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32◆闇の世界の空は紫色でした
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私は、ラグとジュールと一緒に闇の世界にやってきました。
「まぁ…あの青いのは月ですか?」
「いや、あれは太陽だ。闇の世界の月は赤いぞ」
空に浮かぶ青い光は太陽らしくて、空は紫色をしています。
今まで空は青いという概念で生きていましたから、不思議に思ってしまいます。
一度深呼吸をして私は気持ちを引き締めました。
「ラグ、私ラグの妻として粗相しないように気をつけますね」
「アデル……ありがとう。でも、もっと気楽でも大丈夫だからな」
そしてラグは婚姻届をすぐに作成して役所に提出して、目の前で受理させたのでした。
魔王城のラグの部屋の隣、妃の部屋が私の部屋らしいです。
内装は私の好みにしていいそうですが、私はこのままでいいと思います。
女性らしい内装ですが、品のいい家具ばかりなのであまり気にならないので問題ありません。
ジュールは賢い魔物だとラグから聞いたので、たぶんやらかしはしないでしょうけれど、私も新人魔族なので一緒に良いことと悪いことを学びましょう。
こういうのは学んでおいて損はしないものですからね。
「アデル、俺様の側近を紹介するぜ!吸血鬼族のトレヴァーだ」
「はじめまして、トレヴァーです。ぜひラグナロク陛下を尻に敷くつもりで手綱を握りしめていてくださいね!」
「尻に敷く……?」
輝くような笑顔でトレヴァーさんはそう言いますが、直後トレヴァーさんは頭をラグに叩かれていました。
側近ってもっと堅いイメージがあったんですけれど、意外と冗談が好きなんですね。
「さて、お二人の結婚式ですが、準備もありますから3ヶ月後になります。アデル様は、それまで暗殺に気をつけてください」
「暗殺……!」
「はい。ラグナロク陛下を狙う者達が、ラグナロク陛下を射止めるのに邪魔なアデル様を消そうとする可能性は高いと思われます。ですから、これからはアデル様に護衛をつけます。まだ誰を護衛にするかは決まってませんが、ラグナロク陛下が嫌だと駄々をこねても護衛をつけるのは絶対です。わかったら我儘言うなよラグ!」
「大丈夫だ。もうアデルは俺様の妻なんだから、もし護衛がアデルに手を出したら制裁するだけだからな。あぁ、もう俺様の妻……俺様の妻……いい響きだと思わないか?なぁ、トレヴァー」
「のろけはよそでやれ」
いきなり暗殺されるかもと聞いてびっくりしてしまいました。
暗殺なんて縁がありませんでしたからね。
でもそうですよね……ラグは魔王様なんですから、ラグを純粋に好きな人や権力に惹かれて言い寄る人もいるでしょうね。
魔王という立場を抜いたとしても、ラグはかっこよくて素敵で優しく、時に熱い心をもつ魅力的な方。
誰もがラグの隣に立ちたいでしょう。
そこに私のような目立たない人がいたら、目障りですよね。
目立たなくても、一応神子らしいですけど……。
そういえば、私まだ神殿でお祈りしてません。
闇の世界の神殿でも大丈夫でしょうか?
近々お祈りをしに行きましょう。
「ラグ、近々神殿に行きたいのですが……」
「え、これは……デートのお誘い!?もちろん行くぜ!明日行こうな!」
「まぁ、お仕事は大丈夫なんですか?」
「明日の分も今からするから大丈夫だ。トレヴァー、どんどん持って来い!」
「言質とった!容赦はしません。アデル様、その調子でこれからもよろしくお願いします!」
嬉しそうな二人は、私を部屋においてどこかに行ってしまいました。
私のせいでラグが徹夜とかしないかすごく心配です。
「まぁ…あの青いのは月ですか?」
「いや、あれは太陽だ。闇の世界の月は赤いぞ」
空に浮かぶ青い光は太陽らしくて、空は紫色をしています。
今まで空は青いという概念で生きていましたから、不思議に思ってしまいます。
一度深呼吸をして私は気持ちを引き締めました。
「ラグ、私ラグの妻として粗相しないように気をつけますね」
「アデル……ありがとう。でも、もっと気楽でも大丈夫だからな」
そしてラグは婚姻届をすぐに作成して役所に提出して、目の前で受理させたのでした。
魔王城のラグの部屋の隣、妃の部屋が私の部屋らしいです。
内装は私の好みにしていいそうですが、私はこのままでいいと思います。
女性らしい内装ですが、品のいい家具ばかりなのであまり気にならないので問題ありません。
ジュールは賢い魔物だとラグから聞いたので、たぶんやらかしはしないでしょうけれど、私も新人魔族なので一緒に良いことと悪いことを学びましょう。
こういうのは学んでおいて損はしないものですからね。
「アデル、俺様の側近を紹介するぜ!吸血鬼族のトレヴァーだ」
「はじめまして、トレヴァーです。ぜひラグナロク陛下を尻に敷くつもりで手綱を握りしめていてくださいね!」
「尻に敷く……?」
輝くような笑顔でトレヴァーさんはそう言いますが、直後トレヴァーさんは頭をラグに叩かれていました。
側近ってもっと堅いイメージがあったんですけれど、意外と冗談が好きなんですね。
「さて、お二人の結婚式ですが、準備もありますから3ヶ月後になります。アデル様は、それまで暗殺に気をつけてください」
「暗殺……!」
「はい。ラグナロク陛下を狙う者達が、ラグナロク陛下を射止めるのに邪魔なアデル様を消そうとする可能性は高いと思われます。ですから、これからはアデル様に護衛をつけます。まだ誰を護衛にするかは決まってませんが、ラグナロク陛下が嫌だと駄々をこねても護衛をつけるのは絶対です。わかったら我儘言うなよラグ!」
「大丈夫だ。もうアデルは俺様の妻なんだから、もし護衛がアデルに手を出したら制裁するだけだからな。あぁ、もう俺様の妻……俺様の妻……いい響きだと思わないか?なぁ、トレヴァー」
「のろけはよそでやれ」
いきなり暗殺されるかもと聞いてびっくりしてしまいました。
暗殺なんて縁がありませんでしたからね。
でもそうですよね……ラグは魔王様なんですから、ラグを純粋に好きな人や権力に惹かれて言い寄る人もいるでしょうね。
魔王という立場を抜いたとしても、ラグはかっこよくて素敵で優しく、時に熱い心をもつ魅力的な方。
誰もがラグの隣に立ちたいでしょう。
そこに私のような目立たない人がいたら、目障りですよね。
目立たなくても、一応神子らしいですけど……。
そういえば、私まだ神殿でお祈りしてません。
闇の世界の神殿でも大丈夫でしょうか?
近々お祈りをしに行きましょう。
「ラグ、近々神殿に行きたいのですが……」
「え、これは……デートのお誘い!?もちろん行くぜ!明日行こうな!」
「まぁ、お仕事は大丈夫なんですか?」
「明日の分も今からするから大丈夫だ。トレヴァー、どんどん持って来い!」
「言質とった!容赦はしません。アデル様、その調子でこれからもよろしくお願いします!」
嬉しそうな二人は、私を部屋においてどこかに行ってしまいました。
私のせいでラグが徹夜とかしないかすごく心配です。
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