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26◆魔王vs母親【ラグナロク視点

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「私はカテリーナよ。女だからといって遠慮はいらないわ。打ちのめしてあげるから」

「強気だな。あぁ、遠慮はしねぇよ」

アデルの母親カテリーナは、俺様に魔法の杖を向ける。

なるほど、母親は魔法で戦うタイプのようだな。

母親は乗馬服みたいな服装で、まるで男装の麗人のようだ。

さっきまではドレスだったからわざわざ着替えたのだろう。

俺様を睨む冷たい眼差しは、アデルを守りたい母親の愛情の表れだ。

だから、俺様はそれを受け止めてみせる。

「お二方、準備はよろしいですね?それでは……始め!」

始まりの声の直後、母親は杖に巨大化の魔法をかけて……え、巨大化?

身の丈サイズになった杖は、もはや杖ではなく棍棒である。

……だったら最初から棍棒持ってきたんじゃダメだったのかな?

「火の玉全球最大火力、狙いよし、行きなさい!」

「火事になりそうだな!水よ、全部打ち消せ!」

火の玉の魔法を複数同時に出して、全力でぶつけてきたが水で相殺した。

だが、次には飛び込んできた母親が杖をぶん回して物理で殴ってきた。

「おいおいおい!?杖は鈍器じゃないだろ!壊れるぞ!?」

「あら、心配してくれるのかしら。安心していいわよ。特別製だから簡単には壊れないの」

そう言って母親が杖で殴りかかるのを交わしたら、地面に攻撃が当たって穴が空く。

しかし杖は確かに無傷だった。

「私は、アデルが辛い思いをしていた時、気づいてあげられなかった。私は子供達のことを愛してるから、幸せだけを願っていたのに、あんなクズにアデルは苦しめられて……それを知った時、あの男の大事な部分を捻り潰してやりたくなったわ」

「怒りはわかるが、玉がひゅんとしたぜ……」

「なんなら本気であの野郎女の子にしてやろうかしら」

「おっふ……本能的な怖さを感じた」

母親が右手を空中で何かを握るようににぎにぎすると、指からポキポキと不穏な音がする。

どんだけ力入れてるんだろうな。

あと、それは何を想像してにぎにぎしてるのか……。

チラリとみると、アデル以外の男はもれなく股間を押さえていた。

想像して玉ひゅんしたようだ。

父親ですら股間押さえているじゃないか……。

俺様もひゅんひゅんしてるが、押さえたら隙ができるから押さえられない。

アデルは……たぶん意味をわかってない気がするな。

「アデルは私達が守るのよ。だから、アンタなんか女の子になってしまえーーーっ!!」

「うわっ!?あ……」

「あっ……きゃふんっ!!」

ドサッ!!

勢いよく杖で俺様の股間に狙いを定め、走って打撃をぶつけにきた母親は、俺様が避けた瞬間地面にさっき母親が空けた穴に片足が躓き、盛大に転けてしまった。

「はっ!」

そして、俺様は素早く母親の両手を後ろに回して拘束。

「ぐぅっ!ふんぬっ!うぅゔっ!……はぁ、降参よ」

母親は必死で拘束を解こうと踏ん張りジタバタ暴れたが、結果無理だったので母親は渋々降参した。

「えっと……勝者、ラグナロク様!」

負けてしまった母親は、父親のところにいくと頭を撫で撫でされながら慰められている。

仲良しな夫婦なんだな。

さて、次がラストバトルだ。

気を引き締める俺様であった。
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