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16◆初恋の自覚【ラグナロク視点
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闇の世界の野菜は魔力をたっぷり吸って成長する。
故に、人間達のよく知る野菜とは異なるんだ。
見た目と味は同じだが、顔があって叫んで威嚇してくる。
魔族からしたら、野菜が食べられたくなくて叫ぶのなんて常識だ。
……逆に、人間達にとっての普通の野菜をみたら叫ばないことに驚くぐらいだな。
そんな叫ぶ野菜をアデルに渡したのは、喜んでほしかったから。
俺様、なんかアデルにいろいろしてやりたいんだ。
欲しい物があるならなんでもあげたいし、困ったことがあるなら俺様が解決してやりたいし、できることならずっと一緒にいたい。
でも、俺様には魔王って仕事があるからたまに抜け出すぐらいしかできないんだ。
側近のトレヴァーには、仕事をちゃんとすればあんまり怒られないけど、人間に関わり過ぎるのは良くないと小言は言われている。
ちなみにだが、アデルにあげた調味料と野菜と料理本は俺様のポケットマネーから出してるからお咎めなしなんだぜ。
それにしても、俺様が会いに行かないとアデルは薄暗いダンジョンにずっと一人ぼっちだ。
あらから本当にダンジョンから出ない日々を過ごしているからな。
寂しいだろうに、アデルが渋々帰る俺様を引き止めたことはない。
だけど、俺様が会いに行くとすごく喜んでくれて……。
……もっと素直になってもいいのにな。
そこで、俺様は考えた。
俺様の代わりに誰かをアデルの側に置こうと。
だが、恋愛対象になるような奴はダメだ。
俺様がそんなのは許せないからな!!
……?
どうして俺様は、そう思うのか不思議に思う。
アデルが誰かと恋愛するのなんて、アデルの自由じゃないか。
アデルか誰かと結婚しても、キスしても、セック……ゲホゲホしても、子供を作っても……。
……。
想像した結果、俺様はその誰かを八つ裂きにしたくなった。
は?許せねぇな。
アデルが俺様以外とそんなことしたら、魔王の本気の殺意を出しちまうぜ。
そして俺様は気づいたんだ。
あれ、つまり、俺様……アデルのことが好きなんじゃないか?
俺様の中で、それが正解なんだと本能が囁く。
ちなみに、これは俺様の初恋だ。
自覚するとなんだがスッキリしたが、だからこそアデルの側に置く奴はちゃんと選ばなくては……。
そうして悩んでいたんだが、トレヴァーは不思議そうに俺様に言った。
「いっそのこと、そのアデルという子を魔族にしてしまえばいいのでは?そうしたら闇の世界にも連れてこれるでしょうに」
「その手があったか!忘れてたぜ!」
「えぇ……ラグ、貴方それでも魔王ですか?魔王としての力なのに忘れてたって……」
「……使ったことすらないんだから、仕方ないだろ」
魔王は、魔族以外の種族を唯一魔族に変える力がある。
といっても、同意の上じゃないと使えない力だ。
……もし、アデルが同意してくれたら堂々とアデルをお持ち帰りできる!
しかも、お持ち帰りできるということは、告白することも、なんなら結婚を申し込むこともできる!
アデルと結婚したら、何年も何年も続く俺様の妃問題も解決する!
俺様は未だに未婚な上に婚約者すらいないから、年頃の男女によく追いかけ回されていたからな……。
なんだが俺様は、未来が希望に満ち溢れてる気がするのだった。
故に、人間達のよく知る野菜とは異なるんだ。
見た目と味は同じだが、顔があって叫んで威嚇してくる。
魔族からしたら、野菜が食べられたくなくて叫ぶのなんて常識だ。
……逆に、人間達にとっての普通の野菜をみたら叫ばないことに驚くぐらいだな。
そんな叫ぶ野菜をアデルに渡したのは、喜んでほしかったから。
俺様、なんかアデルにいろいろしてやりたいんだ。
欲しい物があるならなんでもあげたいし、困ったことがあるなら俺様が解決してやりたいし、できることならずっと一緒にいたい。
でも、俺様には魔王って仕事があるからたまに抜け出すぐらいしかできないんだ。
側近のトレヴァーには、仕事をちゃんとすればあんまり怒られないけど、人間に関わり過ぎるのは良くないと小言は言われている。
ちなみにだが、アデルにあげた調味料と野菜と料理本は俺様のポケットマネーから出してるからお咎めなしなんだぜ。
それにしても、俺様が会いに行かないとアデルは薄暗いダンジョンにずっと一人ぼっちだ。
あらから本当にダンジョンから出ない日々を過ごしているからな。
寂しいだろうに、アデルが渋々帰る俺様を引き止めたことはない。
だけど、俺様が会いに行くとすごく喜んでくれて……。
……もっと素直になってもいいのにな。
そこで、俺様は考えた。
俺様の代わりに誰かをアデルの側に置こうと。
だが、恋愛対象になるような奴はダメだ。
俺様がそんなのは許せないからな!!
……?
どうして俺様は、そう思うのか不思議に思う。
アデルが誰かと恋愛するのなんて、アデルの自由じゃないか。
アデルか誰かと結婚しても、キスしても、セック……ゲホゲホしても、子供を作っても……。
……。
想像した結果、俺様はその誰かを八つ裂きにしたくなった。
は?許せねぇな。
アデルが俺様以外とそんなことしたら、魔王の本気の殺意を出しちまうぜ。
そして俺様は気づいたんだ。
あれ、つまり、俺様……アデルのことが好きなんじゃないか?
俺様の中で、それが正解なんだと本能が囁く。
ちなみに、これは俺様の初恋だ。
自覚するとなんだがスッキリしたが、だからこそアデルの側に置く奴はちゃんと選ばなくては……。
そうして悩んでいたんだが、トレヴァーは不思議そうに俺様に言った。
「いっそのこと、そのアデルという子を魔族にしてしまえばいいのでは?そうしたら闇の世界にも連れてこれるでしょうに」
「その手があったか!忘れてたぜ!」
「えぇ……ラグ、貴方それでも魔王ですか?魔王としての力なのに忘れてたって……」
「……使ったことすらないんだから、仕方ないだろ」
魔王は、魔族以外の種族を唯一魔族に変える力がある。
といっても、同意の上じゃないと使えない力だ。
……もし、アデルが同意してくれたら堂々とアデルをお持ち帰りできる!
しかも、お持ち帰りできるということは、告白することも、なんなら結婚を申し込むこともできる!
アデルと結婚したら、何年も何年も続く俺様の妃問題も解決する!
俺様は未だに未婚な上に婚約者すらいないから、年頃の男女によく追いかけ回されていたからな……。
なんだが俺様は、未来が希望に満ち溢れてる気がするのだった。
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