41 / 50
41◆魔王、嫁のピンチを知る【ラグナロク視点
しおりを挟む
トレヴァーに見張られながら、アデルとイチャつきたい欲望を堪えて、俺様は真面目に仕事をしていた。
「うぁー!アデルとイチャつきたい!」
だが、机に積まれたたくさんの書類の山という地獄を前に、思わず叫ばずにはいられない。
今の俺様には、アデルの愛というオアシスが必要なんだ。
……しかし、トレヴァーはニッコリと微笑む。
「これが終わるまでお預けです」
「うがーっ!」
「ラグナロク様大変です大変です大変ですーーー!!」
「んなーっ!?」
そんな俺様の下からノアールが慌てた様子で出てきたんだ。
……だがノアールよ、いくら慌てていても俺様の仕事机の下から出てくるのはやめてくれ。
なんか、傍から見たらまるで如何わしいことを俺様がお前にさせていたみたいじゃないか。
ほら、そういうシチュエーションのAVってあるだろ?
恋人に机の下でご奉仕してもらうやつ……べ、別にそういうのが好きなわけじゃないからな!?
とにかく、そんな場所から出てきたノアールには後でオハナシをすることにして……。
「どうしたんだ?ノアールはアデルを守ってるはずだろう。アデルに何かあったのか?」
ノアールはアデルを見守る役目があるはずなのに、コイツは何故ここにいるのか。
俺様が聞いたらノアールはちょっと泣きそうになりながら俺様に縋り付いてきた。
「ラグナロク様の自称恋人令嬢マリアンヌに連れて行かれました!」
「何だとっ!?」
マリアンヌとは、レイル公爵家の令嬢で、俺様を恋人だと勝手に思っている勘違いストーカーだ。
……ちなみに、メデューサ族であるレイル公爵家は男女関係なく髪の毛がヘビになるので、皆ロングのストレートヘアーだったりするぞ。
「護衛のシルベスターはどうしたんだ!!」
「現在、シルベスターはマリアンヌによって石にされていて、アデル様はシルベスターの命を人質にとられ、マリアンヌと決闘することを強要されたんです」
「……決闘?」
「どちらがラグナロク様に相応しいかわからせるとか言ってました」
「マリアンヌめ……いつか処せるレベルのやらかしをするとは思っていたが、アデルに手を出すとは……。よし、処刑一択だな!」
「気持ちはわかりますけど、決断早っ!?」
「アイツには今まで散々迷惑行為をされてな。何度捕まって牢屋に入っても、親が釈放金を払って牢屋からその日の内に出てくるんだ。アイツは騎士や牢番の間では、密かに【フェニックス令嬢】って呼ばれてるんだぜ。メデューサ族なのにフェニックス……アイツは何度も蘇るって意味の皮肉だよ」
「えぇ……」
ノアールは俺様の話を聞いて、ややドン引きしていた。
「トレヴァー、緊急だから行っていいよな?」
「仕方ないですね。お供しますよ」
「よしノアール、アデルの居場所はわかるか?」
「はい!分身体を置いてきたから大丈夫です。案内しますね!」
こうして、急遽俺様達はアデル救出に向かう。
アデルが簡単にあんな奴に殺られるとは思わないが、俺様の可愛い嫁がピンチなんだから急がないとな。
それにしても、俺様の可愛い嫁……俺様の可愛い嫁……!
あぁ、いい響きだなぁ。
……アデル、絶対に俺様が助けるから無事でいてくれよ。
「うぁー!アデルとイチャつきたい!」
だが、机に積まれたたくさんの書類の山という地獄を前に、思わず叫ばずにはいられない。
今の俺様には、アデルの愛というオアシスが必要なんだ。
……しかし、トレヴァーはニッコリと微笑む。
「これが終わるまでお預けです」
「うがーっ!」
「ラグナロク様大変です大変です大変ですーーー!!」
「んなーっ!?」
そんな俺様の下からノアールが慌てた様子で出てきたんだ。
……だがノアールよ、いくら慌てていても俺様の仕事机の下から出てくるのはやめてくれ。
なんか、傍から見たらまるで如何わしいことを俺様がお前にさせていたみたいじゃないか。
ほら、そういうシチュエーションのAVってあるだろ?
恋人に机の下でご奉仕してもらうやつ……べ、別にそういうのが好きなわけじゃないからな!?
