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28◆ダンジョンに戻りました

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家族とラグが仲良くなって良かったです。

一時はどうなることかと思いましたが、ラグの熱烈な愛に私が嬉しいやら恥ずかしいやらで燃えるところでしたよ。

もしも人体発火していたら私の着ていた衣類が燃えてしまっていたことでしょう。

公開全裸にならなくて良かったです。

ちなみに人体発火ですが……したことあるのかと聞かれたらもちろんないのですけれど、不思議と今の私ならできてしまいそうで、なんだかちょっと怖かったりします。



皆で楽しく宴会をした翌日、私とラグはダンジョンに戻ることにしました。

引き留められましたが、ダンジョンにはお友達のジュールをお留守番させてますから……。

ジュール、無事だといいんですけど。

可愛いにゃんにゃんですから心配です。見た目狼ですけれどね。

そんなわけで、ダンジョンに戻った私達はジュールを探しました。



「にゃーん!」

「ジュール!」

私をみて駆け寄るジュールを抱きしめて、私はたっぷりもふもふとその毛並みを堪能しました。

転移でダンジョンの中を移動したのですが、すぐにジュールがみつかって良かったです。

実は、ラグにジュールを連れて行ってもいいか聞いてみたんです。

その、ラグは魔王様で私を魔族にして魔王城に連れて行くと言ってましたから。

せっかくできたお友達とずっとお別れなのは、嫌だなって思ってしまったんです。

わがままかもしれないって思っても、聞かずにはいられなかったんです。

けれど、大丈夫でした!

ラグは、ジュールも連れて行ってくれると言ってくれたんです。

「ジュールのことは気に入らないが、俺様はアデルのお願いが聞けないような器の小さい男じゃないからな。問題なしだ!」

ラグは猫が苦手なのか、それとも狼が苦手なのか、ジュールが気に入らないみたいです。

それでも私が望むならと私の気持ちを優先してくれました。

嬉しくて、思わずキスしてしまった私……あぁ、なんて大胆なことをしたのでしょう!

お恥ずかしいです。

でも、後悔は欠片もしてませんよ。

「ハァハァ……アデルが可愛すぎて暴発するかと思ったぜ」

「暴発?何が暴発するんですか?」

「何って……ナニだな……」

「?」

「あ……わからないならわからないままでいいんだ。そのままのアデルでいてくれ。愛してる」

「はい!私も愛してます」

ラグには、私にはわからない何かがあったのかもしれません。

理解できなくて残念ですが、いつかわかるように頑張りたいです。

暴発なので、魔法について学べばよいのでしょうか?

違ったら違ったで焦らず学ぶことにしますね。



ということで、ラグの魔王魔法契約という魔王にしか使えない魔法契約で、私は魔族になりました。

何か変わったのかと聞かれたら、可愛い角が頭の左右に生えましたよ。

自分の角をツンツンして、その不思議な感覚を今は堪能中です。
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