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19 へリボーン作戦
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俺が魔界の真実というか、魔界の本質に衝撃を受けていると、司令室の扉がノックされた。
「入れ」
「失礼いたします! 昨日昼頃、ウェンズデー丘陵にて戦闘が勃発したとの報が入りました」
「ほう!」
兵士の報告を受けて席から立ち上がったクレイモアの瞳は、それはもうキラキラと輝いていた。
陽の光を浴びた朝露のようにキラキラだ。
「どことどこだ?」
「は! 銀楼狐族と虎蜘蛛族と思われます」
「そうか。どっちが勝つと思う?」
「そうですね、記録から行けば銀楼狐族かとは思いますが……」
「戦力差は?」
「やはり銀楼狐族が優勢です」
「わかった。ではトール大隊に招集をかけろ。行くぞ」
「は!」
行くぞ、ってまさか。
「介入するっていうんですか?」
「そうだ。義勇軍としてな」
「どうし……いや、もう何も言いません」
「はっはっは! わかってきたじゃないか! クロードも行くぞ!」
「えぇ!? 俺もですか!?」
「当たり前だ。お前は今司令官戦闘補佐だぞ?」
「そうですけど」
「ならば私と共に来るのが仕事だ」
「わかりましたよぉ!」
クレイモアは新いおもちゃを見つけた子供のような笑顔を見せ、颯爽と司令室を出ていく。
俺も慌ててその後をついていく。
「あぁ、そうだ」
とクレイモアは何かを思い出したように振り向き、
「エイブラムスは出せるか?」
「出せますが……死者が出ますよ」
「そうよなぁ。ならこう、殺傷能力の低い異世界のモンスターは出せないか?」
「……気に入ったんですね?」
「あぁ! 気に入った! あの無骨なフォルム、鋼鉄のように頑強な皮膚! そしてなにより中に入れるというのが素晴らしい!」
どうやらクレイモアはメカ好きになってくれたみたいだな。
それなら。
「わかりました。なら輸送は俺のモンスターに任せてください」
「ほお! 輸送とな! 何だ!? 異世界の馬車馬か!?」
「ちょっと違いますけど……馬車よりもたくさん運べるはずですよ」
「おお! それは大いに期待出来るな! では行こう!」
「了解です」
ウェンズデー丘陵がどのあたりかは分からないけど、輸送するならあれしかないだろうな。
〇
「各員! ウェンズデーの地にて既に祭りが始まっている! これより我らは義勇兵として参戦! 銀楼狐を震え上がらせてやれ!」
「「「おおお!」」」
集まった大隊六百人はやる気満々であり、みな手にそれぞれの獲物を持ってはしゃいでいる。
俺はそんな彼らを見ながら頭の中で召喚するモンスターを選択。
「これよりクロードが異世界のモンスターを召喚する! 我らはそれに乗り込み、現地へと急行する!」
クレイモアの言葉を聞き、皆の前で一気に召喚を行う。
空間が歪み、鋼鉄のモンスターがその場にゆっくりと、空を駆ける輸送ヘリ、CHー47 チヌークの堂々たる姿を現した。
「「「なんだこいつ……!」」」
「ほおお! かっこいい! すごい!」
兵士達はチヌークの姿を怪訝な顔で見ているが、クレイモアはもう興奮しっぱなしだ。
CHー47 チヌーク。
全長約三十メートルの巨体が計十二機並び、俺の号令を待っている。
「こいつはチヌークと言います! これから皆さんにはこの中に入ってもらいます! 食べられたりはしないので安心してください! 五十人ずつお願いします!」
「各員聞いたな! 有無を言わさず中に入れ! ぐずぐずするな!」
「「「は!」」」
チヌークが出現した時こそ怪訝な顔をしていた隊員達だが、乗り込む時は皆興味津々な顔になっていた。
クレイモアは相変わらずはしゃいでチヌークの顔を撫でながら「お主は馬車馬なのか?」などと話しかけている。
どう見ても馬では無いのだけどまぁいいか。
隊員達が全て乗り込んだのを確認し、俺とクレイモアも乗り込む。
やはりコックピットには誰もいない。
誰もいないからコックピットにも隊員が座ってあちこちぺたぺたと触っていた。
「で、クロード、これはどう動くのだ?」
「今から分かりますよ」
