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第四章 世界中が敵
第243話 もう一つの戦
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「モンスターにすら見離されちまったね。」
ハンナがボソリと呟く。
「お似合いの最期でしたね。」
「残りの敵を…倒しましょう。
アッサールさん。
【斧神】を渡してもいいですか?」
「…あんな奴が使っていたスキルなど…いらん。」
「そう言うと思いました。
でも、僕たちがもっと強い力を持っていたら、ウルバーノさんは死なずに済んだかもしれません。
これからの戦いで、力不足でまた仲間を死なせてしまうかもしれません。
このスキルが悪いわけじゃなく、力を使う人が、その力をどう使うかが大事なのでは?
そもそも、僕たちが使っているスキルはほとんど敵のものですし。」
「……。」
「それを言われると、私の【魔龍化】のスキルもろくでもない国王のものでしたしね。」
「ふふっ。
ロヴェル、あんたも言うようになったね。」
「…そう…だな。
…ロック、魔王たちを倒したら…、戦いが終わったら、このスキルを消してもらえるか?」
「…はい。
アッサールさんがそれを望むなら。」
「…ありがとう。」
そしてロックはアッサールに【斧神】スキルを渡した。
それからは一方的な展開だった。
成長したロックの【スキルスナッチ】が相手の戦力をどんどん削いでいき、アッサールの【斧神】が凄まじい勢いで敵を倒していった。
一撃で倒されればフェニックスの回復も意味をなさない。
回復魔法を軸とするフェニックスは、仲間がいなくなったことでなす術がなくなり、ロックたちに倒された。
【起死回生】スキルを持つフェニックスは、不死鳥の名の如く蘇りもしたが、それも【スキルスナッチ】で奪われてしまい、最期は蘇ることができなくなった。
そして、回復魔法の最上位スキル、ユニークスキル【大聖者】を手に入れた。
それからA級魔族の涅槃珠を10個手に入れた。
アッサール・ハンナ・ロヴェルがそれぞれ2つずつ使い、3人はレベルが上限の100となった。
「ウルバーノさん…。」
ウルバーノの遺体は故郷で埋葬するため、収納した。
「さあ、帰ろう。」
バハムートとの戦いが始まったファルクたち。
「ワシが戦ったらすぐ終わってしまう」というバハムートの言葉は決して奢りではなかった。
バハムートはアッサールが使った【魂の一撃】の上位スキル、【渾身の一撃】を持っていた。
★4のスキルで、攻撃力を5倍にするスキルだ。
ミラの[アルティメットシールド]や【光輝の壁】を使ってなんとか一撃耐えられるほどの威力。
これらのスキルがなければ、間違いなく犠牲が出ていただろう。
しかし、【渾身の一撃】にも当然リスクがある。
【魂の一撃】と同じで、全MPとHPの半分を失うのだ。
相手が1人ならまだしも、複数の相手には相性の悪いスキルだ。
しかも、バハムートには回復してくれる仲間はもういない。
バハムートは四死龍が持っていた【再生】も持っていなかった。
強力な一撃を耐えきったあと、弱ったバハムートに集中攻撃をしたファルクとデイジー。
バハムートはなす術もなくHPを減らしていく。
そして、倒したと思ったその瞬間。
バハムートから強烈な衝撃波が発生した。
「うおっ!」
吹き飛ばされるファルクとデイジー。
「「あ、あれは!!」」
ティナとミラが同時に声を発する。
ファルクとデイジーも何が起きたか理解した。
【起死回生】スキルだ。
HPが0になる攻撃を受けた時、HPが1だけ残り、攻撃力が倍増する。
しかも、30秒間MP消費なし。
そして30秒過ぎると完全回復。
この30秒でHPが半減するスキル【渾身の一撃】は使えないようだが、【全能力50%UP】も持っているバハムートの攻撃力がさらに倍になれば、かなりの脅威。
「だが、一撃入れれば終わりだ…!」
HPが1のバハムート。
30秒以内に一撃入れればそれで倒せる。
しかし、相手は空を飛べる。
ファルクがフォースドラゴンとなって追いかけるが、バハムートは【見切り】スキルも持っており、大雑把な攻撃しかできないフォースドラゴンはついに攻撃を当てることができなかった。
「ふふふ…。
これで完全回復だ。」
バハムートにかかればほとんどの相手は一撃。
相手が複数いても【起死回生】で回復して、1人ずつ確実に減らしていく。
魔法や弓使いがいても、上空にいて【見切り】を持っているバハムートには当たらない。
過去一度も討伐されたことのないバハムート。
彼は自分の一撃で倒れない強さを持った相手と戦えることに、喜びを感じていた。
ハンナがボソリと呟く。
「お似合いの最期でしたね。」
「残りの敵を…倒しましょう。
アッサールさん。
【斧神】を渡してもいいですか?」
「…あんな奴が使っていたスキルなど…いらん。」
「そう言うと思いました。
でも、僕たちがもっと強い力を持っていたら、ウルバーノさんは死なずに済んだかもしれません。
これからの戦いで、力不足でまた仲間を死なせてしまうかもしれません。
このスキルが悪いわけじゃなく、力を使う人が、その力をどう使うかが大事なのでは?
