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10◆クロエ視点【クロエ×ステファン】

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昼休み。

俺は学園の中庭で、一人のんびりと休憩をしていた。

先生達には悪いが、居眠りで多少睡眠不足はなんとかなった。

………自主勉しとくから許してね?

まだ足腰が回復してない俺は、ジェイドに少しだけ一人にしてもらっているんだ。

俺にだって、一人になりたい時もたまにはあるということだ。



ふと気付いたら、なんか可愛い美少年と目があった。

「あ……う゛ぅっ!!」

「え!?」

突然蹲る美少年!

俺は急いでヨタヨタと近寄る。

まだシャンと歩けないんだ……こんなヨタヨタでもちゃんと急いでいるんだぜ。

俺は具合の悪そうな美少年に声をかけた。

「どうした?大丈夫か?」

「うぐぅっ!!………ふ、ふふ♡」

「ん?」

苦しんでたと思ったら、今度は何故か笑い始める美少年。

この美少年、もしかして情緒不安定なんだろうか?

「みぃつけた♡」

「え?」

初対面なのにみつけたって言われた。

え、何この子……こわぁ。

ちょっと内心引いていると、美少年は俺にいきなり抱きついてきた。

この子のこと怖いけれど、抱きつかれてちょっと嬉しくなってしまったのは、きっと男の悲しい性というやつだと思う。

「僕には分かるよ。黒江だよね?僕の黒江だよね?あぁ!会えた♡やっと会えたぁ~♡もう逃さないから………ふふふっ」

おっと?

これは……まさか!

この雰囲気の奴には見覚えがある。

あの日、前世の俺が死んだ日、俺の頭を刺した遊び相手だ!

彼の名前は確かホマレだったと思う。

ちょっと狂ってるところが可愛かったんだよね。

でも俺、誉に殺られちゃったけどね!

心中するとか言ってたけど、もしかして本当に心中したのかな?

まぁ、それはともかく。

そうか、誉も転生してたんだな。

そう思ってこの後どうしようと悩んでいたら、美少年はまた苦しみだした。

何か持病があるのだろうか?

「う゛あ゛ぁっ…!!黙れ!」

「え!?」

俺を突き飛ばして、また美少年は蹲る。

「……逃げてください。……早くっ!」

「君は……」

「早く!!」

美少年が必死にそう叫んだから、俺はその場から逃げ出した。

一体、あれはどういうことだ?

もしかして、美少年は転生というわけではないんだろうか?

………まさか、誉が執念で俺を追いかけてきた可能性あったりして………ひえぇ。

もし執念だったら怖いと思った。

もう玉ひゅんしちゃうよ!ひゅんひゅん!!

誉が俺を異世界まで追いかけてきてたら、誉はレジェンドストーカーの称号をもらっていいと思うよ。

普通のストーカーの次元を軽く超えてるからね!



その後、俺は廊下でステファンに会った。

俺の身体はまだヤれそうにないから、イチャイチャだけでも楽しむかとステファンと空き教室に入る。

そして、俺はなんとなくさっきの美少年の話をしたんだ。

「その特徴ならアルマだと思う」

どうやら美少年は、ステファンのクラスメートだったらしい。

「何か持病とかあるのかな」

「さぁ、どうなんだろう。最近転校してきた子だから何も知らないんだ」

「そうなんだ?」

彼女のようにステファンは俺に凭れて寛ぎ中だ。

というか、めちゃくちゃ可愛いんだが!

俺の足腰が今の状態じゃなければ手を出したのに………くぅ、残念!

ヤらないかチャレンジできないの無念!!

せめて太ももを撫で撫でして愛でるぐらいはしておこうと、ステファンの太ももに手を伸ばす。

「あっ♡クロエ………はぁはぁ」

ヤりすぎの代償を足腰に感じても、やはりエドヴァルドとの体験を後悔はしていない。

ステファンの太ももがすごくいい触り心地だから、今度素股のお誘いでもしてみよう。

「クロエ……くすぐったいよ。んあっ……はぁはぁ♡」

真っ赤に表情を染めて、ステファンはもじもじと身悶える。

でもその性欲の開放は、明日までお預けだ。

「明日俺が抱くまで、勝手に弄るの禁止だからな」

「私をこんなにしたのに禁欲させるなんて、クロエは酷い男だ。でも、なんだかそんなクロエも愛している!」

ステファンを興奮させるだけさせて禁欲させて、俺はステファンを明日のお楽しみにした。
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