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第三章 波乱
50.凶弾
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「いってぇ……! マジもんの拳銃ぶっ放しやがった! クソ、ガチで頭おかしいなあいつら!」
「……は?」
「は? じゃねぇよこのうすらボケ!」
鳩が豆鉄砲喰らったような顔をしている男に、力任せにトンファーを振り下ろして放電。
ビクビクと痙攣する男を蹴り飛ばし、撃たれた方に視線をやる。
「派手に暴れてくれたじゃないの」
そこにはスーツを着崩したような恰好の、疲れたサラリーマンみたいな男が立っていた。
その後ろには取り巻きもいて、どうやら残りはこいつらだけのようだった。
「お前がボスか」
「いや? ボスはガキ連れてどっか行ったよ。まさかお前みたいなガキがこうも大立ち回りするとは思ってなかったもんでな? 他のグループの奴らが横槍入れてきたんじゃねーかって大慌てだったぜ」
「そうかよ。まぁいい。どちらにせよ、ここにいる奴らは全員ぶちのめすって決めてんだ」
「あっはっは! 銃で肩を撃ち抜かれてるってのに、元気な子だ」
いくら防弾とはいえ、本物の弾丸を叩き込まれたんだ。
しかもショック吸収の素材がついていない所にだ。
敵ながら運がいい奴め。
男が持っているのはトカレフだろうか、あたりに硝煙の匂いが立ち込めている。
念の為にボディスーツを防刃防弾仕様にしていてよかった。
もしかすると、と予想はしていたけれど、本当に持ち出してくるとはな。
やれやれだぜ。
「生憎と元気なのが売りなのだよ。我が闇の深淵はまだ深い」
「何言っちゃってんのよ。この状況で。君はこれから俺達の恨みつらみをその体で支払ってもらうんだ」
「へっ……俺にはその気はねぇよ。男が趣味ならハッテン場でも行けよクソ野郎」
「口の減らないガキだな!」
俺の挑発にあっさりと乗り、男はもう一度銃を撃った。
足元に弾丸が飛び、チュイン、と地面と弾ける音がした。
「そんな玩具じゃこの俺は倒れないぞ?」
「まずいですよ秋田さん! こいつは――」
「うるせぇ黙ってろ! 本物の拳銃が撃てる機会なんてそう無いんだ。高ぶるなぁ、ダンジョンでPKをするのとはまた違う高揚感だ! あひゃひゃひゃ!」
「駄目だ。秋田さんスイッチ入っちゃってるわ……お前、全殺しよりの半殺しだぜ? そんな重傷じゃ抵抗も出来ねぇだろ」
銃を持った男は口の端から涎を垂らし、目は血走って限界まで開かれていた。
「はぁ? 馬鹿じゃねぇの? 俺のどこが重傷だってんだよ」
勝ち誇ってドヤ顔の男に向けて、再装填したゴム弾を発射。
続けざまにタンタンタンと素早く連射。
「なん……だと……?」
額にゴム弾をぶち当てられ、悶絶して倒れ込む取り巻きを見て、秋田と呼ばれた男が口を開いた。
「お前ら、いつから俺が撃たれたと錯覚していた?」
「ば、馬鹿な馬鹿なばあかなあああ!」
秋田は俺に向けて狂ったように銃を乱射し、大声を上げて涎をまき散らした。
その銃弾の雨の中、俺は腕をクロスにして秋田へと突っ込んでいく。
何発かはショック吸収素材の無い場所に当たったが、そこは気合で痛みを消し飛ばす。
「喰らいやがれ! 断罪の二重雷槌ダブルジャッジメントコレダー!」
「ぎゃあああああ!」
秋田の懐まで肉薄した俺は、両腕のトンファーに雷撃を迸らせながら思い切り振り抜き、秋田の両肩へとめり込ませた。
ひと際大きなスパーク音と電光が闇夜に轟き、秋田はその場に昏倒した。
