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第四章 世界中が敵
第236話 四死龍
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四死龍と戦うティナ・ミラ・ファルク・デイジーの4人。
空を自在に飛べる相手との戦いは、それだけで不利を強いられる。
それに加えて、[シールド]が不自然なまでに強力だった。
【大魔術士】というユニークスキルを持つミラと同等の頑強さだ。
「くっ。
硬いな…!」
その様子を見てバハムートが愉快そうに笑う。
「ふははっ!
苦戦してるようだな。
だがそれは四死龍も同じ。
お主らやるな。」
「ふんっ。
余裕こきやがって。」
「我らドラゴンの強みはステータスの強さであることは知ってるだろう。
しかし、その点で言えばお主らの方が上のようだ。
なぜ優勢になれないか不思議だろう?」
「うん、おかしいよ!
なんでなの!?」
「おお、元気な小娘だな。
教えてやろう。
四死龍はそのステータスの高さに加えて、異常な耐久力を持っている。
簡単に言えば、体力が全快した時に鱗が、特殊魔法の[シールド]のような防御膜をはるのだ。
もちろん、特殊魔法の[シールド]も使ってるから、実質二重の[シールド]が使えるようなもんだな。」
「え!?
そんなスキルがあるの!?」
「いや、これはスキルではない。
最上位のドラゴンの『特性』だな。」
「まじか…。」
「ただ、MPに限りがあるからな。
今のまま持久戦に持ち込めばお主らに軍配が上がるだろう。
…そんなつまらん勝ち方をしようとするなら、ワシも参戦してすぐに戦いを終わらせてやるがな。」
実際、特殊魔法の[シールド]だけならファルクとデイジーは一撃で破壊可能であった。
何度も破壊しているが、それでもダメージをすぐには与えられず、与えてもあっという間に回復する。
そうすると、また[シールド]が発生しているように感じていた。
これだけ[シールド]を連発できるということは【神の恩寵】を持っているかと思ったが、バハムートの言葉を信じるなら、ドラゴンの特性だったらしい。
「なんでそんなこと教えるの?」
ティナが疑問を投げかける。
「ん?
楽しい戦いをしたいからだが?」
バハムートは使命感や主への忠誠などではなく、純粋に戦いが好きらしい。
「ふっ。
嫌いじゃねえ。
みんな、ちょっと無理するが、フォロー頼む。」
「え?
ファルクさん?」
「【豪龍化】!」
ファルクがその姿をフォースドラゴンへと変えた。
「おお。
ここまできたからには持ってると思っておったが。」
ファルクは空に飛び上がり、攻撃魔法を使うドラゴン、ファフニールへ飛びかかった。
極炎がファルクを襲う。
それでもファルクは怯まずにファフニールに喰らいつく。
ティナの【光輝の壁】とミラの[シールド]が守ってくれているのを知っていたから。
「グギャァァアア!!」
【全能の権化】に【大魔術士】のバフで強化されたファルクのステータスは四死龍の倍以上。
距離を潰して肉弾戦になれば、フォースドラゴンとなり力や体力がさらに倍増したファルクが圧倒的に有利。
ファフニールが鱗にまとっていた[シールド]も防御膜もあっという間に破られる。
フォースドラゴンに変身すると魔力が半減するため、攻撃魔法に弱くなる。
だが、ファフニールはファルクに襲われていて魔法を放つことができない。
他の3匹がファフニールを助けに行く。
【噛み砕き】を持つリンドブルムをはじめ、他の2匹の攻撃も強力だ。
「ファルクさん!!」
4匹のドラゴンに完全に囲まれてしまったファルクを見て焦るティナ、ミラ、デイジー。
【光輝の壁】は届くが、回復魔法や特殊魔法は届かない。
ミラが施した[シールド]もすでに破壊されている。
苦悶の表情を浮かべたファルクがちらりとデイジーを見て、目を合わせる。
その直後、強引に地面へと急降下してきた。
あまりの勢いに噛み付いていた3匹は途中で離脱。
だが、ファフニールだけはファルクが離さなかったため、離脱できなかった。
…ッドォォォオン……。
ものすごい衝撃と爆音。
ファルクとファフニールが隕石かのように地面に激突した。
「「ファルクさん!」」
土埃で安否を確認できない中、ファルクの名を叫ぶティナとミラ。
そんな中、デイジーは1人、落下した地点へと駆け寄った。
「…ファルクさん!」
ファルクはフラつきながらも、意図を理解してくれたデイジーを見てニヤリと笑った。
「…合わせてください!」
デイジーがユニークスキル【剣神】による[武技]を放つ。
それに合わせてファルクがファフニールへ渾身の噛みつき。
四死龍たちは【再生】の速度もかなり速かった。
これも特性なのかもしれないが、少々ダメージを与えてもすぐに回復し、逆に防御膜を発生させてしまうだけ。
それをさせないために、ファルクが身を挺して、デイジーとの同時攻撃をファフニールにくらわせたのだ。
四死龍とはいえ、流石にこの攻撃には耐えきれず、力尽きた。
4匹の中で唯一遠距離攻撃ができたファフニール。
空中から絶妙なタイミングで攻撃魔法を放ってくるファフニールのせいで、四死龍へ致命的なダメージを与えることができていなかった。
他の3匹は攻撃するために接近せざるを得ない。
ファフニールを倒したことで、他の3匹はファルクとデイジーの攻撃を捌くことができなくなり、その場にいる敵はとうとう、バハムート1匹だけとなった。
空を自在に飛べる相手との戦いは、それだけで不利を強いられる。
それに加えて、[シールド]が不自然なまでに強力だった。
【大魔術士】というユニークスキルを持つミラと同等の頑強さだ。
「くっ。
硬いな…!」
その様子を見てバハムートが愉快そうに笑う。
「ふははっ!
