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6 続・呪いの少女
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「お友達が?」
「うん。四日前から急に体調を崩して……今は歩けないほど衰弱しているの」
「行きましょう! 絶対呪いです!」
「ありがとうフィリアさん」
「おいおいマジか? 治療院に……」
「行きました。でも、原因が分からないと一点張りで……それにそう何度も行けるようなお金もないですし」
「そうか……」
「ここで話しているよりそのお友達の所へ急ぎましょう! 歩けないほどに衰弱しているのなら本当に危険です!」
リーシャさんに連れて来られた場所、それは下級市民街の一角だった。
「ここで友達とシェアハウスしてるの」
「お前、こんな所に住んでたのか」
「……うん」
リーシャも住んでいるという家は築数十年は経過しているであろう古めかしい木造の一軒家だった。
壁には蔓がびっしりと絡み付いて古さを際立たせている。
そしてなにより--。
「聖法:破邪の瞳」
家全体からドス黒い悪意のもやもやが吹き出しまとわりついている。
非常に強力な呪いの気配が家全体から感じられる。
「うわちゃー……こりゃひどいですね」
「そんなにひどい?」
「はい。そんなにひどいです」
「確かに嫌な感じがするというか、ここだけ気温が違うな」
家の玄関口に立ち身震いするバルトに、私はずびし、と指を立てる。
「一般的に、呪いは対象者にしか影響を与えません。ですがより強力な呪物になればなるほど周囲に与える影響は大きくなります。気温の低下、精神の磨耗、倦怠感、発熱、嘔吐、下痢、食あたりなどなどです」
「食あたりは関係なさそうだけどな?」
「まぁまぁ聞いてください。このまま室内に入るとバルトさんでも恐らく影響を受けますのでちょっと準備を--聖法:ブレイブハート」
「お、おお。なんだか何も怖くないって気がしてきたぞ!」
「バルトさんのやる気スイッチを押しましたので、呪いの影響はないはずです。というより」
もりもりの筋肉を盛り上がらせて心も盛り上がっているバルトを横目に、心配そうに私を見るリーシャへ視線を移す。
「な、なに……?」
「リーシャさん、この家に住まわれてるんですよね」
「うん」
「……よく平気でしたね」
「平気じゃないよ。でもその原因はさっきフィリアさんが--」
「違います。呪いを受けている体でさらに強力な呪いの中にいて平気でしたね、と言っているんです」
「あ……そういえば……」
「まぁいいです。今平気ですか?」
「ちょっと目眩と吐き気がある、かな」
「わかりました。聖法:ブレイブハート」
「ありがとう」
バルトと同じ術をリーシャにも施し、いざ室内へ。
古びた引き戸をガラガラと開けた途端、嫌な空気がぶわりと肌を撫でる。
リーシャに案内された部屋に入ると、さらに嫌な感じが増した。
濃密な呪いの悪意が身体中を這い回って気持ち悪い。
こんな部屋でよく生きているものだ。
ベッドに横たわる女性をみながらそう思う。
--抵抗力が強いのだろうな、リーシャのように。
普通ならとっくに呪い殺されていておかしくない濃度の中で、女性がゆっくりと体を起こす。
「あら……お客さん……?」
「プリシラ! 起きなくていいよ! 寝てていいから!」
「ん……ごめんねリーシャ……お客さんも、寝たままでごめんなさい」
「いいんです。それより--聖法:ポジティブヒール」
「う……ふぅ……」
プリシラと呼ばれた女性の手を取り、気力回復の術を施す。
少しだけ楽そうになったプリシラの目を見つめながら言葉を紡ぐ。
「私はフィリア、ビショップです。プリシラさんは呪われてます。それもかなり強力な呪いに。今から私がそれを払います。気をしっかり持っていてください」
「ビショップ、さんなのね……お願いします」
「大丈夫だよプリシラ。きっとよくなる」
「うん、ありがとうリーシャ」
「では始めます。聖法:破邪の瞳」
