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2◆リンネ視点

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ジャンクス家は由緒正しき魔術師の家系だ。

凛と美しく、清く正しく真面目な人間ばかりが生まれるジャンクス公爵家………しかし。

そんなジャンクス家に、私という汚点が生まれてしまった。

私の魔術師としての才能はジャンクス家の中では歴代一らしい。

ただ、私はどうしようもない変態でちょっとMだった。

それだけなのだけれど、それはジャンクス家としては異端なのだ。

きっと、私がジャンクス家とは無関係の生まれだったなら、私が変態だろうがMだろうが問題はなかったのだろう。

私の家族は……まぁ、私に関わりたくなくて無関心を貫かれたよ………。

私は……自覚はなかったが寂しかったのかもしれない。



私が18歳になったつい最近。

誕生日なんて祝われないから、私も気にせずに何もしなかった。

私が勝手に街に行っても、私は咎められない。

ジャンクス家の者だとバレなければ、基本的に私は自由だった。

だが……その日、私は恋に落ちたのだ。

たまたまマリアナが一人でお忍びで街にいて、彼女は悪漢から逃げていたんだ。

庶民のような服装でも溢れ出る高貴なオーラが悪漢ホイホイをしてしまったのだろう。

逃げるマリアナはうっかり前方不注意で階段から落ちてしまい、危うく怪我をするところだった。

階段の下にたまたまいた私に偶然にもぶつかり、マリアナは一応無傷だったが……今思い出しても恐ろしいことだ。

私のマリアナが怪我をするかもなんて………。

ちなみに私が恋に落ちたのは、落ちてきたマリアナのたわわな果実の谷間に埋もれたその瞬間だ。

私の中で運命を感じたから!!

世の中ではこれをラッキースケベというらしいね。

………ついでだが、悪漢は私が魔術で3分クッキングのようにサクッと倒したよ。

マリアナも私に惚れて、私達は両思いになって………。

翌日、ジャンクス家にクリスティン家から婚約の打診がきた。



私の家族は、私を追い出せる上に相手は候爵家ということでとても喜んでいた。

対してクリスティン家当主……つまりマリアナの父親は、可愛い娘のお願いは聞きたいけれど、可愛い娘だからこそ婚約を素直に喜ぶことはできないようだった。

さっさと私を追い出したい家族と、娘の婚約者として私をマリアナの近くにいさせたくないけど娘には喜んでほしい父親で、相談をした結果は………。

私を執事として住み込みで働かせるという感じで纏まったらしい。

………何故執事を選んだのか、ちょっと謎だけど役得な仕事だから問題はない。



こうして私はマリアナの婚約者だけど執事という関係になった。

マリアナとイチャラブしたいけれど、当主の嫌がらせで邪魔される。

娘には喜んでほしいけど私のことは気に食わない当主の嫌がらせとは、見張り役のヴォルフラムのこと。

私達のいい雰囲気をぶち壊すのが彼の仕事だ。

ぶち壊すタイミングはヴォルフラム次第だが………。

イケメンで才能もあって当主に信頼されているヴォルフラム………だが、私にはわかるぞ。

当主……マリアナをヴォルフラムとくっつけようとしてるなって………。

当主的にはヴォルフラムが一番のおすすめな男らしいから。

ちなみに、私が当主を義父上と呼んだらまだ結婚してないからと怒られてしまうんだ。

でもヴォルフラムがふざけて義父樣って呼んだらちょっと嬉しそうにするんだ。

マリアナがヴォルフラムを好きになるのを期待しているのはわかるが、絶対に期待通りになってやるものか!!

マリアナは私の愛する運命の人なんだからな!!



眠るマリアナの谷間に埋もれて私は今夜も興奮する。

起きているマリアナはなかなか谷間に埋もれさせてくれないからね。

夢と希望が詰まるたわわな果実は、私の欲望を刺激する。

だって私、男の子だもの!
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