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39◆魔王討伐
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「カルマ様……どうか、僕を再びお使いください。ナイトメアが僕の魂の欠片を使ってヒジリ君をみつけたように、その逆も然り。貴方達をナイトメアの下に導きましょう」
「エスター、マリウス、ヒジリを守るために私の力を二人に授ける。どうか、ナイトメアを倒してくれ」
なんだかよくわからないけれど、感動の再会を果たしたらしきカルマ様とフランに話の流れでエスターとマリウスは魔王討伐を頼まれてしまった。
曰く、魔王ナイトメアというのを倒さないと僕がこれからも狙われるかららしい。
え、僕命狙われてたの!?
魂食べるって何!?怖っ!
魔王復活を阻止するって……やっぱりエスターとマリウスは物語の主人公なのかもしれない。
僕を守るために二人はメラメラと殺意を滾らせ、魔王をぶちのめすと言っている。
日曜朝のヒーロー番組みたいなことになってきたなと僕は思う。
そして、フランが空間に切れ目をいれた。
わぁー、切れ目の向こう側真っ黒!!
「この向こうにナイトメアがいます……ふぅ」
ふらりと立ち眩みに倒れそうになるフラン。
「おっと!無理するな」
そんなフランを、カルマ様が咄嗟に支えた。
「いえ、大丈夫です。この魂燃え尽きたとしても、必ず貴方の役に立ちますから」
「お前は……またそんな……」
フラン……僕にも彼の魂の欠片が混じってるらしいけど、だからなのか思考回路が似てる気がする。
……特に、好きな人の役に立ちたいところとか。
二人は絶対想い合ってると思う。
カルマ様は僕をみて言った。
「ヒジリ、君はその気になれば、癒しの力を使えるだろう」
「僕にそんな力が……?じゃあ、僕にもできることがあるんだね!」
「あぁ……だが、無理はするな。君は生きているのだから」
切なそうなカルマ様は、そう言うとフランを抱きしめた。
「……命を大切にしろ。愛する者を思うなら生きろ。……死ねば、残された者がどう思うか、ちゃんと考えるんだ。わかったな?」
「……うん」
フランは、身体は幻影で作られ、魂は欠片程度にしかない。
……だから、フランはもうすぐ消えてしまうらしい。
それは、どれだけ二人が愛し合っていても変わらない……。
辛そうなカルマ様に、エスターとマリウスの姿が重なる。
もし、僕が死んだら、エスターもマリウスも今のカルマ様のように辛くなるの?悲しくなるの?
……だったら、僕は、絶対に死ねない。
二人を悲しませるぐらいなら、絶対に死なない。
「エスター、マリウス、ヒジリを守るために私の力を二人に授ける。どうか、ナイトメアを倒してくれ」
なんだかよくわからないけれど、感動の再会を果たしたらしきカルマ様とフランに話の流れでエスターとマリウスは魔王討伐を頼まれてしまった。
曰く、魔王ナイトメアというのを倒さないと僕がこれからも狙われるかららしい。
え、僕命狙われてたの!?
魂食べるって何!?怖っ!
魔王復活を阻止するって……やっぱりエスターとマリウスは物語の主人公なのかもしれない。
僕を守るために二人はメラメラと殺意を滾らせ、魔王をぶちのめすと言っている。
日曜朝のヒーロー番組みたいなことになってきたなと僕は思う。
そして、フランが空間に切れ目をいれた。
わぁー、切れ目の向こう側真っ黒!!
「この向こうにナイトメアがいます……ふぅ」
ふらりと立ち眩みに倒れそうになるフラン。
「おっと!無理するな」
そんなフランを、カルマ様が咄嗟に支えた。
「いえ、大丈夫です。この魂燃え尽きたとしても、必ず貴方の役に立ちますから」
「お前は……またそんな……」
フラン……僕にも彼の魂の欠片が混じってるらしいけど、だからなのか思考回路が似てる気がする。
……特に、好きな人の役に立ちたいところとか。
二人は絶対想い合ってると思う。
カルマ様は僕をみて言った。
「ヒジリ、君はその気になれば、癒しの力を使えるだろう」
「僕にそんな力が……?じゃあ、僕にもできることがあるんだね!」
「あぁ……だが、無理はするな。君は生きているのだから」
切なそうなカルマ様は、そう言うとフランを抱きしめた。
「……命を大切にしろ。愛する者を思うなら生きろ。……死ねば、残された者がどう思うか、ちゃんと考えるんだ。わかったな?」
「……うん」
フランは、身体は幻影で作られ、魂は欠片程度にしかない。
……だから、フランはもうすぐ消えてしまうらしい。
それは、どれだけ二人が愛し合っていても変わらない……。
辛そうなカルマ様に、エスターとマリウスの姿が重なる。
もし、僕が死んだら、エスターもマリウスも今のカルマ様のように辛くなるの?悲しくなるの?
……だったら、僕は、絶対に死ねない。
二人を悲しませるぐらいなら、絶対に死なない。
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