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14◆愛しの末っ子【エレイン視点

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私は私達の愛しの末っ子アデルを探すために、私の親衛隊を動かしています。

私はクリア伯爵家長男エレイン、またの名を【氷の女王様】です。

ちょっと趣味のSMで男達を可愛がっただけなんですけど、その男達は自ら私の親衛隊になりたがって、私にご褒美を与えられるためならなんだってしてくれます。

無理難題だってなんのその。

だって、失敗してもお仕置きを与えられるのも大好きなイケナイ下僕達ですから。

ちなみに、私は男を可愛がるのが好きなので女は親衛隊にいません。

……非公式ファンクラブはあるらしいですけどね。



そんな私の仕事は、城で近衛騎士団の副隊長をしています。

いずれは伯爵家当主になりますが、今の仕事を辞める予定はありません。

「お兄様、アデルみつかんないね」

「えぇ、無事でいてほしいものです。ところでカイザー、貴方血がついてますよ」

「おっと、拭き忘れちゃった!」

今目の前にいる次男カイザーは、拷問官という拷問をする仕事をしています。

……なので、たまに血が付着してるんですよね。

私達、タイプの違うSなんですけど、これは誰に似たのか謎だったりします。



夜、親衛隊の隊長が私の寝室にやってきました。

まったく、その恍惚とした表情で来た理由はわかります。

……あぁ、本当にダメな子ですね。

「夜這いですか?」

「すみません……まだアデル様をみつけられない私めに、ぜひお仕置きをしてもらいたくて参りました」

「隊長ともあろう者が情けない。私の手を煩わせるなんて……貴方にはお望み通りお仕置きが必要なようですね」

「ああぁ!お願い致します!我が女王様!」

隊長は自ら服を全て脱いで裸になりました。

ふふ、本当に……ダメで可愛い私の隊長ですね。

私はムチを手にすると、悦びに股間を膨らませる隊長に振り下ろしました。

「あぁん!♡ありがとうございます!ありがとうございますーーーっ!!」

そして、隊長をベッドに組み敷いてムキムキの胸筋を撫でて乳首を捻ります。

「はぁん!」

「お仕置きですからね、今夜は眠れませんよ」

「ハァハァ……♡ふぁい!」

期待するハートの瞳に私は微笑むのでした。



アデルは、純粋な子です。

だから、穢したくないから、あの子に私達兄二人の本性なんて絶対に教えられません。

長男はSM大好きな下僕持ちの【氷の女王様】。

次男は可愛い笑顔で殺戮と暴力を楽しむサイコパスで、またの名を【狂犬天使】。

お父様とお母様はたぶん普通ですよ。

二人とも穏やかな人で、社交界でも有名なラブラブ夫婦です。

でも、もし激怒させたら……お父様は普段は緩めている筋肉をムキッとして拳を炸裂させます。

当主になる前は冒険者をしていたらしいですし、毎日の鍛錬は欠かさないので実は現在も逞しい身体をしているんですよ。

お母様は激怒させたら……普段は可愛くないという理由で秘めている怪力が暴走します。



ある意味強い私達家族に生まれた、可愛くてか弱い愛しのアデル。

あんな男にやったばかりに、あの子はいなくなってしまった。

必ずみつけて、もう二度と悲しまなくていいように、苦しまなくていいように、もう誰にも渡しません。

私達の可愛いアデル……貴方は今どこにいるんですか?
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