46 / 73
惑星動乱
権力のタワー 一
しおりを挟む
ヤミとヒカリは自治機構ビルに乗り込んだ。
警備員やサイバーパトロール、憲兵ら三十名ほどが二階でチョコたちを足止めしているらしい。
三階より上に通じる階段やエスカレーターはロックアウト状態にしていて、易々とは突破されないと言う。
「奴ら三人と二階で揉み合いになってます。中心人物のチョコが宙に浮く靴を履いていて手こずっているみたいです」
ヤミたちをサポートする憲兵の一人であるヌマヅがそう報告した。
「宙に浮く靴?面白そう」
「ヤミちゃん、そうじゃなくて……」
憲兵のヌマヅは表情ひとつ変えずに補足説明をした。
「その宙に浮く靴とやらは、地上から数センチぐらい身体を浮かせることができて、すいすい移動できるので攻撃も当たらないし捕まえるのも容易でないとのこと」
「すいすい?」
「そう、すいすいであります。またグフタムとネオンと言う名の二人が実行部隊と思われ、こちらもやたらめったら強いとのこと」
「やたらめったら?」
ヒカリは、ちょっと待てよと二人のやり取りを中断させた。
「ねえ、いま上でバトルしてるのは誰々なの?」
「え?お姉ちゃん、どういうこと?」
「だから、上にいるのは誰?チョコちゃんと?あとは?」
深刻な様子のヒカリの質問にヌマヅが即答する。
「上にいるのは、チョコ、グフタム、ネオン。この三人でありますが……」
「そう三人!もう一人は?」
ヤミはヒカリの質問の意図を掴むや否やある名前を叫んだ。
「モデスタ!モデちゃんはいったいどこに?」
モデスタは戦闘ではなくこのビルのセキュリティシステムをどこかでハッキングしているのではないか?
誰からともなく、そんな仮説が立ち上がる。
ヒカリが一階の事務室に駆け込み、手近なパソコンのキーボードを叩く。
「ローカルネットワークは繋がってるわ。こっからモデちゃんの居場所を逆探知するわ」
ヒカリが事務室に走ると同時にヤミもまた三階へ走っていた。
「廊下に無駄な間接照明がたくさんだわ」
照明に照らされたヤミの影にはガマズミが隠れて一緒に移動していた。
二階ではバリケードを張った階段の手前にあるホールで攻防が繰り広げられていた。
「三人相手にこの人数で翻弄されるなんて……」
すでに、こちら側は半数が倒されていて、さらにそのうちの二名は絶命していた。
警備員やサイバーパトロール、憲兵ら三十名ほどが二階でチョコたちを足止めしているらしい。
三階より上に通じる階段やエスカレーターはロックアウト状態にしていて、易々とは突破されないと言う。
「奴ら三人と二階で揉み合いになってます。中心人物のチョコが宙に浮く靴を履いていて手こずっているみたいです」
ヤミたちをサポートする憲兵の一人であるヌマヅがそう報告した。
「宙に浮く靴?面白そう」
「ヤミちゃん、そうじゃなくて……」
憲兵のヌマヅは表情ひとつ変えずに補足説明をした。
「その宙に浮く靴とやらは、地上から数センチぐらい身体を浮かせることができて、すいすい移動できるので攻撃も当たらないし捕まえるのも容易でないとのこと」
「すいすい?」
「そう、すいすいであります。またグフタムとネオンと言う名の二人が実行部隊と思われ、こちらもやたらめったら強いとのこと」
「やたらめったら?」
ヒカリは、ちょっと待てよと二人のやり取りを中断させた。
「ねえ、いま上でバトルしてるのは誰々なの?」
「え?お姉ちゃん、どういうこと?」
「だから、上にいるのは誰?チョコちゃんと?あとは?」
深刻な様子のヒカリの質問にヌマヅが即答する。
「上にいるのは、チョコ、グフタム、ネオン。この三人でありますが……」
「そう三人!もう一人は?」
ヤミはヒカリの質問の意図を掴むや否やある名前を叫んだ。
「モデスタ!モデちゃんはいったいどこに?」
モデスタは戦闘ではなくこのビルのセキュリティシステムをどこかでハッキングしているのではないか?
誰からともなく、そんな仮説が立ち上がる。
ヒカリが一階の事務室に駆け込み、手近なパソコンのキーボードを叩く。
「ローカルネットワークは繋がってるわ。こっからモデちゃんの居場所を逆探知するわ」
ヒカリが事務室に走ると同時にヤミもまた三階へ走っていた。
「廊下に無駄な間接照明がたくさんだわ」
照明に照らされたヤミの影にはガマズミが隠れて一緒に移動していた。
二階ではバリケードを張った階段の手前にあるホールで攻防が繰り広げられていた。
「三人相手にこの人数で翻弄されるなんて……」
すでに、こちら側は半数が倒されていて、さらにそのうちの二名は絶命していた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
鎌倉最後の日
もず りょう
歴史・時代
かつて源頼朝や北条政子・義時らが多くの血を流して築き上げた武家政権・鎌倉幕府。承久の乱や元寇など幾多の困難を乗り越えてきた幕府も、悪名高き執権北条高時の治政下で頽廃を極めていた。京では後醍醐天皇による倒幕計画が持ち上がり、世に動乱の兆しが見え始める中にあって、北条一門の武将金澤貞将は危機感を募らせていく。ふとしたきっかけで交流を深めることとなった御家人新田義貞らは、貞将にならば鎌倉の未来を託すことができると彼に「決断」を迫るが――。鎌倉幕府の最後を華々しく彩った若き名将の清冽な生きざまを活写する歴史小説、ここに開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる