引きこもり陰キャに惚れた九尾の獣人は求愛に必死！

6◆胃袋を掴んでやる！

今日はマカロニグラタンとコーンスープとサラダだ。

一応パンも用意しているよ。

ついでに、デザートにプリンも作った。

クッキング中は、カンナがちょいちょいとキッチン内を気にして覗きに来るのが可愛かったよ。

まるで自然界の小動物のようだった。

「カンナ、一緒に食べよう！」

「え、いいの？………ありがとう」

「デザートにプリンもあるからね」

「プリンって作れるんだ………？わかった」

机に用意された二人分の食事に戸惑いつつも、カンナは大人しく席に座ってくれる。

カップ麺以外の食事を食べてくれるか不安だけど、頑張って作ったから食べてほしいな。

何気にプリンが作れることにビックリしているけれど、プリンは簡単だからまた作ってあげるね！

そして、さっそくお食事タイムだ。

そういえば、カンナから【いただきます】【ごちそうさま】という祈り方を教わったんだよ。

食事の前後の祈り方だ。

国によって祈り方が違うのなんてよくあることだから、俺が知らない国の祈り方なんだろう。

だから、今はカンナに合わせてのやり方で祈っている。

一緒にいただきますを言ったら、アツアツのグラタンから食べてみる。

うん、美味しい！

チーズがトロトロで、ホワイトソースも濃くていい出来だ。

「………美味しい」

瞳を輝かせながら、カンナはグラタンを味わうようにゆっくりと食べた。

良かった！

カンナが美味しいと思うものが作れて、本当に俺は嬉しいよ。

九尾の尻尾が俺の背後でブォンブォンと全部動き回って、背後が騒がしいことになっているが仕方ないことだ。

………九尾もあると時に大変だよ。

カンナは、サラダもスープも美味しそうに食べている。

俺達は、二人で美味しい美味しいと食事を食べた。

カンナはパンまでは入らなかったらしくパンには手をつけなかったけれど、その後に出したプリンはしっかりと食べ切っていたので良かったと言えるだろう。



「ねぇ、カンナ。これからも俺が食事を作るからね！」

「僕はカップ麺でもいいんだけど………」

「栄養偏るから、たまにぐらいにするんだよ。俺、頑張って美味しい料理作るから！」

「………ありがとう。美味しかったよ」

「う、うん。どういたしまして」

素直なカンナに俺の胸がキュンとしてしまった。

カンナ好き好き好き！はあはあ♡

これはもしや、カンナの胃袋掴めたんじゃないだろうか？

よし！これからも頑張るぞ！！