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9◆自称婚約者現れる
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数日が過ぎたある日、目の前に変な女の子が道を塞ぐように現れた。
オオアリクイの威嚇のポーズを何故かしているドレス姿の女の子が、目を吊り上げて俺を睨みつける。
「貴様、調子に乗るなですわ!」
「……誰ですか」
いきなり調子に乗るなと言われても、何のことか俺にはわからない。
あと、誰だこの人。
俺が困惑していると、女の子は俺を見下すように鼻で笑った。
「この私を知らないなんて、不敬で愚かな雑魚人形ですわね!雑ー魚、雑ー魚!」
「……」
やたら雑魚雑魚とからかってくる女の子に、俺はそういえばと思い出す。
メスガキ文化というのを聞いたことがある。
生意気な女性のことだったと思うけれど、俺にはよくわからない文化だ。
印象的なのは、何故か雑魚雑魚と言いたくなる人種ということかな。
「聞いて驚きなさい!私の尊い名前を教えてあげるわ!」
「いえ、結構です」
今忙しいので。
「聞きなさいよ!私はミレイユ、リューレン様の婚約者よ!さぁ、驚きなさい!」
構ってちゃんか。
「……わ、わぁ、おったまげー!」
渋々俺は驚いてみせた。
「………何か期待してた反応と違う」
何故かしょんぼりしているミレイユ。
言われた通りに驚いたのに解せないな。
とりあえず、今仕事の途中だったりするのでもういいだろうか?
ポーションを他の部所に運んでいるところなのだ。
俺は、しょんぼりしているミレイユを放っていくことにした。
薬品開発部にて。
「ミレイユ様?あぁ、自称婚約者の令嬢ね」
「自称?」
モリノ曰く、ミレイユは婚約者ではないらしい。
昔一度だけ婚約者候補にはなったらしいが、リューレンの全力拒否でその話はすぐになくなったそうだ。
しかしミレイユは完全にリューレンに惚れていて、自分はリューレンの婚約者と言いふらしているそうな………。
モリノと会話をしていると、開発部にアマギが速歩きでやってきた。
「ジゼル君、ミレイユ様に会ったと聞きました。これを肌見離さず持っていてください」
「これは?」
「防犯ブザーです。発動すると………ヤバいことが起きます」
「ヤバいことってなんですか!?」
「めちゃくちゃヤっバいことです」
俺はアマギに防犯ブザーを渡された。
紐を引っ張るタイプらしいけど、発動したらどうなるんだ。
ヤバいって何!?
防犯ブザーって大きな音を出す物って認識だけど、違うんだろうか。
俺は発動する機会がこないことを祈るのだった。
オオアリクイの威嚇のポーズを何故かしているドレス姿の女の子が、目を吊り上げて俺を睨みつける。
「貴様、調子に乗るなですわ!」
「……誰ですか」
いきなり調子に乗るなと言われても、何のことか俺にはわからない。
あと、誰だこの人。
俺が困惑していると、女の子は俺を見下すように鼻で笑った。
「この私を知らないなんて、不敬で愚かな雑魚人形ですわね!雑ー魚、雑ー魚!」
「……」
やたら雑魚雑魚とからかってくる女の子に、俺はそういえばと思い出す。
メスガキ文化というのを聞いたことがある。
生意気な女性のことだったと思うけれど、俺にはよくわからない文化だ。
印象的なのは、何故か雑魚雑魚と言いたくなる人種ということかな。
「聞いて驚きなさい!私の尊い名前を教えてあげるわ!」
「いえ、結構です」
今忙しいので。
「聞きなさいよ!私はミレイユ、リューレン様の婚約者よ!さぁ、驚きなさい!」
構ってちゃんか。
「……わ、わぁ、おったまげー!」
渋々俺は驚いてみせた。
「………何か期待してた反応と違う」
何故かしょんぼりしているミレイユ。
言われた通りに驚いたのに解せないな。
とりあえず、今仕事の途中だったりするのでもういいだろうか?
ポーションを他の部所に運んでいるところなのだ。
俺は、しょんぼりしているミレイユを放っていくことにした。
薬品開発部にて。
「ミレイユ様?あぁ、自称婚約者の令嬢ね」
「自称?」
モリノ曰く、ミレイユは婚約者ではないらしい。
昔一度だけ婚約者候補にはなったらしいが、リューレンの全力拒否でその話はすぐになくなったそうだ。
しかしミレイユは完全にリューレンに惚れていて、自分はリューレンの婚約者と言いふらしているそうな………。
モリノと会話をしていると、開発部にアマギが速歩きでやってきた。
「ジゼル君、ミレイユ様に会ったと聞きました。これを肌見離さず持っていてください」
「これは?」
「防犯ブザーです。発動すると………ヤバいことが起きます」
「ヤバいことってなんですか!?」
「めちゃくちゃヤっバいことです」
俺はアマギに防犯ブザーを渡された。
紐を引っ張るタイプらしいけど、発動したらどうなるんだ。
ヤバいって何!?
防犯ブザーって大きな音を出す物って認識だけど、違うんだろうか。
俺は発動する機会がこないことを祈るのだった。
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