とにかく、そんな場所から出てきたノアールには後でオハナシをすることにして……。
「どうしたんだ?ノアールはアデルを守ってるはずだろう。アデルに何かあったのか?」
ノアールはアデルを見守る役目があるはずなのに、コイツは何故ここにいるのか。
俺様が聞いたらノアールはちょっと泣きそうになりながら俺様に縋り付いてきた。
「ラグナロク様の自称恋人令嬢マリアンヌに連れて行かれました!」
「何だとっ!?」
マリアンヌとは、レイル公爵家の令嬢で、俺様を恋人だと勝手に思っている勘違いストーカーだ。
……ちなみに、メデューサ族であるレイル公爵家は男女関係なく髪の毛がヘビになるので、皆ロングのストレートヘアーだったりするぞ。
「護衛のシルベスターはどうしたんだ!!」
「現在、シルベスターはマリアンヌによって石にされていて、アデル様はシルベスターの命を人質にとられ、マリアンヌと決闘することを強要されたんです」
「……決闘?」
「どちらがラグナロク様に相応しいかわからせるとか言ってました」
「マリアンヌめ……いつか処せるレベルのやらかしをするとは思っていたが、アデルに手を出すとは……。よし、処刑一択だな!」
「気持ちはわかりますけど、決断早っ!?」
「アイツには今まで散々迷惑行為をされてな。何度捕まって牢屋に入っても、親が釈放金を払って牢屋からその日の内に出てくるんだ。アイツは騎士や牢番の間では、密かに【フェニックス令嬢】って呼ばれてるんだぜ。メデューサ族なのにフェニックス……アイツは何度も蘇るって意味の皮肉だよ」
「えぇ……」
ノアールは俺様の話を聞いて、ややドン引きしていた。
「トレヴァー、緊急だから行っていいよな?」
「仕方ないですね。お供しますよ」
「よしノアール、アデルの居場所はわかるか?」
「はい!分身体を置いてきたから大丈夫です。案内しますね!」
こうして、急遽俺様達はアデル救出に向かう。
アデルが簡単にあんな奴に殺られるとは思わないが、俺様の可愛い嫁がピンチなんだから急がないとな。
それにしても、俺様の可愛い嫁……俺様の可愛い嫁……!
あぁ、いい響きだなぁ。
……アデル、絶対に俺様が助けるから無事でいてくれよ。
110
お気に入りに追加
276
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
【完結】マジで滅びるんで、俺の為に怒らないで下さい
白井のわ
BL
人外✕人間(人外攻め)体格差有り、人外溺愛もの、基本受け視点です。
村長一家に奴隷扱いされていた受けが、村の為に生贄に捧げられたのをきっかけに、双子の龍の神様に見初められ結婚するお話です。
攻めの二人はひたすら受けを可愛がり、受けは二人の為に立派なお嫁さんになろうと奮闘します。全編全年齢、少し受けが可哀想な描写がありますが基本的にはほのぼのイチャイチャしています。
【完結】消えた一族の末裔
華抹茶
BL
この世界は誰しもが魔法を使える世界。だがその中でただ一人、魔法が使えない役立たずの少年がいた。
魔法が使えないということがあり得ないと、少年は家族から虐げられ、とうとう父親に奴隷商へと売られることに。その道中、魔法騎士であるシモンが通りかかりその少年を助けることになった。
シモンは少年を養子として迎え、古代語で輝く星という意味を持つ『リューク』という名前を与えた。
なぜリュークは魔法が使えないのか。養父であるシモンと出会い、自らの運命に振り回されることになる。
◎R18シーンはありません。
◎長編なので気長に読んでください。
◎安定のハッピーエンドです。
◎伏線をいろいろと散りばめました。完結に向かって徐々に回収します。
◎最終話まで執筆済み
「婚約を破棄する!」から始まる話は大抵名作だと聞いたので書いてみたら現実に婚約破棄されたんだが
ivy
BL
俺の名前はユビイ・ウォーク
王弟殿下の許嫁として城に住む伯爵家の次男だ。
余談だが趣味で小説を書いている。
そんな俺に友人のセインが「皇太子的な人があざとい美人を片手で抱き寄せながら主人公を指差してお前との婚約は解消だ!から始まる小説は大抵面白い」と言うものだから書き始めて見たらなんとそれが現実になって婚約破棄されたんだが?
全8話完結
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)
俺の婚約者は、頭の中がお花畑
ぽんちゃん
BL
完璧を目指すエレンには、のほほんとした子犬のような婚約者のオリバーがいた。十三年間オリバーの尻拭いをしてきたエレンだったが、オリバーは平民の子に恋をする。婚約破棄をして欲しいとお願いされて、快諾したエレンだったが……
「頼む、一緒に父上を説得してくれないか?」
頭の中がお花畑の婚約者と、浮気相手である平民の少年との結婚を認めてもらう為に、なぜかエレンがオリバーの父親を説得することになる。
『ユキレラ』義妹に結婚寸前の彼氏を寝取られたど田舎者のオレが、泣きながら王都に出てきて運命を見つけたかもな話
真義あさひ
BL
尽くし男の永遠の片想い話。でも幸福。
ど田舎村出身の青年ユキレラは、結婚を翌月に控えた彼氏を義妹アデラに寝取られた。
確かにユキレラの物を何でも欲しがる妹だったが、まさかの婚約者まで奪われてはさすがに許せない。
絶縁状を叩きつけたその足でど田舎村を飛び出したユキレラは、王都を目指す。
そして夢いっぱいでやってきた王都に到着当日、酒場で安い酒を飲み過ぎて気づいたら翌朝、同じ寝台の中には裸の美少年が。
「えっ、嘘……これもしかして未成年じゃ……?」
冷や汗ダラダラでパニクっていたユキレラの前で、今まさに美少年が眠りから目覚めようとしていた。
※「王弟カズンの冒険前夜」の番外編、「家出少年ルシウスNEXT」の続編
「異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ」のメインキャラたちの子孫が主人公です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる