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惑星動乱
暗躍の日々
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サイバーパトロールの面々と協力者三人は隠密行動に出た。
虹と言う名前のわりには色味に欠ける町並み、エマとヤミは食料不足で悩む市民のため闇市を開く。水の都から横流しした食糧や医療大麻などをこっそり人々に売る。バイトを雇い報酬を渡す。人々が英気を養えるために。
「ヤミさん、配分は平等になるようにちゃんと計量してね」
「んもー。エマちゃんは几帳面すぎるんだから」
「これも永久の平和に向けて大事なことよ。わたしの定言命令どおりに正確に計量なさい」
「はいはい……」
エマの几帳面ぶりには呆れながらも闇市でモノを売るのは楽いなと思うヤミちゃんであった。
ハイネ医師のクリニックを拠点に、キュリオ博士の院内学校が開かれる。この授業は誰でも参加可能。自分で考える人を増やすためだ。
モコとルビィは反目しながらも、参加型の民主体制の構想を練る。
「モコさん、もっと革命的なアイデアじゃないと」
「ルビィさん。社会はバランスと良識が大事なの。性急な革命はだめです」
アイアン・サチコはジャックから情報を得ながら各所に根回しをしていく。
すべては機械支配から脱するためだ。
ヒカリは?ヒカリはレーゲンボーゲンのプログラム解析に忙しい。
ときどき猫になって散歩する
「わたし意外とこの姿好きなのよね。人に見られるのはいやだけど」
暗躍の日々のなか、ヒカリとヤミはクリニックを訪れた。病床に伏せっていたメアリの見舞いに行く時間がやっと取れたのだ。
メアリはヒカリとヤミが新しい惑星でサイバーパトロールとして働くきっかけを作ってくれた恩人でもあるのだ。
「昔は権威に笠を着るような男に嫌がられて、それが誇りだったのよ。根っからのフェミニストだったからね。ヒカリなんか意外と昔の私に似てるかも」
「私が?メアリさんみたいには戦えないですよ。武勇伝たくさん知ってますよ」
ヒカリはメアリの手を握った。その手は力なく痩せていた。
「ヒカリ。あなたはもう歳を取らないのね。いいわね。ヤミちゃんはお姉さんを追い越して歳を取っていくのね。二人仲良くね」
「?」
「メアリさん。どーいうこと?」
「ヒカリ、ヤミ。あなたたち孤児院で育ったのよね。それをみじめだなんて思ってないわよね。我が儘な親に縛られるよりあんがい良かったかも。あなたたち本当にいい子よ。ゴホッ、ゴホ」
メアリが咳をした。少量ながら吐血も伴い枕に赤いしみがついた。
「メアリさん、大丈夫?無理しないで。ちょっと落ち着こうね。ヤミちゃん、ナースコールを」
「う、うん。メアリさん……」
すぐさま医師が駆けつけた。ヒカリとヤミは病室を追われた。
「お姉ちゃん、また今度メアリさんに会いにこよーね」
「……」
虹と言う名前のわりには色味に欠ける町並み、エマとヤミは食料不足で悩む市民のため闇市を開く。水の都から横流しした食糧や医療大麻などをこっそり人々に売る。バイトを雇い報酬を渡す。人々が英気を養えるために。
「ヤミさん、配分は平等になるようにちゃんと計量してね」
「んもー。エマちゃんは几帳面すぎるんだから」
「これも永久の平和に向けて大事なことよ。わたしの定言命令どおりに正確に計量なさい」
「はいはい……」
エマの几帳面ぶりには呆れながらも闇市でモノを売るのは楽いなと思うヤミちゃんであった。
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「私が?メアリさんみたいには戦えないですよ。武勇伝たくさん知ってますよ」
ヒカリはメアリの手を握った。その手は力なく痩せていた。
「ヒカリ。あなたはもう歳を取らないのね。いいわね。ヤミちゃんはお姉さんを追い越して歳を取っていくのね。二人仲良くね」
「?」
「メアリさん。どーいうこと?」
「ヒカリ、ヤミ。あなたたち孤児院で育ったのよね。それをみじめだなんて思ってないわよね。我が儘な親に縛られるよりあんがい良かったかも。あなたたち本当にいい子よ。ゴホッ、ゴホ」
メアリが咳をした。少量ながら吐血も伴い枕に赤いしみがついた。
「メアリさん、大丈夫?無理しないで。ちょっと落ち着こうね。ヤミちゃん、ナースコールを」
「う、うん。メアリさん……」
すぐさま医師が駆けつけた。ヒカリとヤミは病室を追われた。
「お姉ちゃん、また今度メアリさんに会いにこよーね」
「……」
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