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1◆オートマタの俺
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オートマタとは、人間みたいに考えたり喋ったり動く人工的に作られた人形だ。
作成者によっては限りなく人間そっくりに作られている。
俺の名前はジゼルといって、見た目は少年ぐらいかな。
色白の肌に、白い短髪に、赤と黄色のオッドアイ。
だいぶ昔に作られたんだけれど、俺を作ったマスターは少し前にその息を止めてしまったんだ。
俺が作られた時は、マスターはまだ20歳そこそこの若い人だったのに、90歳になったマスターは穏やかに亡くなってしまった。
残された俺は、ただ1人止まることもできずに動き続けるしかない。
「こんにちは、少しいいだろうか?」
「こんにちは、旅の方。買い物ですか?」
俺はマスターがいなくなった後、マスターから教わったポーション作りの知識で一人暮らしをしていた。
マスターのいない家はとても寂しいけれど、それでも俺は、ここを離れるということを選べなかったから。
こうしてたまにポーションを買う人のお陰で、一人でも生活できている。
俺はかなり人間に近くできてるから、生きるために食事が必要なんだ。
なくても生きられるけど、空腹の辛さというやつを感じるのが辛いからな……質素なものでいいから食べときたい。
「買い物ではないが、オススメがあれば買おう」
「ありがとうございます!買い物ではないって、では違うご要件でしたか?」
「あぁ、探し物をな」
ローブのフードを深く被る男は、俺の顎をいきなり顎グイしたと思ったら、至近距離で瞳をみつめてきて………。
って、いきなり何すんだ!?
思わず赤くなってしまったじゃないか!!
「旅の方、いきなり何を……」
赤と黄色のオッドアイが俺をみつめる。
その瞳は、なんだか見覚えがある気がした。
そう、俺の瞳と同じ色のオッドアイだ。
「みつけた」
「え?」
男の白い長髪がゆらりと揺れる。
「私は龍神リューレン、その昔大事な宝玉を無くしてしまったんだ。龍神の宝玉は魂の一部。やっとみつけた」
「宝玉……って、まさか……」
「お前の中にある」
俺の心臓には、とある宝玉が使われている。
それは、マスターがたまたま拾った宝玉だったらしい。
膨大な力を宿す宝玉は、俺というオートマタの性能をグッと上げて、より人間に近くすることができた。
つまり、どういうことかというと。
俺から宝玉を抜き取れば、俺は機能を停止する。
人間的にいうと、死ぬということだ。
作成者によっては限りなく人間そっくりに作られている。
俺の名前はジゼルといって、見た目は少年ぐらいかな。
色白の肌に、白い短髪に、赤と黄色のオッドアイ。
だいぶ昔に作られたんだけれど、俺を作ったマスターは少し前にその息を止めてしまったんだ。
俺が作られた時は、マスターはまだ20歳そこそこの若い人だったのに、90歳になったマスターは穏やかに亡くなってしまった。
残された俺は、ただ1人止まることもできずに動き続けるしかない。
「こんにちは、少しいいだろうか?」
「こんにちは、旅の方。買い物ですか?」
俺はマスターがいなくなった後、マスターから教わったポーション作りの知識で一人暮らしをしていた。
マスターのいない家はとても寂しいけれど、それでも俺は、ここを離れるということを選べなかったから。
こうしてたまにポーションを買う人のお陰で、一人でも生活できている。
俺はかなり人間に近くできてるから、生きるために食事が必要なんだ。
なくても生きられるけど、空腹の辛さというやつを感じるのが辛いからな……質素なものでいいから食べときたい。
「買い物ではないが、オススメがあれば買おう」
「ありがとうございます!買い物ではないって、では違うご要件でしたか?」
「あぁ、探し物をな」
ローブのフードを深く被る男は、俺の顎をいきなり顎グイしたと思ったら、至近距離で瞳をみつめてきて………。
って、いきなり何すんだ!?
思わず赤くなってしまったじゃないか!!
「旅の方、いきなり何を……」
赤と黄色のオッドアイが俺をみつめる。
その瞳は、なんだか見覚えがある気がした。
そう、俺の瞳と同じ色のオッドアイだ。
「みつけた」
「え?」
男の白い長髪がゆらりと揺れる。
「私は龍神リューレン、その昔大事な宝玉を無くしてしまったんだ。龍神の宝玉は魂の一部。やっとみつけた」
「宝玉……って、まさか……」
「お前の中にある」
俺の心臓には、とある宝玉が使われている。
それは、マスターがたまたま拾った宝玉だったらしい。
膨大な力を宿す宝玉は、俺というオートマタの性能をグッと上げて、より人間に近くすることができた。
つまり、どういうことかというと。
俺から宝玉を抜き取れば、俺は機能を停止する。
人間的にいうと、死ぬということだ。
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