ナイトホーク

無人コンビニ

会談も佳境に入る

計画はこうだ
ナイトホークとホーリームーンが青い県にある原子力発電所「カイダス」を取材する

そしてあの極秘案件について探る

そうすればフレア博士との距離は近くなるだろう

ビューティフルようこは事務所から遠隔バックアップする
サイバー的な観点から取材を確かにサポートしていく

「なにか喰わないか？買ってくるぜ」

「ありがと、私は無人コンビニだけは絶対に行かないわ」

この時代はコンビニから原子力発電所までコンピュータ制御、無人で運営できるのだ

しかしコンビニを無人運営するためのネットワークセキュリティーは甘々

クレジットカードやICカードの類を持参すれば自ら情報を怪しい連中に差し出すようなものだ

ゲスな泥棒ハッカーならいざ知らず天才ハッカーとして国家的な機密情報をいくつも扱う身としては近寄りたくない場所だ


ナイトホークとホーリームーンは2020年式の古い電気自動車で無人コンビニへ

5分ほどで目的地についた　日が暮れた無人コンビニだったが客の入りはまばら　経済政策に失敗し世界一の格差社会となった今、僻地の消費意欲は絶対零度まで冷えている

ハンバーガーやドリンク、ガムなどを財布と相談しながら選びロボットを相手に会計する

ロボット店員は人間に似せながらもメタリックな肌とカメラの目を持つ

よく見たら怖い

しかしロボット店員には当然アシモフのロボット三原則がインストールされていて人間に危害を加えはしない


「やいやい！」
ナイトホークの背後から怒号が聞こえた

振り返ると空手着姿の男が眉間にシワを寄せてナイトホークを睨んでいる

「俺は格闘マニアなんだ！
２人とも俺と戦えよ」

台詞を言い終わるのも待たず格闘マニアの男はパンチキックを繰り出す

ナイトホークは虎拳、ホーリームーンは龍拳でパンチキックを受けた

「俺は虎拳、ホーリームーンは龍拳の使い手なんだ！」

ナイトホークの闘争心に火がついた

「おあいにく様、俺の流儀は猿拳だ！」

格闘マニアの男は猿のごとく俊敏な動きで襲いかかる

パンチ！キック！パンチとキックを同時にパンチキック！

ナイトホークは虎のごとく大胆に技を繰り出す　一撃が格闘マニアの背中を喰らう

ホーリームーンは龍みたく身体をくねくねさせていた

「参った！」

格闘マニアは降参した

「やったー」

ナイトホークは勝利に酔いしれる

「君はただの格闘マニアじゃないな？」

ホーリームーンが今度は蛇のように問い詰める

なんと格闘マニアを自称する男の右の耳の後ろにUSB型の通信機がついていた

「先ほどのバトルのデータは俺の脳から通信機を通じてサーバーに送られたよ　くくく」

男が不敵に笑った