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6◆リューレン様という方は(アマギ視点

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リューレン様の膝で寝てしまったジゼル君にタオルケットをかけてあげる。

「寝ちゃいましたね」

「このまま二人でベッドに行ってもいいよな!?」

なんか興奮しているリューレン様。

ぱこんっ!

僕はふざけたことを言うリューレン様の頭を叩き、ため息を吐きながらも一言言う。

「アホですか?仕事してください」

「むぅ……」

不貞腐れても仕事はなくならないよと僕は容赦なく書類を追加した。



リューレン様は、その昔大事な宝玉を無くした。

実はその後すぐに宝玉は見つけていたのだ。

しかし、ある人間がその宝玉を拾いオートマタ作りの材料にしてしまったのである。

リューレン様としてはすぐに取り返せはしたけれど、そうはせずにどんなオートマタができるのか興味本位で見ていたらしい。

あぁ、見ていたと言っても直接じゃなくて千里眼でだけれど。

金髪と青い瞳のオートマタは、宝玉を心臓として使われ白髪と赤と黄のオッドアイのオートマタになった。

リューレン様寄りの見た目になったのだ。

『あれ?なんで色が変わったんだろう。ま、気にしない気にしない!』

その人間はあまり物事について気にしないタイプだったのかもしれない。

色が変わっても気にしないと笑っていたそうだ。

だが、リューレン様はそのオートマタが気になって気になって仕方なかった。

『アマギ!アマギ!ジゼルは私にそっくりの可愛い子なんだ』

『リューレン様にそっくりならきっと可愛くないですね!』

『いや、私は私を可愛いとは思っていない。だが、ジゼルは本当に可愛いんだ!私の愛し子だ!』

『それはぜひ会ってみたいものですね』

リューレン様は毎日毎日オートマタをみていた。



だから、リューレン様はあの日もみていたらしい。



『マスター……』

あの人間が亡くなってしまった日、涙を流すオートマタをリューレン様も切ない気持ちでみていた。

何千年も生きるリューレン様は、今までたくさんの死を見届けている。

リューレン様がオートマタを連れ帰ることを決めるのは時間の問題だった。



そして、リューレン様はジゼル君を連れ帰ってきた………ただし無理矢理。

最初が肝心って言葉知らないの!?

まぁ、普通に叱るよね。

リューレン様は、ジゼル君が宝玉を返さなかったからという言葉を免罪符か何かと思っていそうな発言をする。

返さないとわかっているし、返されたら逆に困るのにね。

だって、その宝玉はジゼル君の心臓なのだから。

そんな、ちょっと素直じゃないリューレン様はジゼル君大好きなのだ。

ジゼル君からしたら誘拐犯ぐらい怖いお兄さんかもしれないけど、愛が先走りした結果なのでいつか二人が仲良くなれたらいいなと僕は思う。

宝玉を返せと言われている身としては難しいかもしれないけれど……。

でも、膝で寝てくれるならそこまで警戒はされてないのかな。
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