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13◆お礼に野菜を貰いました
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ラグが去った後、テントでスヤスヤと休んだ私ですが困ったことに気づいてしまいました。
今って……朝なんでしょうか……?
ダンジョン内で朝とか昼とか夜とかはわかりません。
時計なんて便利な物はありませんからね。
……こうして時間の感覚が狂うのでしょうけれど、仕方のないことです。
さて、そんなことより私は野菜を探したいと思います。
お肉ばかりというのもやはりよくないですからね。
都合良くはみつからないと思いますが、頑張ってみましょう。
そんなことを思っていると。
「アデル!」
「ラグ?おはようございます」
「お、おう!おはよう」
黒いローブ姿のラグが手を振りながらやってきました。
……どうでもいいことですが、あのフードは何故走っても取れないんでしょうね。
風圧に逆らって断固と頭から離れないフードの鉄壁具合が気になります。
「昨日は手料理ありがとうな!お礼にこれやるよ!」
「まぁ!野菜!」
「肉ばっかりは栄誉偏るからな。ちゃんと食えよ」
多種多様な野菜の山を目の前に出されてびっくりしました。
どうして私が野菜を求めているとわかったのでしょう……。
はっ!……まさか、私、物欲しそうにしてましたか?
なんて、なんてお恥ずかしいことでしょう!
「あ、ありがとうございます。今から野菜を探しに行くところだったんです。でも、タダでは受け取れません。昨日だってマフィンや調味料をタダで貰ったのです。今度こそ何かと交換させてください!おすすめはドラゴンのウロコですが、他にもダンジョン内で手に入れたものがあるんですよ!」
「だからドラゴンのウロコは大事に持っとけ!あと、俺様は昨日のお礼に野菜を持ってきたんだ。お礼は素直に受け取るのが礼儀なんだぜ?礼儀を守らないと失礼なんだ。だからアデルはこの野菜を素直に受け取るべきなんだ。わかったな?」
「え、あ、えっと?そう、なんでしょうか……。わかりました。有り難く受け取らせて貰います。ありがとうございます……?」
「よっし!」
私は、丸め込まれたなんて気づかないまま野菜を受け取り袋に入れました。
丸め込みに成功したラグは小さな声で呟き、ガッツポーズをしているのですが私にみえないようにしているみたいで、野菜を袋にしまっている私にはわかりませんでした。
「なぁ、これからもアデルに会いに来ていいよな?」
「ふふ、私もラグに会えたら嬉しいのでぜひ。あぁ、でも、私はダンジョン内でウロウロしているので、必ず会えると約束まではできませんが……それでもよろしいのなら」
「だ、大丈夫だ!俺様なら絶対にアデルの居場所わかるから!」
「まぁ、そうなのですね。それは素敵ですね」
穏やかな時間と居心地のいい空間。
ダンジョンに逃げてきた私ですが、本音を言うなら一人ぼっちになんてなりたくなかったんです。
……だから、なんでしょうか。
ラグといると、なんてことない会話が楽しくて、一緒にいると楽しくて、ずっと楽しくて……。
………ずっと一緒にいられたら良かったのになんて、私は思ってしまうのでした。
今って……朝なんでしょうか……?
ダンジョン内で朝とか昼とか夜とかはわかりません。
時計なんて便利な物はありませんからね。
……こうして時間の感覚が狂うのでしょうけれど、仕方のないことです。
さて、そんなことより私は野菜を探したいと思います。
お肉ばかりというのもやはりよくないですからね。
都合良くはみつからないと思いますが、頑張ってみましょう。
そんなことを思っていると。
「アデル!」
「ラグ?おはようございます」
「お、おう!おはよう」
黒いローブ姿のラグが手を振りながらやってきました。
……どうでもいいことですが、あのフードは何故走っても取れないんでしょうね。
風圧に逆らって断固と頭から離れないフードの鉄壁具合が気になります。
「昨日は手料理ありがとうな!お礼にこれやるよ!」
「まぁ!野菜!」
「肉ばっかりは栄誉偏るからな。ちゃんと食えよ」
多種多様な野菜の山を目の前に出されてびっくりしました。
どうして私が野菜を求めているとわかったのでしょう……。
はっ!……まさか、私、物欲しそうにしてましたか?
なんて、なんてお恥ずかしいことでしょう!
「あ、ありがとうございます。今から野菜を探しに行くところだったんです。でも、タダでは受け取れません。昨日だってマフィンや調味料をタダで貰ったのです。今度こそ何かと交換させてください!おすすめはドラゴンのウロコですが、他にもダンジョン内で手に入れたものがあるんですよ!」
「だからドラゴンのウロコは大事に持っとけ!あと、俺様は昨日のお礼に野菜を持ってきたんだ。お礼は素直に受け取るのが礼儀なんだぜ?礼儀を守らないと失礼なんだ。だからアデルはこの野菜を素直に受け取るべきなんだ。わかったな?」
「え、あ、えっと?そう、なんでしょうか……。わかりました。有り難く受け取らせて貰います。ありがとうございます……?」
「よっし!」
私は、丸め込まれたなんて気づかないまま野菜を受け取り袋に入れました。
丸め込みに成功したラグは小さな声で呟き、ガッツポーズをしているのですが私にみえないようにしているみたいで、野菜を袋にしまっている私にはわかりませんでした。
「なぁ、これからもアデルに会いに来ていいよな?」
「ふふ、私もラグに会えたら嬉しいのでぜひ。あぁ、でも、私はダンジョン内でウロウロしているので、必ず会えると約束まではできませんが……それでもよろしいのなら」
「だ、大丈夫だ!俺様なら絶対にアデルの居場所わかるから!」
「まぁ、そうなのですね。それは素敵ですね」
穏やかな時間と居心地のいい空間。
ダンジョンに逃げてきた私ですが、本音を言うなら一人ぼっちになんてなりたくなかったんです。
……だから、なんでしょうか。
ラグといると、なんてことない会話が楽しくて、一緒にいると楽しくて、ずっと楽しくて……。
………ずっと一緒にいられたら良かったのになんて、私は思ってしまうのでした。
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