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ゲームの攻略対象達は、ルフィナを憎んでいた。
ルフィナを殺したい程に恨んでいた。
理由は、マリエルを好きなのにマリエルは「お姉様お姉様♡」と、攻略対象達に見向きもしないからだ。
縁談だって断られて、ルフィナに対する怒りが燃え上がるというものである。
だが、そんな攻略対象達に朗報がきた。
……そう、ルフィナの家出だ。
攻略対象達はこの機会にルフィナを亡き者にしようと徒党を組むことにした。
全てはマリエルに自分達を恋愛対象にみてもらうため、邪魔者は排除するのだ!
攻略対象達は殺る気に燃える。
何故か他の乗客がいなくて貸切状態だった乗合馬車にルフィナは乗っている。
しかし、乗合馬車は本来のルートを外れて何故か森に入っていく。
「え、どうして森に……」
疑問に思う中、急に止まった乗合馬車。
そして御者がルフィナの下に来たと思ったら、無理矢理腕を引っ張られて地面に叩き降ろされてしまった。
「おら降りろ!」
「きゃっ!?」
そこに待っていたのは、攻略対象達だ。
乗合馬車の御者は攻略対象達に買収されていたのである。
「憎きルフィナ、ついに貴様をこの世から消してやるぞ」
「処すよ♡処すよ♡」
「何殺がいい?毒殺刺殺撲殺……惨殺がおすすめだよ?」
「俺の剣で首を切り落としてやる!」
殺意満々の攻略対象達に、男装していても乙女なルフィナは涙目になった。
「ひぇっ!?」
味方なんて誰もいないこの場所で殺されてしまうのか……。
自由になりたかっただけなのに、ルフィナは絶望に打ちひしがれる。
そんなルフィナを助けるのは……ルフィナからしたら不本意でも、ルフィナを狂うほど愛しているマリエルだった。
「私のお姉様から……離れなさい!!」
転移で現れたマリエルが見たものは、愛するルフィナが攻略対象達に囲まれて泣いている姿……しかも、美しかった長髪は短くなっている。
「あぁあぁっ!?お姉様!その短い髪はどうしましたの!?」
「あ…ぐす……切った……」
「きった……切った……?……切った髪はどうしましたの?」
「う……ひっく…埋めた……」
「うめた……ウメタ……埋めた?……。はあぁあぁあああっ!?」
マリエルは、その現実に発狂するしかなかった。
ルフィナが髪を切り埋めたという溢れ出る絶望の矛先は、ルフィナを亡き者にしようと囲っていた攻略対象達に向けられる。
「貴方達、お姉様に何しようとしたの?」
「え、な、ナニモシナイヨ?」
「私のお姉様を泣かせて、許さない……。今の私のこの絶望、全部アンタ達にぶつけてやるわ!ヒャッハー!!」
「ぎゃあああ!なんで!?」
……そこからは、マリエルの独壇場であった。
好きな子に反撃できない攻略対象達は、皆仲良く頭髪を刈られてツルツルになってしまう。
マリエル的に、髪の恨みは髪で返すということだ。
……ルフィナが自分で切った髪についてマリエルが恨み、その恨みをルフィナを泣かせた攻略対象達の髪で返したということになるが、攻略対象達からしたら理不尽極まりない。
連れ戻されたルフィナは、マリエルに「もう逃がさない」と鎖で繋がれて部屋に監禁されてしまった。
「もう逃げないでね?お姉様、愛してるわ♡」
「あぁあぁ……」
ルフィナの嘆きは、マリエルの愛を受け入れた時になくなり楽になれることだろう。
ただし、何か大切なものを失うような気はするが……幸せにはなれるはずだ。
そして、短くなった髪はマリエルに丁寧に丁寧に管理されて、二度と勝手に切ることはできないのだった。
ルフィナを殺したい程に恨んでいた。
理由は、マリエルを好きなのにマリエルは「お姉様お姉様♡」と、攻略対象達に見向きもしないからだ。
縁談だって断られて、ルフィナに対する怒りが燃え上がるというものである。
だが、そんな攻略対象達に朗報がきた。
……そう、ルフィナの家出だ。
攻略対象達はこの機会にルフィナを亡き者にしようと徒党を組むことにした。
全てはマリエルに自分達を恋愛対象にみてもらうため、邪魔者は排除するのだ!
攻略対象達は殺る気に燃える。
何故か他の乗客がいなくて貸切状態だった乗合馬車にルフィナは乗っている。
しかし、乗合馬車は本来のルートを外れて何故か森に入っていく。
「え、どうして森に……」
疑問に思う中、急に止まった乗合馬車。
そして御者がルフィナの下に来たと思ったら、無理矢理腕を引っ張られて地面に叩き降ろされてしまった。
「おら降りろ!」
「きゃっ!?」
そこに待っていたのは、攻略対象達だ。
乗合馬車の御者は攻略対象達に買収されていたのである。
「憎きルフィナ、ついに貴様をこの世から消してやるぞ」
「処すよ♡処すよ♡」
「何殺がいい?毒殺刺殺撲殺……惨殺がおすすめだよ?」
「俺の剣で首を切り落としてやる!」
殺意満々の攻略対象達に、男装していても乙女なルフィナは涙目になった。
「ひぇっ!?」
味方なんて誰もいないこの場所で殺されてしまうのか……。
自由になりたかっただけなのに、ルフィナは絶望に打ちひしがれる。
そんなルフィナを助けるのは……ルフィナからしたら不本意でも、ルフィナを狂うほど愛しているマリエルだった。
「私のお姉様から……離れなさい!!」
転移で現れたマリエルが見たものは、愛するルフィナが攻略対象達に囲まれて泣いている姿……しかも、美しかった長髪は短くなっている。
「あぁあぁっ!?お姉様!その短い髪はどうしましたの!?」
「あ…ぐす……切った……」
「きった……切った……?……切った髪はどうしましたの?」
「う……ひっく…埋めた……」
「うめた……ウメタ……埋めた?……。はあぁあぁあああっ!?」
マリエルは、その現実に発狂するしかなかった。
ルフィナが髪を切り埋めたという溢れ出る絶望の矛先は、ルフィナを亡き者にしようと囲っていた攻略対象達に向けられる。
「貴方達、お姉様に何しようとしたの?」
「え、な、ナニモシナイヨ?」
「私のお姉様を泣かせて、許さない……。今の私のこの絶望、全部アンタ達にぶつけてやるわ!ヒャッハー!!」
「ぎゃあああ!なんで!?」
……そこからは、マリエルの独壇場であった。
好きな子に反撃できない攻略対象達は、皆仲良く頭髪を刈られてツルツルになってしまう。
マリエル的に、髪の恨みは髪で返すということだ。
……ルフィナが自分で切った髪についてマリエルが恨み、その恨みをルフィナを泣かせた攻略対象達の髪で返したということになるが、攻略対象達からしたら理不尽極まりない。
連れ戻されたルフィナは、マリエルに「もう逃がさない」と鎖で繋がれて部屋に監禁されてしまった。
「もう逃げないでね?お姉様、愛してるわ♡」
「あぁあぁ……」
ルフィナの嘆きは、マリエルの愛を受け入れた時になくなり楽になれることだろう。
ただし、何か大切なものを失うような気はするが……幸せにはなれるはずだ。
そして、短くなった髪はマリエルに丁寧に丁寧に管理されて、二度と勝手に切ることはできないのだった。
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