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43◆そしてストーカーはいなくなった【ラグナロク視点
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俺様達は急いでアデル達のいる場所まで走っていた。
そして、アデル達のいる森でみたのは……。
「人はそれを思い込みといいます。貴女は一度でもラグから言葉で愛しているを伝えられましたか?」
「思い込みなんかじゃないわ!言葉がなくても伝わるのが愛なのよ!」
「言葉は大切ですよ。なくても伝わることもあるでしょうけれど、本当に愛しているなら言葉にして伝えるはずです」
「私に説教しないで!貴方うるさいのよ!」
正座しているアデルが、首から下が埋まっているマリアンヌに対して説教をしている。
マリアンヌの頭のヘビが疲れ果てタラーンと垂れ下がっているのがちょっと笑えた。
「何度も捕まったこともあるのでしょう?つまり、貴女のしていることは迷惑行為ということです。違っていたらそもそも捕まらないでしょ?」
「冤罪だから釈放されてるじゃない!」
「世の中には釈放金というものがありましてね、罪の重さで金額は変わりますが払うと出られる制度があるんですよ。親御さんが払っている可能性はないのですか?本当に冤罪なら、何度も捕まらないと私は思います」
「……最近使えるお小遣いが減っていっていたわね」
「理由は聞きましたか?」
「……気にしてなかったから聞いてないわよ」
「なら一度聞いてみましょうね」
マリアンヌもちょっと疲れてきたのか、怒りが萎んでいるようだ。
というか、親が釈放金払ってるの知らなかったんだな。
そしてお小遣いを代わりに減らしていたと。
……いや、そもそもマリアンヌを止めろよレイル公爵!!
「相手が嫌がっているのに行き過ぎた好意を伝えることは、果たして本当に愛でしょうか?本当に愛しているなら、相手の幸せを願うのがいい女なのよと昔お母様が言っていたことがあるんです。マリアンヌ嬢は美しくて愛に一途な女性なのですから、その気になれば相手なんて選り取り見取り。一度自身の周りをよくみてみましょう。貴女を愛している方は、意外と身近にいるかもしれませんよ」
「……」
あ、あのマリアンヌが……何度も迷惑だと言っても聞く耳を持たなかったマリアンヌが……泣いている!?
静かに涙を流すマリアンヌと、頭のヘビ。
あのヘビって泣くんだな……。
「私、愛する方に愛されたかっただけなのよ。愛し愛され幸せになりたかったの。私を愛していると本当に思っていたわ。拒絶されても、恥ずかしいだけなのよって……。貴方のことだって、神子という立場で無理矢理ラグナロク様に迫ったんだと思ってた」
「ラグは例え無理矢理迫ったとしても、嫌なら嫌と言えると思います」
「……そうね。ラグナロク様は偉大なる魔王陛下だもの。簡単に折れるわけがない。……ただ、私は認めたくなかっただけなのよ。貴方をラグナロク様の相手として受け入れたくなかっただけ。無理矢理迫ったなんて、ただの言い訳よ」
マリアンヌはもう殺る気はないのか、か弱い少女のように泣く。
アデルはそんなマリアンヌを、魔法で穴から出して綺麗にしてお互いに向かいあって地面に座っている。
そしてアデルが泣くマリアンヌを慰めながら、話は恋愛相談へと流れていった結果……。
「あんなに私を拒絶する殿方に私はもったいないわよね!」
なんか、マリアンヌは元気になって俺様への恋心がすっかりなくなったようだ。
それから、シルベスターはいつの間にか元に戻ってアデルを探していた。
マリアンヌの迷惑行為もなくなったので、アデルのお手柄だな。
……結局、俺様は何もすることなかったけど、アデルが無事だったから問題なし。
そして、アデル達のいる森でみたのは……。
「人はそれを思い込みといいます。貴女は一度でもラグから言葉で愛しているを伝えられましたか?」
「思い込みなんかじゃないわ!言葉がなくても伝わるのが愛なのよ!」
「言葉は大切ですよ。なくても伝わることもあるでしょうけれど、本当に愛しているなら言葉にして伝えるはずです」
「私に説教しないで!貴方うるさいのよ!」
正座しているアデルが、首から下が埋まっているマリアンヌに対して説教をしている。
マリアンヌの頭のヘビが疲れ果てタラーンと垂れ下がっているのがちょっと笑えた。
「何度も捕まったこともあるのでしょう?つまり、貴女のしていることは迷惑行為ということです。違っていたらそもそも捕まらないでしょ?」
「冤罪だから釈放されてるじゃない!」
「世の中には釈放金というものがありましてね、罪の重さで金額は変わりますが払うと出られる制度があるんですよ。親御さんが払っている可能性はないのですか?本当に冤罪なら、何度も捕まらないと私は思います」
「……最近使えるお小遣いが減っていっていたわね」
「理由は聞きましたか?」
「……気にしてなかったから聞いてないわよ」
「なら一度聞いてみましょうね」
マリアンヌもちょっと疲れてきたのか、怒りが萎んでいるようだ。
というか、親が釈放金払ってるの知らなかったんだな。
そしてお小遣いを代わりに減らしていたと。
……いや、そもそもマリアンヌを止めろよレイル公爵!!
「相手が嫌がっているのに行き過ぎた好意を伝えることは、果たして本当に愛でしょうか?本当に愛しているなら、相手の幸せを願うのがいい女なのよと昔お母様が言っていたことがあるんです。マリアンヌ嬢は美しくて愛に一途な女性なのですから、その気になれば相手なんて選り取り見取り。一度自身の周りをよくみてみましょう。貴女を愛している方は、意外と身近にいるかもしれませんよ」
「……」
あ、あのマリアンヌが……何度も迷惑だと言っても聞く耳を持たなかったマリアンヌが……泣いている!?
静かに涙を流すマリアンヌと、頭のヘビ。
あのヘビって泣くんだな……。
「私、愛する方に愛されたかっただけなのよ。愛し愛され幸せになりたかったの。私を愛していると本当に思っていたわ。拒絶されても、恥ずかしいだけなのよって……。貴方のことだって、神子という立場で無理矢理ラグナロク様に迫ったんだと思ってた」
「ラグは例え無理矢理迫ったとしても、嫌なら嫌と言えると思います」
「……そうね。ラグナロク様は偉大なる魔王陛下だもの。簡単に折れるわけがない。……ただ、私は認めたくなかっただけなのよ。貴方をラグナロク様の相手として受け入れたくなかっただけ。無理矢理迫ったなんて、ただの言い訳よ」
マリアンヌはもう殺る気はないのか、か弱い少女のように泣く。
アデルはそんなマリアンヌを、魔法で穴から出して綺麗にしてお互いに向かいあって地面に座っている。
そしてアデルが泣くマリアンヌを慰めながら、話は恋愛相談へと流れていった結果……。
「あんなに私を拒絶する殿方に私はもったいないわよね!」
なんか、マリアンヌは元気になって俺様への恋心がすっかりなくなったようだ。
それから、シルベスターはいつの間にか元に戻ってアデルを探していた。
マリアンヌの迷惑行為もなくなったので、アデルのお手柄だな。
……結局、俺様は何もすることなかったけど、アデルが無事だったから問題なし。
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