私は一度深呼吸をし、呪いの発生源を探す。
体からは何の反応もない。
ベッド、違う。
クローゼット、違う。
洋服、違う。
どれだ。
呪いの根源であればかなり濃い悪意が出ているはず。
そう思いながら室内をぐるりと見廻し--。
見つけた。
「あの卓上鏡、露天商で買ったものですか?」
「そう、です」
「あれが原因です」
部屋の端に置かれた座卓。
元気だった頃はきっとここでメイクをしたり勉強をしたり本を読んだりしていたのだろう。
座卓の横にある本棚やメイク箱がそれを物語っている。
しかし今は座卓の上に置かれた卓上鏡から漏れ出る悪意でドス黒く塗り潰されている。
悪意というよりはもはや瘴気と言ってもいいくらいだ。
つかつかと鏡に近付きその前に座り、術式の印を結を結んでいく。
「利光万全にして封鬼開闢、阻にして滅、回にして天、我理と地脈に基づき災いを断ち切らんと欲す。聖法展開術式:邪理滅法」
長ったらしい力ある言葉を紡ぎ、術を展開させる。
候補者達の宮殿では聖女のための聖法授業というものがあった。
授業はとても楽しかったし、成績はいつもトップだった。
何しろ友達作りも拒否ってたからね。
周りの候補者達がきゃっきゃうふふしている間にも、私はひたすらに勉強し己を磨いた。
聖女になりたくないのになぜ聖女の技を磨くのか?
そんなものは決まってる。
宮殿で教わるものは聖女たらしめる御技の数々、それがタダで身に付くのだ。
ないがしろにしてはもったいないと思わない?
少なくとも貧乏性の私はもったいないと思った。
それに皇太子の嫁にならないのなら、遅かれ早かれ宮殿からは出て行ったのだ。
セカンドキャリアの事もしっかりと考えた上でのお勉強だ。
得して損することは無し。
私はケチでしっかりものなのだ。
宮殿内では孤軍奮闘、頂の花、孤高の狼、塩対応を貫いていた私は常にそんな感じだった。
ま、おかげでこうやってのびのびやってるんだけどさ。
━━━━━━━━━━━━━━━
ご覧頂きありがとうございます!
感想、ご指摘、お待ちしております。
執筆のモチベーションにも繋がるので是非とも感想などいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします!
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「うん。四日前から急に体調を崩して……今は歩けないほど衰弱しているの」
「行きましょう! 絶対呪いです!」
「ありがとうフィリアさん」
「おいおいマジか? 治療院に……」
「行きました。でも、原因が分からないと一点張りで……それにそう何度も行けるようなお金もないですし」
「そうか……」
「ここで話しているよりそのお友達の所へ急ぎましょう! 歩けないほどに衰弱しているのなら本当に危険です!」
リーシャさんに連れて来られた場所、それは下級市民街の一角だった。
「ここで友達とシェアハウスしてるの」
「お前、こんな所に住んでたのか」
「……うん」
リーシャも住んでいるという家は築数十年は経過しているであろう古めかしい木造の一軒家だった。
壁には蔓がびっしりと絡み付いて古さを際立たせている。
そしてなにより--。
「聖法:破邪の瞳」
家全体からドス黒い悪意のもやもやが吹き出しまとわりついている。
非常に強力な呪いの気配が家全体から感じられる。
「うわちゃー……こりゃひどいですね」
「そんなにひどい?」
「はい。そんなにひどいです」
「確かに嫌な感じがするというか、ここだけ気温が違うな」
家の玄関口に立ち身震いするバルトに、私はずびし、と指を立てる。
「一般的に、呪いは対象者にしか影響を与えません。ですがより強力な呪物になればなるほど周囲に与える影響は大きくなります。気温の低下、精神の磨耗、倦怠感、発熱、嘔吐、下痢、食あたりなどなどです」
「食あたりは関係なさそうだけどな?」
「まぁまぁ聞いてください。このまま室内に入るとバルトさんでも恐らく影響を受けますのでちょっと準備を--聖法:ブレイブハート」
