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春
アナーキー桜
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ダイチはシャウトしたかおもうと、今度はレジュメの紙束を大量に並べだしました。
そして、いまの奨学金問題について議論をはじめました。
ほかのメンバーもそこに乗っかってきます。
「ほう、君らもやっとましな議論ができるようになってきたみたいだな」
二宮先輩が腕組みをしてほくそ笑んでいました。
お花見はまるで国会のように燃えていきました。
「なんか熱くて、いいね~」
私たちがわいわい盛り上がっていると、楽器をもった人が近づいてきました。
「あ、これ?ギターケース。さすがにこれに入って亡命はしないけど。逃げたくなるくらい社会にうんざりするときってあるよね」
「あなたはいったい?」
「ぼくは、桜祭りのイベントで歌ってたミュージシャンのニューっていうんだけど、さっきの青年のシャウトがパンクすぎてつい興味を持ってしまったのさ」
「もしかしてダイチ?」
「俺になにか用でも」
「そうか、君があのシャウトの主か。いいねえ。面構えなんかジョニー・ロットンに似てるよ」
「セックス・ピストルズ」
「そう!」
ニューと名乗るミュージシャンの男性はギターをケースから出すと、リフを演奏し始めました。
「この曲は知ってるかい?カモン」
「アナーキー・イン・ザ・UK♪」
なんとダイチは、ニューさんの奏でる伴奏に乗せて歌い出しました。
その歌は決してキレイではなく、粗雑で挑発的、でもパンクな歌を歌っているダイチだけは正直カッコよかったです。
「パンクの勃興の時代、イギリスは景気が悪かったんだ。でも若者の不満に答えたパンクムーブメントも長くは続かなかった。ロックンロール魂とは常に一瞬の火花みたいなもんだ」
酔っぱらいのタカシ先輩がやけにかっこいいこと言いました。
そんなこんなでお花見は解散。
ほとんどのメンバーが帰って行きました。
ダイチとナガレが残って後片付けをしています。
「トモカ、あの二人だけじゃ終わらないから手伝おうよ」
「仕方ないなー」
袋にまとめたゴミは案外重くてよろけてしまいました。
「でえじょうぶか」
「ファ?」
なんとダイチが私を支えてくれました。
「いいよ。ダイチ」
「いいから。二人で持とうぜ」
よっこらせ。なんとか大きなゴミ袋をゴミ箱に。
「夜桜きれいだな」
「ダイチがそんなメランコリックなこと言うとはおもわなかった」
「あんた、俺のことどうおもってるの?」
「えー、泥んこまみれで、シャウトして、野性動物みたいな」
「ひっど。まあいいけど。ところで」
「なに」
「トモカさんって彼氏とかいるのかな」
え?え?
なに急にその質問??
そして、いまの奨学金問題について議論をはじめました。
ほかのメンバーもそこに乗っかってきます。
「ほう、君らもやっとましな議論ができるようになってきたみたいだな」
二宮先輩が腕組みをしてほくそ笑んでいました。
お花見はまるで国会のように燃えていきました。
「なんか熱くて、いいね~」
私たちがわいわい盛り上がっていると、楽器をもった人が近づいてきました。
「あ、これ?ギターケース。さすがにこれに入って亡命はしないけど。逃げたくなるくらい社会にうんざりするときってあるよね」
「あなたはいったい?」
「ぼくは、桜祭りのイベントで歌ってたミュージシャンのニューっていうんだけど、さっきの青年のシャウトがパンクすぎてつい興味を持ってしまったのさ」
「もしかしてダイチ?」
「俺になにか用でも」
「そうか、君があのシャウトの主か。いいねえ。面構えなんかジョニー・ロットンに似てるよ」
「セックス・ピストルズ」
「そう!」
ニューと名乗るミュージシャンの男性はギターをケースから出すと、リフを演奏し始めました。
「この曲は知ってるかい?カモン」
「アナーキー・イン・ザ・UK♪」
なんとダイチは、ニューさんの奏でる伴奏に乗せて歌い出しました。
その歌は決してキレイではなく、粗雑で挑発的、でもパンクな歌を歌っているダイチだけは正直カッコよかったです。
「パンクの勃興の時代、イギリスは景気が悪かったんだ。でも若者の不満に答えたパンクムーブメントも長くは続かなかった。ロックンロール魂とは常に一瞬の火花みたいなもんだ」
酔っぱらいのタカシ先輩がやけにかっこいいこと言いました。
そんなこんなでお花見は解散。
ほとんどのメンバーが帰って行きました。
ダイチとナガレが残って後片付けをしています。
「トモカ、あの二人だけじゃ終わらないから手伝おうよ」
「仕方ないなー」
袋にまとめたゴミは案外重くてよろけてしまいました。
「でえじょうぶか」
「ファ?」
なんとダイチが私を支えてくれました。
「いいよ。ダイチ」
「いいから。二人で持とうぜ」
よっこらせ。なんとか大きなゴミ袋をゴミ箱に。
「夜桜きれいだな」
「ダイチがそんなメランコリックなこと言うとはおもわなかった」
「あんた、俺のことどうおもってるの?」
「えー、泥んこまみれで、シャウトして、野性動物みたいな」
「ひっど。まあいいけど。ところで」
「なに」
「トモカさんって彼氏とかいるのかな」
え?え?
なに急にその質問??
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