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17◆魔物ですが、友達ができました
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私もだいぶ戦うことに慣れてきました。
そんな私ですが、お友達ができたんです!
そう、あれは真夜中の時間帯でした……。
その日、私は眠れなくてテントの外にいたんです。
少しダンジョンの説明をしますが、どうやらこのダンジョンには階層によって様々なフィールドがあるみたいなのです。
そこのところに詳しくなかった私に、ラグがいろいろ教えてくれました。
ダンジョンには【上層(1~29階)、中層(30~59階)、下層(60~89階)、最下層(90~100階)】があって、上層と最下層は洞窟型、中層と下層は自然型らしいですよ。
自然型についてはランダムらしくて、火山だったり海だったり草原だったりと、どんな自然になるかは運次第なんだとか……。
火山フィールドは、暑さで熱中症になったら大変だと私は思いました。
海フィールドは、泳げない私でも魔法を使えば泳げるのかちょっと試してみたいですね!
草原フィールドは、ヤギとか牛のチーズとミルクは手に入りますか!?
そんなことを思っていた私がいるのは、湖のある森です。
はい……自然型ですね。
下から階段を上がっていたらついたんです。
……ということは、私、もしかして、最下層にいたんでしょうか。
そんなまさか……え?
驚きを隠しきれない私でした。
湖が見える場所にテントを出して、今日はラグが来ないので一人で食事です。
シチューを作るために野菜を切ると、もう聞き慣れた「ぎゃー!」という断末魔が夜の森に響き渡りました。
じっくりコトコトと兎のお肉と煮込んで、何故か真っ赤なシチューを作ってしまいましたが味は美味しかったと思います。
……何故、白くならなかったのかは本当に謎で、赤くなる要素はなかったんですけどね。
浄化魔法はとても便利で、洗い物も洗濯物も一発で綺麗になります。
それだけではなく、身体も口腔内も一発で綺麗になります。
お花摘みもお腹の中で綺麗になるから、摘みにいく必要はありません。
もう私は、魔法のない生活に戻れないかもしれません!
真夜中、湖を眺めていた私に、そっと花を差し出す方が隣に忍び寄りました。
「え」
「にゃん!」
可愛らしい鳴き声のもふもふした、額にルビーのような角の生えた黒い狼でした。
狼なのに、鳴き声はにゃんなのでしょうか。
気のせいだったのかしら。
「にゃん!」
「あらまぁ」
狼なのか猫なのかわからないけれど、その魔物に敵意はないみたいです。
むしろ、足元にはスミレのような可愛い花があり、それを咥えて私にグイグイと渡してきます。
「くれるのですか?ありがとうございます」
「にゃ~ん!ゴロゴロ……」
嬉しそうにゴロゴロ喉を鳴らす姿をみて、やはり猫なのでしょうかとちょっと混乱してしまったのは仕方ないと思います。
あれから彼は、ずっと私の側にいてくれます。
名前はジュールと私がつけて、ジュールもその名前を気に入っているようなので、私は彼をジュールと呼んでいます。
オスだとわかった理由に関しては……察してくださると有り難いです。
私はジュールを友達だと思っていますが、ジュールも私を友達だと思っていると嬉しいですね。
そんな私ですが、お友達ができたんです!
そう、あれは真夜中の時間帯でした……。
その日、私は眠れなくてテントの外にいたんです。
少しダンジョンの説明をしますが、どうやらこのダンジョンには階層によって様々なフィールドがあるみたいなのです。
そこのところに詳しくなかった私に、ラグがいろいろ教えてくれました。
ダンジョンには【上層(1~29階)、中層(30~59階)、下層(60~89階)、最下層(90~100階)】があって、上層と最下層は洞窟型、中層と下層は自然型らしいですよ。
自然型についてはランダムらしくて、火山だったり海だったり草原だったりと、どんな自然になるかは運次第なんだとか……。
火山フィールドは、暑さで熱中症になったら大変だと私は思いました。
海フィールドは、泳げない私でも魔法を使えば泳げるのかちょっと試してみたいですね!
草原フィールドは、ヤギとか牛のチーズとミルクは手に入りますか!?
そんなことを思っていた私がいるのは、湖のある森です。
はい……自然型ですね。
下から階段を上がっていたらついたんです。
……ということは、私、もしかして、最下層にいたんでしょうか。
そんなまさか……え?
驚きを隠しきれない私でした。
湖が見える場所にテントを出して、今日はラグが来ないので一人で食事です。
シチューを作るために野菜を切ると、もう聞き慣れた「ぎゃー!」という断末魔が夜の森に響き渡りました。
じっくりコトコトと兎のお肉と煮込んで、何故か真っ赤なシチューを作ってしまいましたが味は美味しかったと思います。
……何故、白くならなかったのかは本当に謎で、赤くなる要素はなかったんですけどね。
浄化魔法はとても便利で、洗い物も洗濯物も一発で綺麗になります。
それだけではなく、身体も口腔内も一発で綺麗になります。
お花摘みもお腹の中で綺麗になるから、摘みにいく必要はありません。
もう私は、魔法のない生活に戻れないかもしれません!
真夜中、湖を眺めていた私に、そっと花を差し出す方が隣に忍び寄りました。
「え」
「にゃん!」
可愛らしい鳴き声のもふもふした、額にルビーのような角の生えた黒い狼でした。
狼なのに、鳴き声はにゃんなのでしょうか。
気のせいだったのかしら。
「にゃん!」
「あらまぁ」
狼なのか猫なのかわからないけれど、その魔物に敵意はないみたいです。
むしろ、足元にはスミレのような可愛い花があり、それを咥えて私にグイグイと渡してきます。
「くれるのですか?ありがとうございます」
「にゃ~ん!ゴロゴロ……」
嬉しそうにゴロゴロ喉を鳴らす姿をみて、やはり猫なのでしょうかとちょっと混乱してしまったのは仕方ないと思います。
あれから彼は、ずっと私の側にいてくれます。
名前はジュールと私がつけて、ジュールもその名前を気に入っているようなので、私は彼をジュールと呼んでいます。
オスだとわかった理由に関しては……察してくださると有り難いです。
私はジュールを友達だと思っていますが、ジュールも私を友達だと思っていると嬉しいですね。
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