「よしきた!」
「方向が分からないので案内をお願いしたいのですが」
「かまわんよ。ほれ、これが地図だ」
「ありがとうございます」
「とりあえず西南の方に向かってくれればいい」
「分かりました! 行くぞチヌーク!」
『キョオオォォ』
機械なのに謎の鳴き声を発するのは他と共通だが、チヌークはローターをゆっくりと回し始め、やがてその巨体を浮かび上がらせていく。
「おお! こいつは飛ぶのか! 不思議な飛び方をするな!」
ウェンズデー丘陵に向けて飛翔を開始したチヌークの窓に張り付き、クレイモアが言う。
「必要であれば斥候用のモンスターを飛ばしますが」
「いらんいらん。さほど大きな戦いではない」
「そうなんですか?」
「うむ。銀楼狐が約一万、虎蜘蛛が約五千といったところだな」
「虎蜘蛛族はそんなに少ない種族なのですか?」
「ウェンズデー丘陵辺りに住んでいるのはもう少し多いが、虎蜘蛛は基本的に魔界全体に散らばっているからな」
「なるほど。ジプシー的な」
「そのようなものだ」
クレイモアはそこで会話を終わらせ、ため息を吐きながら眼下に流れる景色を堪能し始めた。
そして飛行する事約二十分ほど。
前方にウェンズデー丘陵が見えてきた。
「ほー早いなぁ! もうついたのか! 各員気を引き締めろ!」
「「「は!」」」
着陸態勢に入った所で他のチヌークに爆発が起きた。
どうやらチヌークを見つけたどちらかの軍勢が魔法を放ってきたようだ。
爆発が起きたチヌークは少しよろけたものの、大した被害も無く着陸し、隊員を吐き出していく。
「各小隊は陣形を組みつつ散開! 各個突撃せよ!」
サーベルを振り、クレイモアの号令が飛ぶと隊員達は見事な動きでバラバラと散らばっていく。
ウェンズデー丘陵には魔法の雨が降り、至る所の大地が爆発している。
魔法を飛ばしているのはどうやら銀楼狐族のようだ。
虎蜘蛛族も魔法を放ってはいるけど、銀楼狐ほどではない。
「クロード、お主も参戦するか?」
「だ、大丈夫です!」
「遠慮するでない。派手に殺さなければいい」
「それは、御命令ですか?」
「いいや、任意だ。どうする?」
「……わかりました。やります」
「ほっほう! そうでなければな! で! 何を出すのだ? エイブラムスか?」
「エイブラムス大好きですね……さて、どうしましょうか」
「入れ」
「失礼いたします! 昨日昼頃、ウェンズデー丘陵にて戦闘が勃発したとの報が入りました」
「ほう!」
兵士の報告を受けて席から立ち上がったクレイモアの瞳は、それはもうキラキラと輝いていた。
陽の光を浴びた朝露のようにキラキラだ。
「どことどこだ?」
「は! 銀楼狐族と虎蜘蛛族と思われます」
「そうか。どっちが勝つと思う?」
「そうですね、記録から行けば銀楼狐族かとは思いますが……」
「戦力差は?」
「やはり銀楼狐族が優勢です」
「わかった。ではトール大隊に招集をかけろ。行くぞ」
「は!」
行くぞ、ってまさか。
「介入するっていうんですか?」
「そうだ。義勇軍としてな」
「どうし……いや、もう何も言いません」
「はっはっは! わかってきたじゃないか! クロードも行くぞ!」
「えぇ!? 俺もですか!?」
「当たり前だ。お前は今司令官戦闘補佐だぞ?」
「そうですけど」
「ならば私と共に来るのが仕事だ」
「わかりましたよぉ!」
クレイモアは新いおもちゃを見つけた子供のような笑顔を見せ、颯爽と司令室を出ていく。
俺も慌ててその後をついていく。
「あぁ、そうだ」
とクレイモアは何かを思い出したように振り向き、
「エイブラムスは出せるか?」
「出せますが……死者が出ますよ」
「そうよなぁ。ならこう、殺傷能力の低い異世界のモンスターは出せないか?」
「……気に入ったんですね?」
「あぁ! 気に入った! あの無骨なフォルム、鋼鉄のように頑強な皮膚! そしてなにより中に入れるというのが素晴らしい!」
どうやらクレイモアはメカ好きになってくれたみたいだな。
それなら。
「わかりました。なら輸送は俺のモンスターに任せてください」
「ほお! 輸送とな! 何だ!? 異世界の馬車馬か!?」
「ちょっと違いますけど……馬車よりもたくさん運べるはずですよ」