そもそも、僕たちが使っているスキルはほとんど敵のものですし。」
「……。」
「それを言われると、私の【魔龍化】のスキルもろくでもない国王のものでしたしね。」
「ふふっ。
ロヴェル、あんたも言うようになったね。」
「…そう…だな。
…ロック、魔王たちを倒したら…、戦いが終わったら、このスキルを消してもらえるか?」
「…はい。
アッサールさんがそれを望むなら。」
「…ありがとう。」
そしてロックはアッサールに【斧神】スキルを渡した。
それからは一方的な展開だった。
成長したロックの【スキルスナッチ】が相手の戦力をどんどん削いでいき、アッサールの【斧神】が凄まじい勢いで敵を倒していった。
一撃で倒されればフェニックスの回復も意味をなさない。
回復魔法を軸とするフェニックスは、仲間がいなくなったことでなす術がなくなり、ロックたちに倒された。
【起死回生】スキルを持つフェニックスは、不死鳥の名の如く蘇りもしたが、それも【スキルスナッチ】で奪われてしまい、最期は蘇ることができなくなった。
そして、回復魔法の最上位スキル、ユニークスキル【大聖者】を手に入れた。
それからA級魔族の涅槃珠を10個手に入れた。
アッサール・ハンナ・ロヴェルがそれぞれ2つずつ使い、3人はレベルが上限の100となった。
「ウルバーノさん…。」
ウルバーノの遺体は故郷で埋葬するため、収納した。
「さあ、帰ろう。」
バハムートとの戦いが始まったファルクたち。
「ワシが戦ったらすぐ終わってしまう」というバハムートの言葉は決して奢りではなかった。
バハムートはアッサールが使った【魂の一撃】の上位スキル、【渾身の一撃】を持っていた。
★4のスキルで、攻撃力を5倍にするスキルだ。
ミラの[アルティメットシールド]や【光輝の壁】を使ってなんとか一撃耐えられるほどの威力。
これらのスキルがなければ、間違いなく犠牲が出ていただろう。
しかし、【渾身の一撃】にも当然リスクがある。
【魂の一撃】と同じで、全MPとHPの半分を失うのだ。
相手が1人ならまだしも、複数の相手には相性の悪いスキルだ。
しかも、バハムートには回復してくれる仲間はもういない。
バハムートは四死龍が持っていた【再生】も持っていなかった。
強力な一撃を耐えきったあと、弱ったバハムートに集中攻撃をしたファルクとデイジー。
バハムートはなす術もなくHPを減らしていく。
そして、倒したと思ったその瞬間。
バハムートから強烈な衝撃波が発生した。
「うおっ!」
吹き飛ばされるファルクとデイジー。
「「あ、あれは!!」」
ティナとミラが同時に声を発する。
ファルクとデイジーも何が起きたか理解した。
【起死回生】スキルだ。
HPが0になる攻撃を受けた時、HPが1だけ残り、攻撃力が倍増する。
しかも、30秒間MP消費なし。
そして30秒過ぎると完全回復。
この30秒でHPが半減するスキル【渾身の一撃】は使えないようだが、【全能力50%UP】も持っているバハムートの攻撃力がさらに倍になれば、かなりの脅威。
「だが、一撃入れれば終わりだ…!」
HPが1のバハムート。
30秒以内に一撃入れればそれで倒せる。
しかし、相手は空を飛べる。
ファルクがフォースドラゴンとなって追いかけるが、バハムートは【見切り】スキルも持っており、大雑把な攻撃しかできないフォースドラゴンはついに攻撃を当てることができなかった。
「ふふふ…。
これで完全回復だ。」
バハムートにかかればほとんどの相手は一撃。
相手が複数いても【起死回生】で回復して、1人ずつ確実に減らしていく。
魔法や弓使いがいても、上空にいて【見切り】を持っているバハムートには当たらない。
過去一度も討伐されたことのないバハムート。
彼は自分の一撃で倒れない強さを持った相手と戦えることに、喜びを感じていた。
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