「お、おお。なんだか何も怖くないって気がしてきたぞ!」
「バルトさんのやる気スイッチを押しましたので、呪いの影響はないはずです。というより」
もりもりの筋肉を盛り上がらせて心も盛り上がっているバルトを横目に、心配そうに私を見るリーシャへ視線を移す。
「な、なに……?」
「リーシャさん、この家に住まわれてるんですよね」
「うん」
「……よく平気でしたね」
「平気じゃないよ。でもその原因はさっきフィリアさんが--」
「違います。呪いを受けている体でさらに強力な呪いの中にいて平気でしたね、と言っているんです」
「あ……そういえば……」
「まぁいいです。今平気ですか?」
「ちょっと目眩と吐き気がある、かな」
「わかりました。聖法:ブレイブハート」
「ありがとう」
バルトと同じ術をリーシャにも施し、いざ室内へ。
古びた引き戸をガラガラと開けた途端、嫌な空気がぶわりと肌を撫でる。
リーシャに案内された部屋に入ると、さらに嫌な感じが増した。
濃密な呪いの悪意が身体中を這い回って気持ち悪い。
こんな部屋でよく生きているものだ。
ベッドに横たわる女性をみながらそう思う。
--抵抗力が強いのだろうな、リーシャのように。
普通ならとっくに呪い殺されていておかしくない濃度の中で、女性がゆっくりと体を起こす。
「あら……お客さん……?」
「プリシラ! 起きなくていいよ! 寝てていいから!」
「ん……ごめんねリーシャ……お客さんも、寝たままでごめんなさい」
「いいんです。それより--聖法:ポジティブヒール」
「う……ふぅ……」
プリシラと呼ばれた女性の手を取り、気力回復の術を施す。
少しだけ楽そうになったプリシラの目を見つめながら言葉を紡ぐ。
「私はフィリア、ビショップです。プリシラさんは呪われてます。それもかなり強力な呪いに。今から私がそれを払います。気をしっかり持っていてください」
「ビショップ、さんなのね……お願いします」
「大丈夫だよプリシラ。きっとよくなる」
「うん、ありがとうリーシャ」
「では始めます。聖法:破邪の瞳」
私は一度深呼吸をし、呪いの発生源を探す。
体からは何の反応もない。
ベッド、違う。
クローゼット、違う。
洋服、違う。
どれだ。
呪いの根源であればかなり濃い悪意が出ているはず。
そう思いながら室内をぐるりと見廻し--。
見つけた。
「あの卓上鏡、露天商で買ったものですか?」
「そう、です」
「あれが原因です」
部屋の端に置かれた座卓。
元気だった頃はきっとここでメイクをしたり勉強をしたり本を読んだりしていたのだろう。
座卓の横にある本棚やメイク箱がそれを物語っている。
しかし今は座卓の上に置かれた卓上鏡から漏れ出る悪意でドス黒く塗り潰されている。
悪意というよりはもはや瘴気と言ってもいいくらいだ。
つかつかと鏡に近付きその前に座り、術式の印を結を結んでいく。
「利光万全にして封鬼開闢、阻にして滅、回にして天、我理と地脈に基づき災いを断ち切らんと欲す。聖法展開術式:邪理滅法」
長ったらしい力ある言葉を紡ぎ、術を展開させる。
候補者達の宮殿では聖女のための聖法授業というものがあった。
授業はとても楽しかったし、成績はいつもトップだった。
何しろ友達作りも拒否ってたからね。
周りの候補者達がきゃっきゃうふふしている間にも、私はひたすらに勉強し己を磨いた。
聖女になりたくないのになぜ聖女の技を磨くのか?
そんなものは決まってる。
宮殿で教わるものは聖女たらしめる御技の数々、それがタダで身に付くのだ。
ないがしろにしてはもったいないと思わない?
少なくとも貧乏性の私はもったいないと思った。
それに皇太子の嫁にならないのなら、遅かれ早かれ宮殿からは出て行ったのだ。
セカンドキャリアの事もしっかりと考えた上でのお勉強だ。
得して損することは無し。
私はケチでしっかりものなのだ。
宮殿内では孤軍奮闘、頂の花、孤高の狼、塩対応を貫いていた私は常にそんな感じだった。
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