「おお! それは大いに期待出来るな! では行こう!」
「了解です」
ウェンズデー丘陵がどのあたりかは分からないけど、輸送するならあれしかないだろうな。
〇
「各員! ウェンズデーの地にて既に祭りが始まっている! これより我らは義勇兵として参戦! 銀楼狐を震え上がらせてやれ!」
「「「おおお!」」」
集まった大隊六百人はやる気満々であり、みな手にそれぞれの獲物を持ってはしゃいでいる。
俺はそんな彼らを見ながら頭の中で召喚するモンスターを選択。
「これよりクロードが異世界のモンスターを召喚する! 我らはそれに乗り込み、現地へと急行する!」
クレイモアの言葉を聞き、皆の前で一気に召喚を行う。
空間が歪み、鋼鉄のモンスターがその場にゆっくりと、空を駆ける輸送ヘリ、CHー47 チヌークの堂々たる姿を現した。
「「「なんだこいつ……!」」」
「ほおお! かっこいい! すごい!」
兵士達はチヌークの姿を怪訝な顔で見ているが、クレイモアはもう興奮しっぱなしだ。
CHー47 チヌーク。
全長約三十メートルの巨体が計十二機並び、俺の号令を待っている。
「こいつはチヌークと言います! これから皆さんにはこの中に入ってもらいます! 食べられたりはしないので安心してください! 五十人ずつお願いします!」
「各員聞いたな! 有無を言わさず中に入れ! ぐずぐずするな!」
「「「は!」」」
チヌークが出現した時こそ怪訝な顔をしていた隊員達だが、乗り込む時は皆興味津々な顔になっていた。
クレイモアは相変わらずはしゃいでチヌークの顔を撫でながら「お主は馬車馬なのか?」などと話しかけている。
どう見ても馬では無いのだけどまぁいいか。
隊員達が全て乗り込んだのを確認し、俺とクレイモアも乗り込む。
やはりコックピットには誰もいない。
誰もいないからコックピットにも隊員が座ってあちこちぺたぺたと触っていた。
「で、クロード、これはどう動くのだ?」
「今から分かりますよ」
「よしきた!」
「方向が分からないので案内をお願いしたいのですが」
「かまわんよ。ほれ、これが地図だ」
「ありがとうございます」
「とりあえず西南の方に向かってくれればいい」
「分かりました! 行くぞチヌーク!」
『キョオオォォ』
機械なのに謎の鳴き声を発するのは他と共通だが、チヌークはローターをゆっくりと回し始め、やがてその巨体を浮かび上がらせていく。
「おお! こいつは飛ぶのか! 不思議な飛び方をするな!」
ウェンズデー丘陵に向けて飛翔を開始したチヌークの窓に張り付き、クレイモアが言う。
「必要であれば斥候用のモンスターを飛ばしますが」
「いらんいらん。さほど大きな戦いではない」
「そうなんですか?」
「うむ。銀楼狐が約一万、虎蜘蛛が約五千といったところだな」
「虎蜘蛛族はそんなに少ない種族なのですか?」
「ウェンズデー丘陵辺りに住んでいるのはもう少し多いが、虎蜘蛛は基本的に魔界全体に散らばっているからな」
「なるほど。ジプシー的な」
「そのようなものだ」
クレイモアはそこで会話を終わらせ、ため息を吐きながら眼下に流れる景色を堪能し始めた。
そして飛行する事約二十分ほど。
前方にウェンズデー丘陵が見えてきた。
「ほー早いなぁ! もうついたのか! 各員気を引き締めろ!」
「「「は!」」」
着陸態勢に入った所で他のチヌークに爆発が起きた。
どうやらチヌークを見つけたどちらかの軍勢が魔法を放ってきたようだ。
爆発が起きたチヌークは少しよろけたものの、大した被害も無く着陸し、隊員を吐き出していく。
「各小隊は陣形を組みつつ散開! 各個突撃せよ!」
サーベルを振り、クレイモアの号令が飛ぶと隊員達は見事な動きでバラバラと散らばっていく。
ウェンズデー丘陵には魔法の雨が降り、至る所の大地が爆発している。
魔法を飛ばしているのはどうやら銀楼狐族のようだ。
虎蜘蛛族も魔法を放ってはいるけど、銀楼狐ほどではない。
「クロード、お主も参戦するか?」
「だ、大丈夫です!」
「遠慮するでない。派手に殺さなければいい」
「それは、御命令ですか?」
「いいや、任意だ。どうする?」
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