心がポッキリ折れて心を捨てることにした。
でもさ、ずっと大人しくしてたら、なんかオーガが優しく接してくれるようになってきてな。
とある一体が俺に花を一輪くれたんだ。
「うががっ!うがうが!」
「……ありがとう?」
何を言ってるかなんてわからない。
けれど、ソイツは嬉しそうに笑ったんだ。
綺麗な花に、どんな意味を込めてくれたのかちゃんとはわからない。
でも、好意を抱いてくれてるんだとはなんとなく思った。
気づけば、ソイツはいつも何かしらをくれる。
甘い果実、美味しい木の実、そして肉。
性奴隷に対して、こんなに貢がなくてもいいのに。
まるで、夜の店の女の子に貢ぐ客みたいじゃないか。
そう最初は思っていた。
でも……ソイツは本気だった。
思えば、ソイツが俺に花を渡した辺りから他のオーガは俺に手を出さなくなった。
俺の世話は全部ソイツがしていたんだ。
人らしい生活とまではオーガの生活基準的に言えないが、それでも俺はソイツに大事にされていた。
そして……。
「オ…デ、オー……デ」
「え?」
「オデ……、オ…マエ……スキ、ダ」
「え!?」
すごく頑張って人の言葉で気持ちを伝えようとするオーガ。
俺は驚いたけれど、それよりも嬉しくて……。
だって、俺のために人語を覚えてくれたんだろうから。
コイツ、なんて一途なんだろう……。
そして、俺はオーガの愛を受け入れたんだ。
そのオーガに名前はなかったから、俺がスカイと名付けた。
スカイのお嫁さんになった俺は、もう鎖で繋がれていないし、牢屋に囚われてもいない。
スカイは俺用の腰蓑を作ってくれたから今の俺は全裸でもないぞ。
ということで、俺は俺で幸せだ。
レヴィからしたら、俺の幸せなんて面白くないだろうけれど。
どこにいるのかわからないレヴィも、幸せになっていることを願う。
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