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1◆え、やだ

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箱入り魔王様ことルシファーは、優雅に紅茶を啜る。

砂糖マシマシの甘い甘い紅茶は、ルシファーの大好物だ。

ルシファーは特殊な箱の中で生活するから箱入り魔王様と呼ばれている。

一般世間の【箱入り】とは意味がちょっと違うのだ。

そんなルシファーの箱を、とある国の王子様ことサフランが手に入れた。

箱を開けたら、超絶美人のルシファーがクッキーをもきゅもきゅと食べていて、一瞬でサフランの心は射抜かれてしまったのだ。

ルシファーはその気になれば箱ごと転移できる。

なので、サフランにあっさりお持ち帰りされてしまったのだ。

嫌なら転移するだけだから。

だが、ルシファーはとても面倒なことが嫌いなので、よっぽど嫌なことがないと転移しない。

だから優雅に紅茶を啜るのだ。

「砂糖もっと足そう」

砂糖でかなりジャリジャリしている甘い甘い紅茶に、まだ砂糖を入れる気のルシファーであった。



「飛びだせ!魔王様!」

「え、やだ」

サフランは、ルシファーに箱から出てきてほしい。

お人形サイズでは愛し合えないからだ。

サフランは若いから、熱い欲望がルシファーを求めているのである。

しかし、ルシファーからの返事はとても冷たい。

「お出ましくださいませ!魔王様!」

「言い方変えても嫌なものは嫌」

諦めないサフラン。

しかし、ルシファーの返事は変わらない。

「箱の中に僕の精をドプドプ注ぎ込もうかな……」

「やめろ!?そんなことしたら箱がイカ臭くなるだろ!!」

ちょっと仄暗い表情で、不穏なことまで言うサフラン。

ちょっと慌てるルシファーはルシファーで、どういう心配をしているのやら………。
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