苦戦してるようだな。
だがそれは四死龍も同じ。
お主らやるな。」
「ふんっ。
余裕こきやがって。」
「我らドラゴンの強みはステータスの強さであることは知ってるだろう。
しかし、その点で言えばお主らの方が上のようだ。
なぜ優勢になれないか不思議だろう?」
「うん、おかしいよ!
なんでなの!?」
「おお、元気な小娘だな。
教えてやろう。
四死龍はそのステータスの高さに加えて、異常な耐久力を持っている。
簡単に言えば、体力が全快した時に鱗が、特殊魔法の[シールド]のような防御膜をはるのだ。
もちろん、特殊魔法の[シールド]も使ってるから、実質二重の[シールド]が使えるようなもんだな。」
「え!?
そんなスキルがあるの!?」
「いや、これはスキルではない。
最上位のドラゴンの『特性』だな。」
「まじか…。」
「ただ、MPに限りがあるからな。
今のまま持久戦に持ち込めばお主らに軍配が上がるだろう。
…そんなつまらん勝ち方をしようとするなら、ワシも参戦してすぐに戦いを終わらせてやるがな。」
実際、特殊魔法の[シールド]だけならファルクとデイジーは一撃で破壊可能であった。
何度も破壊しているが、それでもダメージをすぐには与えられず、与えてもあっという間に回復する。
そうすると、また[シールド]が発生しているように感じていた。
これだけ[シールド]を連発できるということは【神の恩寵】を持っているかと思ったが、バハムートの言葉を信じるなら、ドラゴンの特性だったらしい。
「なんでそんなこと教えるの?」
ティナが疑問を投げかける。
「ん?
楽しい戦いをしたいからだが?」
バハムートは使命感や主への忠誠などではなく、純粋に戦いが好きらしい。
「ふっ。
嫌いじゃねえ。
みんな、ちょっと無理するが、フォロー頼む。」
「え?
ファルクさん?」
「【豪龍化】!」
ファルクがその姿をフォースドラゴンへと変えた。
「おお。
ここまできたからには持ってると思っておったが。」
ファルクは空に飛び上がり、攻撃魔法を使うドラゴン、ファフニールへ飛びかかった。
極炎がファルクを襲う。
それでもファルクは怯まずにファフニールに喰らいつく。
ティナの【光輝の壁】とミラの[シールド]が守ってくれているのを知っていたから。
「グギャァァアア!!」
【全能の権化】に【大魔術士】のバフで強化されたファルクのステータスは四死龍の倍以上。
距離を潰して肉弾戦になれば、フォースドラゴンとなり力や体力がさらに倍増したファルクが圧倒的に有利。
ファフニールが鱗にまとっていた[シールド]も防御膜もあっという間に破られる。
フォースドラゴンに変身すると魔力が半減するため、攻撃魔法に弱くなる。
だが、ファフニールはファルクに襲われていて魔法を放つことができない。
他の3匹がファフニールを助けに行く。
【噛み砕き】を持つリンドブルムをはじめ、他の2匹の攻撃も強力だ。
「ファルクさん!!」
4匹のドラゴンに完全に囲まれてしまったファルクを見て焦るティナ、ミラ、デイジー。
【光輝の壁】は届くが、回復魔法や特殊魔法は届かない。
ミラが施した[シールド]もすでに破壊されている。
苦悶の表情を浮かべたファルクがちらりとデイジーを見て、目を合わせる。
その直後、強引に地面へと急降下してきた。
あまりの勢いに噛み付いていた3匹は途中で離脱。
だが、ファフニールだけはファルクが離さなかったため、離脱できなかった。
…ッドォォォオン……。
ものすごい衝撃と爆音。
ファルクとファフニールが隕石かのように地面に激突した。
「「ファルクさん!」」
土埃で安否を確認できない中、ファルクの名を叫ぶティナとミラ。
そんな中、デイジーは1人、落下した地点へと駆け寄った。
「…ファルクさん!」
ファルクはフラつきながらも、意図を理解してくれたデイジーを見てニヤリと笑った。
「…合わせてください!」
デイジーがユニークスキル【剣神】による[武技]を放つ。
それに合わせてファルクがファフニールへ渾身の噛みつき。
四死龍たちは【再生】の速度もかなり速かった。
これも特性なのかもしれないが、少々ダメージを与えてもすぐに回復し、逆に防御膜を発生させてしまうだけ。
それをさせないために、ファルクが身を挺して、デイジーとの同時攻撃をファフニールにくらわせたのだ。
四死龍とはいえ、流石にこの攻撃には耐えきれず、力尽きた。
4匹の中で唯一遠距離攻撃ができたファフニール。
空中から絶妙なタイミングで攻撃魔法を放ってくるファフニールのせいで、四死龍へ致命的なダメージを与えることができていなかった。
他の3匹は攻撃するために接近せざるを得ない。
ファフニールを倒したことで、他の3匹はファルクとデイジーの攻撃を捌くことができなくなり、その場にいる敵はとうとう、バハムート1匹だけとなった。
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