夫婦喧嘩したのでダンジョンで生活してみたら思いの外快適だった

ミクリ21 (新)

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35◆敵勢力【敵視点

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敵勢力その1。

マリアンヌは激怒した。

「あぁ、なんてことかしら!?」

アデルがラグナロクと夫婦になったという情報は、ラグナロクを狙っていた令息令嬢達に激震をはしらせた。

アデルの存在は泥棒猫のように思われ、野心を抱く者達からしたら害悪の存在として恨みの対象となったのだ。

マリアンヌによって投げ捨てられた花瓶が激しく音を響かせて砕け割れて、美しい花は無残に散らばる。

その花をマリアンヌは靴で踏みにじる。

「ラグナロク様は私と愛し合っていたのに、神子だからってラグナロク様を無理矢理手に入れたのね!なんてことかしら!」

マリアンヌは、言ってしまえば勘違いストーカーみたいな令嬢だ。

ラグナロクのストーカーをしていて、ラグナロクはマリアンヌと相思相愛で愛し合っていると勘違いしている。

ちなみに、ラグナロクにはしっかりとストーカーとして認識されて、うっとおしく思われているぞ。

「可哀想なラグナロク様、そうよ私が助けてあげないとね。ラグナロク様が愛しているこのマリアンヌが!!うふふ……♡」

マリアンヌはラグナロクが自分に助けてのサインを送っていると妄想して不穏に笑う。

ドロドロとした愛のために、マリアンヌはアデルを始末しようと考えていた。



敵勢力その2。

野心を抱き魔王ラグナロクと自分の息子を政略結婚させようと企んでいたバレッド公爵は、アデルの存在を忌々しく思っていた。

「こうなったら暗殺しかないな」

暗殺ギルドに暗殺依頼をさっそく出すが、暗殺対象が魔王の伴侶なのでバレッド公爵はそれはもう高い金額を請求されてしまった。

ちなみに、暗殺ギルドは前払いの依頼しか受けないのだが、もし依頼を失敗しても返金されないので、依頼する時はそこに同意しないといけない。

バレッド公爵はしっかりと同意して、袋にたっぷりの金貨を渡した。

「神子だかなんだか知らんが、ワシの計画を邪魔するから死ぬことになる。精々自分自身を恨むがいい。はっはっはっ!」

たぬきのような真ん丸いお腹をポンポン叩き、アデル暗殺が成功すると信じて疑わない。

それはバレッド公爵がよく暗殺ギルドを利用するからこそ、暗殺ギルドに対して全幅の信頼を寄せているからである。



敵勢力その3。

その変態は、アデルをみて一目惚れをしていた。

「ハァハァ、アデルきゅん可愛いペロペロしたい♡」

まさかこんな変態が城の中にいるとは、まだアデルもラグナロクも誰も知らない。

常識人に擬態するのが得意な彼は、アデルをほしくてほしくて仕方なかった。

その気持ちは、アデルがラグナロクと夫婦なんてどうでもいいと思うほど強く、略奪したくて堪らない。

「あんなに可愛い子が陛下の嫁なんておかしい。きっと権力で無理矢理嫁にしたんだ。そうに違いない!嫌がるアデルきゅんにあーんなプレイやこーんなプレイを強要して……あぁ、陛下はなんて変態野郎なんだ!」

鏡をみてみろよとツッコミがいたるところから聞こえそうな妄想に取り憑かれた彼の中で、ラグナロクがとんでもない変態にされてしまっている。

まぁ、そのプレイの内容は自分がアデルとしたいプレイだったりするのだが……。

「きっとアデルきゅんは助けを待つ囚われのお姫様なんだ。王子様が助けてくれるのを待っているんだ。だから、僕がアデルきゅんを助けて、僕がアデルきゅんの王子様になるんだ。ぐへへ……♡」

ニチャアと笑う彼は、ハァハァとアデルのいやらしい妄想をして、ナニを扱いて自家発電に勤しむのだった。
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