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3◆龍神の側近は楽しい性格
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「リューレン様、何無理矢理連れ帰ってるんです!」
「私は悪くないぞ。コイツが私の宝玉を返さないのだから仕方ないじゃないか。そう怒鳴るな」
「はぁ、まったく……」
誰かの話し声がする。
目を覚ますとそこは知らない部屋で、俺はベッドで寝かされていた。
そして、リューレンが不貞腐れていた。
リューレンを叱っているらしき男はため息を吐いてしまっている。
「……」
「あ、目が覚めましたか?」
目覚めの一番に気になるのは、リューレンの頭に角があることだ。
意識を失う前は、リューレンの頭はローブのフードで隠れていたけど、角なんてあったらフード被れないし被れても目立つと思う。
だから、角なんてなかったと思うんだ。
でも、今は立派な角がある。
龍神とか言ってたけど、納得の立派な角だ。
ちょっと触ってみたいとか思ったよ。
「僕はリューレン様の側近アマギです。以後お見知り置きを」
男は微笑むと俺に頭を下げた。
片眼鏡の糸目で、瞳の色はちょっとわからない。
髪は緑で後ろで長髪を三つ編みにしている。
「幸運のツボとか売ってきそうって言われませんか?」
「あはは!よく言われますが、売りませんし持ってません」
「あの、俺家に帰りたいです」
「すみません。それはできません」
「……」
俺はしょんぼりと縮こまり、帰れないことを嘆いた。
もう、マスターと暮らした家に帰れないことはとても辛い。
マスターがもういなくても、たくさんの思い出があったのに……。グスン。
「な、何をする!?」
「こういう時は、そっとしてあげるのが優しさというものですよ。ここ、テストに出しますからね」
「何のテストだ!?」
「ノリです☆」
アマギは俺を気遣わしげにみた後、そっとリューレンの襟首を掴んでリューレンを引き摺りながら部屋から出ていった。
……何気にアマギ、楽しい性格してるなってちょっと思ったよ。
「私は悪くないぞ。コイツが私の宝玉を返さないのだから仕方ないじゃないか。そう怒鳴るな」
「はぁ、まったく……」
誰かの話し声がする。
目を覚ますとそこは知らない部屋で、俺はベッドで寝かされていた。
そして、リューレンが不貞腐れていた。
リューレンを叱っているらしき男はため息を吐いてしまっている。
「……」
「あ、目が覚めましたか?」
目覚めの一番に気になるのは、リューレンの頭に角があることだ。
意識を失う前は、リューレンの頭はローブのフードで隠れていたけど、角なんてあったらフード被れないし被れても目立つと思う。
だから、角なんてなかったと思うんだ。
でも、今は立派な角がある。
龍神とか言ってたけど、納得の立派な角だ。
ちょっと触ってみたいとか思ったよ。
「僕はリューレン様の側近アマギです。以後お見知り置きを」
男は微笑むと俺に頭を下げた。
片眼鏡の糸目で、瞳の色はちょっとわからない。
髪は緑で後ろで長髪を三つ編みにしている。
「幸運のツボとか売ってきそうって言われませんか?」
「あはは!よく言われますが、売りませんし持ってません」
「あの、俺家に帰りたいです」
「すみません。それはできません」
「……」
俺はしょんぼりと縮こまり、帰れないことを嘆いた。
もう、マスターと暮らした家に帰れないことはとても辛い。
マスターがもういなくても、たくさんの思い出があったのに……。グスン。
「な、何をする!?」
「こういう時は、そっとしてあげるのが優しさというものですよ。ここ、テストに出しますからね」
「何のテストだ!?」
「ノリです☆」
アマギは俺を気遣わしげにみた後、そっとリューレンの襟首を掴んでリューレンを引き摺りながら部屋から出ていった。
……何気にアマギ、楽しい性格してるなってちょっと思ったよ。
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