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第四章 世界中が敵
第221話 先代の国王
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ヴィレメ地下の大墓地へ向かうロックたち。
メンバーはロック・ティナ・ミラ・ファルク・ハンナ・ラン・スー・ロヴェル・デイジー・アッサール。
ランとスーも迎えに行き、S級メンバー全員で向かうことにした。
ヴィレメ地下の大墓地は地下空間だが、ドラゴンで飛んでいけるほど広い。
【龍化】したファルクとロヴェルに乗り、奥地へと進む。
ミラの【気配察知】がロックたちをボスモンスターの場所へと誘う。
「ボスモンスターの他に、S級・A級の気配がたくさんあるよ!」
「今までと同じように、魔族もいるはず!
みんな、気をつけて!」
【龍化】スキルのおかげで体力を消費することなく、ボスモンスターたちと対峙することができた。
アンデッドモンスターと魔族がそれぞれ10体くらいずついる。
「あれが…、ボスモンスター…。
それに、魔族。」
ロヴェルやデイジー、それにアッサールはボスモンスターとの戦闘経験はない。
といっても、戦闘経験がある冒険者はほとんどいないのだが。
アッサールは初めてだが、落ち着いているようだ。
だが、その3人は体に違和感を感じる。
動きが抑制されているのだ。
「こ、これが、ボスモンスターと対峙した時の…っ!」
「…ギルドからもらうこのブレスレットが力を抑制していると言っていたな…。」
まだどこか半信半疑ながら、ブレスレットを壊す3人。
「…力が…!」
「…これでロックたちの言ってることが証明されたな…。」
「っ…!?」
その時。
ロヴェルとデイジーが、1人の魔族を見て明らかに動揺した。
「カ、カシミール王!?」
「王!?」
「…あ、あの方は先代の…国王です…!」
魔族の1人が先代の国王、カシミール王であった。
「…し、師匠!!」
デイジーが珍しく大きな声を出した。
「師匠?」
「先代国王は【剣神】スキルを持ってまして、デイジーの剣の師匠でもあったのです。」
「こ、国王が師匠なんて…、さすが強いものが国王になる国ね…。」
「…師匠!!
私です!
デイジーです!」
魔族となったカシミールへ声を掛けるデイジー。
「…デイジー…。
デイジー?」
カシミールが記憶を探るように呟いている。
「なになに?
知り合いなの~?」
その会話にボスモンスター、ヴァンパイアロードが入ってくる。
「か、軽いわね…。」
ボスモンスターとは思えないノリの軽さだ。
「師匠!
あなたはサンジャータの元国王、カシミール様です!」
「サンジャータ、国王…。」
「国王だったんだ~!
偉い人じゃん!
もしかして僕、頭が高かった!?」
「ちょ、ちょっと黙っててくれ…。」
何か思い出せそうだが、ヴァンパイアロードがうるさくて集中できないようだ。
「カシミール様!!
あなたはハキム様たちとヴァンパイアロードを倒そうとして…、帰ってこられなかったのです…!」
ハキムというのは現国王の名だ。
「あ、そうだった!
僕がやっつけたんだったね!
忘れてたよ~!」
頭が高いどころの話ではない。
「ハキム…。
…ああ、私を陥れたあいつか…。」
「もしかして、あのドラゴンに変身したやつ~?」
「そうだ…。」
「あいつは最低なやつだったね~!
モンスターでもあんなクズはいないよ!」
「ああ…、あいつのことだけは思い出せた…。
確かにあいつは…、クズだな。」
「…師匠、何があったんですか?」
「師匠、か…。
すまんがお主のことは思い出せんな…。
あいつのことも知っておるのか?」
「…はい。
今は彼がサンジャータの国王です。」
「…サンジャータ、国王。」
「カシミール王よ、国のことは覚えておられないんですか!?」
「…お主…。」
「はい!
私はロヴェルです!
あなたの部下だった、ロヴェルです!」
「あれれ?
さっきあのクズと同じドラゴンに変身してなかった~??」
「あ、あれは…!」
「ドラゴン…。
お主、お主が…、あのドラゴンの…!?」
「いえ、カシミール王!
私はハキム様のスキルだけを手に入れたのです!」
「ドラゴン…、サンジャータ…。
私を陥れたドラゴン…!」
記憶が混濁しているカシミールは、ハキムとロヴェルの区別がつかなくなっているようだ。
その顔に怒りが滲んできた…。
「君を陥れたクズとは違う人だと思うけど…、まぁいっか!
