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本編◆第二章

7◆バジル視点

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僕達【ルディガー救出隊】のメンバーを紹介しよう。

ルディガーさんの妻である僕がリーダーで、息子達シモンとカミルとエリックとフレディ。

クロムさんとオリヴァーさんとランス。

そして、ルディガーさんのお兄さんであるカルロスさん。

計9匹のフェンリルで救出のために行動するよ。

今僕達大人組は、ジークフリート王国の城の周りを偵察している。

入れるところを探しているから、匹数は少数なんだよ。

何かあった時のために僕&カルロスさんペアと、クロムさん&オリヴァーさんペアで慎重にね。

「なんか変な匂いする」

「変な匂い?」

カルロスさんが鼻をヒクヒクさせて唸りだした。

カルロスさんが唸るなんてよっぽどのことのような気がするよ。

カルロスさん陽気なフェンリルだから………。

「これは、もしかしたら悪魔が絡んでいるかもだよ」

「悪魔って魔族ですか?」

「いや、悪魔は魔族ではなくて、悪魔は魔物が変異して極稀に生まれるれっきとした魔物だよ。悪魔は知能が異常に高くて、何かしらの能力に特化していて、残酷な遊びを好むんだ」

珍しく真面目に話しているカルロスさん。

いつもちょっとふざけ気味な口調だったのに、それほど悪魔という存在は危ないのだろう。

「入れそうな場所をみつけた。戻るよ」

偵察を終えれば一旦戻って作戦会議。

対悪魔の策も練って、今夜救出のために行動することが決まった。



そして、僕達救出隊は真夜中の城に侵入したんだ。

城内は薄暗くて、だけどそこには確かにルディガーさんの匂いがしている。

匂いを頼りにルディガーさんを探せば、玉座の間に辿り着いてしまった。

「どうやら、気付かれていたようだね」

「そうみたいですね。………カルロスさんのキャラが行方不明ですね」

「………バジー、お兄たんだって真面目に喋れるんだからね?」

玉座の間には、僕達を待っていたらしいエルミラーダが玉座に座り、ルディガーさんは貴族の服を着て玉座の隣に立っていた。

僕は思わず叫んでしまう。

涙目になってしまったのは仕方ないよね?

「ルディガーさん!!」

「「「「パパ!!」」」」

「ルディガー様!」

息子達もクロムさんも続いて叫んだ。

しかし………。

「………お前達は誰だ?」

「!?」(救出隊全員)

ルディガーさんは僕を、僕達を覚えていないようだった。

瞳から涙が落ちて、僕はその場に膝をつく。

息子達も涙をポロポロと流している。

ルディガーさんに忘れられて、僕も息子達もショックを受けたからだ。

クロムさんについては、オリヴァーさんが抱きしめて慰めているよ。

「バジー、しっかりして!ルディのバジーへの愛が消えるわけない!ルディを信じるんだ!!甥っ子たん達も、パパを信じるんだ!甥っ子たん達のパパは、甥っ子たん達を深く愛していた。だから、パパを信じるんだ!!」

「カルロスさん………」

「「「「叔父ちゃん………」」」」

カルロスさん………今までわりとお気楽なフェンリルだったけど、貴方の言っていることは正しいね。

そう思った僕は、涙を袖で雑に拭くとルディガーさんを熱く見つめた。

「信じます。僕はルディガーさんの愛を信じます」

「僕達もパパを信じる!」

「「「信じる!!」」」

「それでこそルディのハニーと甥っ子たん達だね!」

カルロスさんの励ましで、僕達家族の団結力はより一層強くなったように感じるよ!



そして、僕はあることに今更ながら気づいた。

ルディガーさん……本当に僕達のことがわからないって顔しているのに、ルディガーさんの尻尾がこれでもかというほどブンブン振られている。

………もしかしてルディガーさん、自分の尻尾の今の状態に気づいてないのかな?
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