虹のアジール ~ある姉妹の惑星移住物語~

千田 陽斗(せんだ はると)

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緊張と緩和

前日

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 明日の正午にマキガイ公園へ。ヤミとヒカリはメールに書いてあったとおりマキガイ公園へ向かうことにした。
 罠が仕掛けてある確率も高いが、この際飛び込んでみることにした。
 その日の夜、ヤミは虹のサイバーパトロールのメンバーのことを思い出した。
 毎日必ず決まった時間に連絡をくれるエマのことだ。
「そういえば、こないだエマちゃんからの連絡が遅れたのよ。あのきちょうめんなエマちゃんよ。めずらしくない?」
「あら、ヤミちゃんは知らなかったですか?なぜ定時連絡が遅れたのか」
 エマは真面目で誰とでも平等に接しようとする人物だが、さすがに機械ではない。プライヴェートではヤミよりヒカリと気が合った。
 定時連絡が遅れた理由をヒカリにだけは打ち明けていた。
 虹にはモコとルビィ、そしてメアリというベテランのサイバーパトロールがいるが、お調子者で変化が好きなルビィのある計画にエマが振り回されているみたいだ。
 ちなみにメアリは病気で休職に入ったという。
「メアリさん、会いたいな。お母さんみたいに優しい人だもん」 
「そうだね」
 二人は有給休暇をとってメアリのお見舞いに行くことも話し合った。
 
 そして次の日、二人はローバーに乗りマキガイ公園へ。
 何重もの警戒から二人は銃や防レーザージャケットなどを用意した。
 ローバーの後ろの席にはガマズミが、口を開けて鎮座している。なぜか今日は留守番を拒んだため連れてくることにしたのだ。
 待ち合わせの時間になり、二人は意外な顔見知りと望まぬ形での再会をすることになる。
 
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