どうせ殺すんだし!
よし、みんな、殺しちゃえ~!」
メンバーはロック・ティナ・ミラ・ファルク・ハンナ・ラン・スー・ロヴェル・デイジー・アッサール。
ランとスーも迎えに行き、S級メンバー全員で向かうことにした。
ヴィレメ地下の大墓地は地下空間だが、ドラゴンで飛んでいけるほど広い。
【龍化】したファルクとロヴェルに乗り、奥地へと進む。
ミラの【気配察知】がロックたちをボスモンスターの場所へと誘う。
「ボスモンスターの他に、S級・A級の気配がたくさんあるよ!」
「今までと同じように、魔族もいるはず!
みんな、気をつけて!」
【龍化】スキルのおかげで体力を消費することなく、ボスモンスターたちと対峙することができた。
アンデッドモンスターと魔族がそれぞれ10体くらいずついる。
「あれが…、ボスモンスター…。
それに、魔族。」
ロヴェルやデイジー、それにアッサールはボスモンスターとの戦闘経験はない。
といっても、戦闘経験がある冒険者はほとんどいないのだが。
アッサールは初めてだが、落ち着いているようだ。
だが、その3人は体に違和感を感じる。
動きが抑制されているのだ。
「こ、これが、ボスモンスターと対峙した時の…っ!」
「…ギルドからもらうこのブレスレットが力を抑制していると言っていたな…。」
まだどこか半信半疑ながら、ブレスレットを壊す3人。
「…力が…!」
「…これでロックたちの言ってることが証明されたな…。」
「っ…!?」
その時。
ロヴェルとデイジーが、1人の魔族を見て明らかに動揺した。
「カ、カシミール王!?」
「王!?」
「…あ、あの方は先代の…国王です…!」
魔族の1人が先代の国王、カシミール王であった。
「…し、師匠!!」
デイジーが珍しく大きな声を出した。
「師匠?」
「先代国王は【剣神】スキルを持ってまして、デイジーの剣の師匠でもあったのです。」
「こ、国王が師匠なんて…、さすが強いものが国王になる国ね…。」
「…師匠!!
私です!
デイジーです!」
魔族となったカシミールへ声を掛けるデイジー。
「…デイジー…。
デイジー?」
カシミールが記憶を探るように呟いている。
「なになに?
知り合いなの~?」
その会話にボスモンスター、ヴァンパイアロードが入ってくる。
「か、軽いわね…。」
ボスモンスターとは思えないノリの軽さだ。
「師匠!
あなたはサンジャータの元国王、カシミール様です!」
「サンジャータ、国王…。」
「国王だったんだ~!
偉い人じゃん!
もしかして僕、頭が高かった!?」
「ちょ、ちょっと黙っててくれ…。」
何か思い出せそうだが、ヴァンパイアロードがうるさくて集中できないようだ。
「カシミール様!!
あなたはハキム様たちとヴァンパイアロードを倒そうとして…、帰ってこられなかったのです…!」
ハキムというのは現国王の名だ。
「あ、そうだった!
僕がやっつけたんだったね!
忘れてたよ~!」
頭が高いどころの話ではない。
「ハキム…。
…ああ、私を陥れたあいつか…。」
「もしかして、あのドラゴンに変身したやつ~?」
「そうだ…。」
「あいつは最低なやつだったね~!
モンスターでもあんなクズはいないよ!」
「ああ…、あいつのことだけは思い出せた…。
確かにあいつは…、クズだな。」
「…師匠、何があったんですか?」
「師匠、か…。
すまんがお主のことは思い出せんな…。
あいつのことも知っておるのか?」
「…はい。
今は彼がサンジャータの国王です。」
「…サンジャータ、国王。」
「カシミール王よ、国のことは覚えておられないんですか!?」
「…お主…。」
「はい!
私はロヴェルです!
あなたの部下だった、ロヴェルです!」
「あれれ?
さっきあのクズと同じドラゴンに変身してなかった~??」
「あ、あれは…!」
「ドラゴン…。
お主、お主が…、あのドラゴンの…!?」
「いえ、カシミール王!
私はハキム様のスキルだけを手に入れたのです!」
「ドラゴン…、サンジャータ…。
私を陥れたドラゴン…!」
記憶が混濁しているカシミールは、ハキムとロヴェルの区別がつかなくなっているようだ。
その顔に怒りが滲んできた…。
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よし、みんな、殺しちゃえ~!」
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