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12◆フォークは刃物(マリウス視点

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ヒジリが食事を食べてくれるようになって、僕達は安心をした。

スープをパクパク食べているので、サラダも食べてくれるかなって夕食につけてみる。

今夜もヒジリが食べてる姿を見守るつもりだった。

しかし、緊急の仕事で森に行かなくてはいけなくて……。

今夜は、ヒジリ一人で食事をすることになったんだ。

まぁ、他の使用人をつけようと思えばつけることはできたんだけどね。

なんだかそれは嫌で、基本的に僕とエスターがヒジリのお世話をしている。

他の隊員からは、自分達にもお世話させてほしいって言われるけど、嫌なんだから仕方ない。

エスターと二人でヒジリを大切にしたいんだ。

別にエスターに特別な感情を持っているとかじゃないけれど、エスターならいいんだ。

……不思議だね?

まぁ、とにかく。

今夜は早く帰れるように、張り切ろうね!



緊急の仕事とは、森に異常に強い魔物がいたと知らせがきて討伐することになったんだ。

僕は医療担当ではあるけど、戦えない者はこの第三部隊には必要ない。

戦える上で、医療ができる者が医療担当になる。

手当てが上手とか、回復や解毒の魔法を使えるとかの者は医療担当になるね。

求められるのは医者のような完璧ではない。

ちなみに、回復魔法とは自然治癒力を上げるというものだよ。

怪我がパッと治るわけじゃないから、大怪我は治り難い。

僕は回復魔法が使えるから、ヒジリに毎日回復魔法をかけている。

あと、僕は戦闘では中衛担当でもある。

ついでに、エスターは前衛担当だったりするよ。



魔物を討伐して、返り血で汚れたからお風呂に入る。

ヒジリもお風呂に入れてあげたいけど、今はヒジリの体調的に控えている感じだ。

もう少し体調が治ったらお風呂に入れてあげよう。

もちろん僕と裸の付き合い……僕が付き添いをするよ!

手取り足取り腰とりして、隅々まで洗ってあげたいな。

……変な下心はないよ?

だってヒジリは子供だもの……変なことは考えてないよ。

つい何かに言い訳をしてしまった。



ヒジリの部屋に行くと、血の匂いがすることに気づいた。

「ヒジリ!」

サラダを食べるためにあったフォーク。

それに血がついている。

ヒジリの首から血が出ていて、ヒジリは気を失っていた。

僕は慌てて回復魔法を使う。

なんとか出血が止まると、僕は首を手当てした。

一段落ついて思ったことは、ヒジリの側に刃物になるものは置かないようにしようということだった。

危うくヒジリが死ぬところだったからね。

ヒジリが目を覚ましたらこんなことしちゃダメだと叱らないとだけど、僕が心配して怒ってるということがヒジリに伝わるといいな。
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