そのついでに取り巻き達にもトンファーを叩き込み、作戦は終了した。
「ミッション、コンプリィト……」
「……は?」
「は? じゃねぇよこのうすらボケ!」
鳩が豆鉄砲喰らったような顔をしている男に、力任せにトンファーを振り下ろして放電。
ビクビクと痙攣する男を蹴り飛ばし、撃たれた方に視線をやる。
「派手に暴れてくれたじゃないの」
そこにはスーツを着崩したような恰好の、疲れたサラリーマンみたいな男が立っていた。
その後ろには取り巻きもいて、どうやら残りはこいつらだけのようだった。
「お前がボスか」
「いや? ボスはガキ連れてどっか行ったよ。まさかお前みたいなガキがこうも大立ち回りするとは思ってなかったもんでな? 他のグループの奴らが横槍入れてきたんじゃねーかって大慌てだったぜ」
「そうかよ。まぁいい。どちらにせよ、ここにいる奴らは全員ぶちのめすって決めてんだ」
「あっはっは! 銃で肩を撃ち抜かれてるってのに、元気な子だ」
いくら防弾とはいえ、本物の弾丸を叩き込まれたんだ。
しかもショック吸収の素材がついていない所にだ。
敵ながら運がいい奴め。
男が持っているのはトカレフだろうか、あたりに硝煙の匂いが立ち込めている。
念の為にボディスーツを防刃防弾仕様にしていてよかった。
もしかすると、と予想はしていたけれど、本当に持ち出してくるとはな。
やれやれだぜ。
「生憎と元気なのが売りなのだよ。我が闇の深淵はまだ深い」
「何言っちゃってんのよ。この状況で。君はこれから俺達の恨みつらみをその体で支払ってもらうんだ」
「へっ……俺にはその気はねぇよ。男が趣味ならハッテン場でも行けよクソ野郎」
「口の減らないガキだな!」
俺の挑発にあっさりと乗り、男はもう一度銃を撃った。
足元に弾丸が飛び、チュイン、と地面と弾ける音がした。
「そんな玩具じゃこの俺は倒れないぞ?」
「まずいですよ秋田さん! こいつは――」
「うるせぇ黙ってろ! 本物の拳銃が撃てる機会なんてそう無いんだ。高ぶるなぁ、ダンジョンでPKをするのとはまた違う高揚感だ! あひゃひゃひゃ!」
「駄目だ。秋田さんスイッチ入っちゃってるわ……お前、全殺しよりの半殺しだぜ? そんな重傷じゃ抵抗も出来ねぇだろ」
銃を持った男は口の端から涎を垂らし、目は血走って限界まで開かれていた。
「はぁ? 馬鹿じゃねぇの? 俺のどこが重傷だってんだよ」
勝ち誇ってドヤ顔の男に向けて、再装填したゴム弾を発射。
続けざまにタンタンタンと素早く連射。
「なん……だと……?」
額にゴム弾をぶち当てられ、悶絶して倒れ込む取り巻きを見て、秋田と呼ばれた男が口を開いた。
「お前ら、いつから俺が撃たれたと錯覚していた?」
「ば、馬鹿な馬鹿なばあかなあああ!」
秋田は俺に向けて狂ったように銃を乱射し、大声を上げて涎をまき散らした。
その銃弾の雨の中、俺は腕をクロスにして秋田へと突っ込んでいく。
何発かはショック吸収素材の無い場所に当たったが、そこは気合で痛みを消し飛ばす。
「喰らいやがれ! 断罪の二重雷槌ダブルジャッジメントコレダー!」
「ぎゃあああああ!」
秋田の懐まで肉薄した俺は、両腕のトンファーに雷撃を迸らせながら思い切り振り抜き、秋田の両肩へとめり込ませた。
ひと際大きなスパーク音と電光が闇夜に轟き、秋田はその場に昏倒した。
そのついでに取り巻き達にもトンファーを叩き込み、作戦は終了した。
「ミッション、コンプリィト……」
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