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49◆とても……硬いですね……!
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翌朝、眠りから覚めると私はラグと一緒にラグの部屋で寝てました。
「え、あ、わ、私ったら……ラグのベッドに忍び込むだなんてはしたない!」
「いや、俺様がアデルを離したくなくてベッドにお持ち帰りしたんだ」
「そう…なんですか?あら、私……そういえば昨夜……」
私を腕枕しながら抱きしめているラグの温もりを感じながら、私は昨夜を思い出します。
私、グランのハーブティーを飲んでから、どうなってこうなったんでしょうか?
そこが思い出せないのですが、今はとても重要で緊急で大変な問題が浮上しています。
所謂、ラッキースケベというやつなのだと思うのですが……。
なんと……。
「ラグ、その……。一部が!とても、硬く元気になってますね!」
「え?……ふぁっ!すまん!」
それは、朝勃ちと呼ばれる男性の生理現象。
健康な男性にはよくあること。
……ただし、私は一度もなったことありませんけれどね。
そのラグの朝勃ちが、私の下半身にグイグイと当たっていて、私は自身ですら未体験の朝勃ちという現象の前で、思わず混乱して元気に指摘してしまいました。
ラグのキョトン顔からの真っ赤になった焦り顔がちょっと可愛かったです。
そしてラグは、トイレに走るのでした。
私、昨夜誘拐されたようですね。
朝食中にラグが説明してくれました。
グラン、あんなに働き者の好青年だったのに……。
「今日からアデルはできるだけずっと俺様の側にいてくれ。こう、立て続けにアデルの身に危険が襲いかかったから、しばらく他に任せられない。俺様の側が無理な時は、トレヴァーとだ。シルベスターは引き続きアデルの護衛をする」
「わかりました。ご迷惑をおかけした分、私を馬車馬のように使ってください!」
「俺様は妻を馬車馬にする気はないぞ!?」
こうして、その日から仕事をしながら知らない闇の世界事情なんかも学んでいきました。
そしてラグと結婚式の衣装を選んだりしました。
結婚式の三日前に私の実家であるクリア伯爵家で、身内だけのパーティーを開いて私達の晴れの姿をみせることになっています。
ラグが魔道具で私のお父様と手紙のやりとりをしているんですよ。
それで互いに盛り上がっているのだとか。
ラグは特別な相手にだけこの魔道具を渡すらしく、クリア伯爵家は義実家になるのだからと渡していました。
私も家族によく手紙を出させてもらっているんですよ。
「ラグ、この魔道具は手紙しか送れないのですか?」
「いや、小物レベルの物なら送れる」
「では、私の手料理は送れますか?」
「大丈夫だ。ちなみに何送りたいんだ?」
「クッキーです。これ、ラグ用ですよ」
私はラグ用に用意したクッキーを差し出しました。
ラグはクッキーの袋から1枚取り出してギョッとしていますね。
何故なら……。
「……なんか、目玉がついてるんだが」
「焼いたら、何故か一つ目が瞬きしてました」
「おっふ」
一つ目がギョロっとラグをみていますね。
何故目玉ができてしまったのかは不明ですが、野菜だって叫ぶのですからクッキーに目玉があっても不思議ではないのかもしれません。
ちなみに味は美味しかったので、気にしないことにしています。
クッキーをラグは躊躇なく食べてくれました。
「サクサクして美味いな!」
「ふふ、ありがとうございます」
そして、実家用のクッキーをメッセージカード付きでルンルンと送るのでした。
実家の反応。
「闇の世界のクッキーって、目玉を焼くのね」
「これ生きてない?ギョロギョロしてるよ」
しばらく困惑が生まれたらしいですが、味は美味しかったらしいです。
「え、あ、わ、私ったら……ラグのベッドに忍び込むだなんてはしたない!」
「いや、俺様がアデルを離したくなくてベッドにお持ち帰りしたんだ」
「そう…なんですか?あら、私……そういえば昨夜……」
私を腕枕しながら抱きしめているラグの温もりを感じながら、私は昨夜を思い出します。
私、グランのハーブティーを飲んでから、どうなってこうなったんでしょうか?
そこが思い出せないのですが、今はとても重要で緊急で大変な問題が浮上しています。
所謂、ラッキースケベというやつなのだと思うのですが……。
なんと……。
「ラグ、その……。一部が!とても、硬く元気になってますね!」
「え?……ふぁっ!すまん!」
それは、朝勃ちと呼ばれる男性の生理現象。
健康な男性にはよくあること。
……ただし、私は一度もなったことありませんけれどね。
そのラグの朝勃ちが、私の下半身にグイグイと当たっていて、私は自身ですら未体験の朝勃ちという現象の前で、思わず混乱して元気に指摘してしまいました。
ラグのキョトン顔からの真っ赤になった焦り顔がちょっと可愛かったです。
そしてラグは、トイレに走るのでした。
私、昨夜誘拐されたようですね。
朝食中にラグが説明してくれました。
グラン、あんなに働き者の好青年だったのに……。
「今日からアデルはできるだけずっと俺様の側にいてくれ。こう、立て続けにアデルの身に危険が襲いかかったから、しばらく他に任せられない。俺様の側が無理な時は、トレヴァーとだ。シルベスターは引き続きアデルの護衛をする」
「わかりました。ご迷惑をおかけした分、私を馬車馬のように使ってください!」
「俺様は妻を馬車馬にする気はないぞ!?」
こうして、その日から仕事をしながら知らない闇の世界事情なんかも学んでいきました。
そしてラグと結婚式の衣装を選んだりしました。
結婚式の三日前に私の実家であるクリア伯爵家で、身内だけのパーティーを開いて私達の晴れの姿をみせることになっています。
ラグが魔道具で私のお父様と手紙のやりとりをしているんですよ。
それで互いに盛り上がっているのだとか。
ラグは特別な相手にだけこの魔道具を渡すらしく、クリア伯爵家は義実家になるのだからと渡していました。
私も家族によく手紙を出させてもらっているんですよ。
「ラグ、この魔道具は手紙しか送れないのですか?」
「いや、小物レベルの物なら送れる」
「では、私の手料理は送れますか?」
「大丈夫だ。ちなみに何送りたいんだ?」
「クッキーです。これ、ラグ用ですよ」
私はラグ用に用意したクッキーを差し出しました。
ラグはクッキーの袋から1枚取り出してギョッとしていますね。
何故なら……。
「……なんか、目玉がついてるんだが」
「焼いたら、何故か一つ目が瞬きしてました」
「おっふ」
一つ目がギョロっとラグをみていますね。
何故目玉ができてしまったのかは不明ですが、野菜だって叫ぶのですからクッキーに目玉があっても不思議ではないのかもしれません。
ちなみに味は美味しかったので、気にしないことにしています。
クッキーをラグは躊躇なく食べてくれました。
「サクサクして美味いな!」
「ふふ、ありがとうございます」
そして、実家用のクッキーをメッセージカード付きでルンルンと送るのでした。
実家の反応。
「闇の世界のクッキーって、目玉を焼くのね」
「これ生きてない?ギョロギョロしてるよ」
しばらく困惑が生まれたらしいですが、味は美味しかったらしいです。
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