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別れた恋人サイコパス

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僕は伯爵家の次男で、16歳である。

僕は階段から落ちて頭を打って、前世の記憶を思い出した。

その前世では、別れた恋人が一人いた。

そして別の人と付き合った際、別れた恋人に僕は殺されてしまい、こうして転生したというわけだ。

………別れていたのに殺されてちょっと解せないよ。



それよりも、僕はとても気まずい気持ちを感じている。

何故なら、僕には兄がいるんだ。

その兄は前世の別れた恋人なのだ。

そう……僕を殺した別れた恋人………。

どうやら僕と心中したらしく、別れた恋人も一緒に転生したらしい。

………そんなことってある?

ちなみに、なんで別れた恋人だってわかるかというと、兄がそう言っていたからだ。



この国では16歳が成人年齢なわけだが、兄は僕が16歳になったから階段から突き落としたらしい。

前世の記憶を思い出させるためにね。

もし打ち所が悪くて僕が死んだら、蘇生魔法で生き返らせて、また階段から落とすつもりだったらしい。

ひぇぇっ!?サイコパス!!

そのために蘇生魔法とか回復魔法とか色々と勉強をしていたそうだ。

兄が狂気を含んだ笑みをみせる。

………。

「怖っ!!」

「ふふふふふふっ♡」



「兄様だめっ……あっあっあっ!」

「あぁ、愛してる♡もう誰にも渡さないからね」

目的のためなら殺しも厭わない兄に押し倒され、僕は毎晩抱かれている。

両親は謎の死を遂げていなくなってしまい、家族は兄だけになってしまった。

でも、両親を殺したのはおそらく兄なのだろう。

だって………。

「邪魔者がいなくなったから、存分に愛しあえるね」

兄が穏やかに微笑んでいたから………。

それに、兄は蘇生魔法が得意なのだから亡くなった両親を蘇生することだってできたはずなんだ。

なのにしなかった。

それが答えなのだろう。

「ひあぁっ!」

「ふふっ、いっぱい中に出してあげる。だから、私の子を孕んでね」

この世界では男でも妊娠できるんだ。

だから、兄に中出しされ続けたらいずれ僕は兄の子を身籠ってしまうかもしれない。

兄弟でこんなことダメなのに、僕は抵抗できない。

………兄が怖くて、抵抗できない。



「愛してる」

それはきっと呪いの言葉。

「愛してる」

それはきっと絶望の言葉。

「愛してる」

それはきっと………。

子供の声が聞こえる。

どうして涙が出るのだろう。

もう何も考えられないのに。

「愛してる」

それはきっと……悪魔の囁き。

だって、悪魔が幸せそうに笑っているから………。
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