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「エレンと婚約破棄する!」
「にゃ!?」
昼間の学園の教室内でそれは起きた。
教室内がざわざわしている。
僕達は仲良しだったのに、いきなりそんなことを言ったら皆驚くじゃないか!
婚約者であるシルベスター・モンローに婚約破棄すると言われてしまったショックで僕は、突然前世の記憶を思い出した。
前世が誰だったというところは省くが、前世の記憶を思い出したことで僕は、眠っていた特別な能力が目覚めたらしい。
それは【猫集め】という能力で、猫を自由自在に集めることができる。
猫好きには堪らないよ!
にゃんこをモフモフし放題だから!!
「エレン、聞いているのか!」
「………」
そもそも婚約破棄するなんて僕が言われている理由が、僕が友達と仲良くしているのが気に食わないシルベスターが仲良くするのをやめろと言ったんだ。
でも、僕がやめなかったから怒ったシルベスターが、そんなやつとは婚約破棄するといきなり言い出したわけ。
………ねぇ、何様?
シルベスター、何様?
確かに僕はモブ顔で、シルベスターはイケメンで、顔面偏差値に差があるけれど、だからといって何で僕が言うことを聞かないといけないの?
「じゃあ婚約破棄受け入れるよ」
「え、婚約破棄だぞ?意味わかってる?エレンは俺のこと好きだろ?なのに婚約破棄したら、俺と結婚できなくなっちゃうんだぞ」
「いや、シルベスターのこと好きじゃないよ。自惚れんなよ」
「っ!?」
明らかにショックを受けているシルベスターだけど、ショック受けるぐらいなら偉そうに婚約破棄だなんて言うんじゃねぇよ。
確かに前世の記憶を思い出す前の僕は、シルベスターのことが好きで好きで堪らなかったけれど、前世の記憶を思い出した僕はそうでもないんだよね。
もしかしてあれかな?
100年の恋も一瞬で冷めるってやつ。
「エレン………」
「ふんっ!」
「ガーン!」
シルベスターは自分の口でわざわざガーンと効果音を呟きガクッと倒れた。
僕は呆れながら、今日は早退しようと学園からさっさと去ったよ。
帰宅すると、僕は早速猫集めの能力を使って屋敷の庭に猫を集めた。
もちろん、目的は決まっている。
もふもふにゃんこハーレムを作るのだ!
猫達がにゃうにゃう集まってきて本当に可愛い。
ちなみに、我が家は祖先が猫の獣人でその先祖の名前が家名になっている。
ご先祖様の名前ニャンゴローなんだよ。
熊のように大きくて、その爪は鋭く、毛の色は真っ黒の伝説の猫だ。
それもあって、僕はこの能力を得たのだろう。
………たぶんだけどね!!知らんけど!!
もふもふの可愛い猫達を撫でていると、猫達が僕の後ろの方を威嚇している。
何かあるのだろうかと、咄嗟に後ろを振り向くと何もない。
しかしよーく見ると、少し向こうのところにある木の後ろから何か見えている。
あれは……布だろうか?
じーっと見てると、そこからチラッとこちらを覗いている怪しい男。
………あ、シルベスターだ。
よく見たらシルベスターだった。
怪しい男と化しているシルベスターだった。
何してるんだ僕の家の敷地内で!?
「シルベスター」
「や、やぁ、猫がいっぱいだな」
「もう婚約者じゃないのでお帰りください」
「まだ婚約破棄の書類書いてないから婚約者だよ!!」
「じゃあさっさと書類書いて」
「嫌だ!!」
「書類書いて!」
「嫌だーーーっ!!」
駄々っ子のように僕にすがりついて、必死に命乞いのように書類を書きたくないと言うシルベスター。
いや、お前が婚約破棄するとか言ったんじゃん。
「にゃ!?」
昼間の学園の教室内でそれは起きた。
教室内がざわざわしている。
僕達は仲良しだったのに、いきなりそんなことを言ったら皆驚くじゃないか!
婚約者であるシルベスター・モンローに婚約破棄すると言われてしまったショックで僕は、突然前世の記憶を思い出した。
前世が誰だったというところは省くが、前世の記憶を思い出したことで僕は、眠っていた特別な能力が目覚めたらしい。
それは【猫集め】という能力で、猫を自由自在に集めることができる。
猫好きには堪らないよ!
にゃんこをモフモフし放題だから!!
「エレン、聞いているのか!」
「………」
そもそも婚約破棄するなんて僕が言われている理由が、僕が友達と仲良くしているのが気に食わないシルベスターが仲良くするのをやめろと言ったんだ。
でも、僕がやめなかったから怒ったシルベスターが、そんなやつとは婚約破棄するといきなり言い出したわけ。
………ねぇ、何様?
シルベスター、何様?
確かに僕はモブ顔で、シルベスターはイケメンで、顔面偏差値に差があるけれど、だからといって何で僕が言うことを聞かないといけないの?
「じゃあ婚約破棄受け入れるよ」
「え、婚約破棄だぞ?意味わかってる?エレンは俺のこと好きだろ?なのに婚約破棄したら、俺と結婚できなくなっちゃうんだぞ」
「いや、シルベスターのこと好きじゃないよ。自惚れんなよ」
「っ!?」
明らかにショックを受けているシルベスターだけど、ショック受けるぐらいなら偉そうに婚約破棄だなんて言うんじゃねぇよ。
確かに前世の記憶を思い出す前の僕は、シルベスターのことが好きで好きで堪らなかったけれど、前世の記憶を思い出した僕はそうでもないんだよね。
もしかしてあれかな?
100年の恋も一瞬で冷めるってやつ。
「エレン………」
「ふんっ!」
「ガーン!」
シルベスターは自分の口でわざわざガーンと効果音を呟きガクッと倒れた。
僕は呆れながら、今日は早退しようと学園からさっさと去ったよ。
帰宅すると、僕は早速猫集めの能力を使って屋敷の庭に猫を集めた。
もちろん、目的は決まっている。
もふもふにゃんこハーレムを作るのだ!
猫達がにゃうにゃう集まってきて本当に可愛い。
ちなみに、我が家は祖先が猫の獣人でその先祖の名前が家名になっている。
ご先祖様の名前ニャンゴローなんだよ。
熊のように大きくて、その爪は鋭く、毛の色は真っ黒の伝説の猫だ。
それもあって、僕はこの能力を得たのだろう。
………たぶんだけどね!!知らんけど!!
もふもふの可愛い猫達を撫でていると、猫達が僕の後ろの方を威嚇している。
何かあるのだろうかと、咄嗟に後ろを振り向くと何もない。
しかしよーく見ると、少し向こうのところにある木の後ろから何か見えている。
あれは……布だろうか?
じーっと見てると、そこからチラッとこちらを覗いている怪しい男。
………あ、シルベスターだ。
よく見たらシルベスターだった。
怪しい男と化しているシルベスターだった。
何してるんだ僕の家の敷地内で!?
「シルベスター」
「や、やぁ、猫がいっぱいだな」
「もう婚約者じゃないのでお帰りください」
「まだ婚約破棄の書類書いてないから婚約者だよ!!」
「じゃあさっさと書類書いて」
「嫌だ!!」
「書類書いて!」
「嫌だーーーっ!!」
駄々っ子のように僕にすがりついて、必死に命乞いのように書類を書きたくないと言うシルベスター。
いや、お前が婚約破棄するとか言ったんじゃん。
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