夫婦喧嘩したのでダンジョンで生活してみたら思いの外快適だった

29◆【番外編】宴会の時の様子1【視点無し

ちょっとここで、番外編といきましょう。
宴会の時のこと知りたい人ももしかしたらいるかもだからね！
せっかくの様々な意味を持つお祝い、書かないわけにはいかないのだ！
というわけで、番外編も楽しんでくださると嬉しいです。
それでは、どうぞ！【by作者

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クリア伯爵家で、今夜は宴会だ。

この宴会にはいろんな意味がある。

行方不明でずっと探していた可愛い末っ子アデルの帰宅を祝うという意味。

さらに、そのアデルが連れてきた恋人の魔王ラグナロクを、魔王vs家族で熱く戦った後に家族はラグナロクをアデルの恋人として認め、ラグナロク歓迎会という意味。

そして、実はアデルとラグナロクの結婚を祝うという意味もあった。

なので、それは楽しく盛大な宴会になった。

ちなみに、食事はビュッフェスタイルで立食型の宴会だったりする。

椅子もソファも机もあるけど、皆最初はずっと立ってグイグイ楽しむものだ。



「このお肉おすすめ！やっぱり肉はガッツリしていてご飯がモリモリイケるよね！」

ラグナロクは、カイザーにホイホイと皿にコカトリスの焼き鳥を盛られている。

ご飯がモリモリすすむ焼き鳥は、甘辛いタレがシェフの拘りだ。

アデルの家族は鍛錬とかよくするから、ガッツリとした食事が喜ばれるのである。

え、カテリーナも鍛錬するのかって？

ダイエットという建前でしてるよ。

それはともかく、ラグナロクはすごく美味しい焼き鳥にニッコリと喜んでいた。

あんなに頑張って戦った後だから、ラグナロクは正直お腹がペコペコだったのだ。

「俺様のところのシェフの料理も美味いが、アデルのところのシェフの料理もめちゃくちゃ美味いな！」

「ふふ、褒めてくださり私も嬉しいです。パンに野菜と一緒に挟むのも美味しいんですよ」

アデルはサンドイッチにしていろいろな料理を食べているようだ。

実は、アデルは個人的にご飯よりパン派なので、サンドイッチで食べるのが大好きなのである。



「ラグナロクさん、魚は足りてますか？魚も美味しいので私が食べさせてあげましょう。ほら、あーんして？」

エレインが自らおすすめのサーモンのカルパッチョをフォークで食べさせようとしているが、ラグナロクはそんな行為に困惑している。

アデルにされたら迷わず喜ぶのだが、相手は義兄になる人……対応に困るというやつだ。

「エレインお兄様、ラグが困っているので私が食べてよいでしょうか？」

ラグナロクの困惑に気づいたアデルにそう言われて、エレインはニッコリとアデルにカルパッチョを食べさせる。

パクリと食べたアデルは、その美味しさにうっとりしていた。

流石おすすめなだけあるカルパッチョだ。

「アデル、魚もいっぱい食べて大きく元気に育つのですよ」

「エレインお兄様、私はもう元気に大きく育っていますよ」

二人はほんわかと会話に花を咲かせる。

そしてラグナロクは、おすすめされたカルパッチョを自分で食べているのだった。