愛し合って殺し合った私達は、何故か異世界転移したようですよ

10◆パール視点

「やぁ！お邪魔します！僕はこの世界の神マルチェです！」

「邪魔するなら帰ってください」

「はい！……って、追い払わないで！？」

夜にラグリットとベッドでイチャイチャしながらこれから一発楽しもうとしていたら、突然何かが湧いた。

神だと名乗ったマルチェは、ベッドに乗り上がってきて勝手に座っている。

………私達、今からヤルところだったのにわかってないのだろうか？

私がヤれない不満に唇を尖らせてしまっていると、そんな私にラグリットが気づいてキスしてくれた。

嬉しさからラグリットに抱きつき、もっと深くキスをしようとして………。

「僕のことを忘れないで………！！(泣)」

邪魔された。

本当に邪魔された上に泣き真似をしながらチラッチラッと様子を伺っている。

ちょっとキスの邪魔については怒っていいかな？

「それで、ご要件は？」

「僕は、創造神様からの伝言と預かったモノをお渡しする義務があるのですよ！」

「そうか」

夜だからか、やたらハイテンションの子犬キャラなマルチェは、元気よくそう言う。

個人的に、性格はリンレイより可愛げがある気がするよ。

何だかクッキーとかチョコとかあげたくなる感じだ。

「創造神様からの伝言は、【息子のシャルロが迷惑をかけたから詫びる。すまなかった。シャルロは処分したからもう二人に残酷な運命はない。二人にはお詫びに、子宝に恵まれる祝福を授ける。】とこのとです！預かった祝福を受け取ってください！リリースは不可です！」

「子宝！？」

子宝ってあの子宝だろうか？

子供いっぱいデキるあの子宝だろうか！！

「愛の結晶……作っちゃいなよ☆」

「「お、おう………(照)」」

マルチェは私達に笑顔でウインクを飛ばす。

私とラグリットは、同時に照れて赤い顔を背けるのだった。



マルチェが帰った後。

「ラグリット、私の子供……生んでくれますか？」

熱くラグリットの瞳をみつめると、ラグリットは私の手を恋人繋ぎで手を繋いで微笑み。

「パールの子供なら何人でも♡軍を作れるレベルで生んでやろう」

軍！？

ちょっと驚いたけど、私はラグリットを抱きしめて頬にキスをした。

「はぁはぁ……ラグリット、愛してます！」

「パール、俺も愛している」

ラグリットも私に応えるように唇にまたキスをしてくれて、そのまま私はラグリットをベッドに押し倒した。



もう誰にも邪魔されない開放感で、一晩盛り上がったら翌朝ラグリットが不調を訴え、医者に診せたら妊娠していた。

昨日の今日でデキた驚きと嬉しさで、私達はラグリットのお腹を撫でながら幸せを噛み締めるのだった。



完

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