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第四章 世界中が敵
第218話 vs国王
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「どうするんだ?
アッサールの旦那。」
ファルクがそう言うと、助っ人はフードを脱いだ。
「アッサールさん!」
共に戦ったアッサールが助っ人だったことに驚くティナ。
「…元気そうだな、ティナ。」
アッサールが住むボルドー国はサンジャータの港から一番近く、魔王出現前は親交があった国。
S級最強と名高いアッサールを連れてきたことが、サンジャータ国王の切り札だったのだ。
「ぬ?
アッサール、この犯罪者と顔見知りか!?」
「…恩人だ。」
「お、恩人だと!?
この犯罪者が!?
ぐぬぬぬ…。
恩人だろうがなんだろうが、今は犯罪者じゃ!
いいからお主の【バーサーカー】で皆殺しにしてやれ!!」
「…断る。」
「なななな、何!?
じゃあお主何しにきたんじゃ!?」
「…真実を確かめに。」
「こいつらが犯罪者だというのが真実じゃろうが!!」
「…違う。
…それに、もう【バーサーカー】は…、ない。」
「ない!?
ど、どういうことだ!?」
「…言葉通りだ。
…あったとしても、この男1人にも敵わない。」
アッサールはファルクを見ながらそう言った。
「そんなわけあるか!
お主の戦闘力は世界でも一番強いと言われておろうが!
その代わり仲間もろとも見境なく攻撃してしまう欠陥品だがな!」
「お前…!」
アッサールを欠陥品呼ばわりしたサンジャータ国王に怒りを露わにするファルクを、アッサールが制する。
「…その欠陥品を、こいつらが救ってくれた。」
「意味のわからんことを…!
ああああぁぁ!!
もういい!!
わしがお主らをまとめてやってやるわ!!」
そう言って激昂したサンジャータ国王は【魔龍化】した。
力や体力が倍増するファルクの【豪龍化】とは違い、魔力やMPが倍増するウィザードドラゴンだ。
倍増した魔力による【上級攻撃魔法】は強力。
複数のS級冒険者相手でも殲滅できる威力を秘めている。
「…まずいっ!」
サンジャータ国王の放った魔法をファルクがその身を挺して受け止める。
「ファルクさんっ!」
ウィザードドラゴンとなったサンジャータ国王の表情が緩む。
まともに魔法をくらったファルクを仕留めたと思ったのだろう。
だが…。
「やっぱユニークスキルはすげえな。
あれだけの魔法でも大したダメージ受けねえ。」
とっさに【全能の権化】を発動し、全ステータスを2倍にしていたファルク。
ダメージは受けたものの、まだまだ余裕がある。
「グゥオオオオ!?」
(バカな!!)
ドラゴンとなったサンジャータ国王が取り乱し、大きな叫び声をあげる。
「うるせえよ。
いい加減黙れ。」
ゴッ…
ファルクは槍でサンジャータ国王の頭部を殴りつけた。
ウィザードドラゴンに変身したことにより体力が半減しているサンジャータ国王は、その一撃で気を失った。
レベルが100になり【全能の権化】でそのステータスがさらに2倍となったファルクの攻撃力はえげつないことになっていた。
「ふうっ。」
「…ありえんほど強いな…。」
アッサールが呆れたように呟いた。
スキルなしでの攻防でもファルクの強さは自分以上だと感じていたが、スキルを使った強さは想像のさらに上をいっていた。
「これでも魔王たちと戦うにはまだまだ力不足だけどな。」
「…魔王とは、それほどに…。」
「魔王というか、その黒幕がな…。
俺よりも強いロックが手も足も出なかった…。」
「…信じられん…。」
「そのこともちゃんと話したいわ。
一度砦に戻りましょう?」
「向こうではまだ戦いが続いているはずだ。
それを止める必要がある。
ロヴェル、戦いを止めて話を聞いてもらえるかい?」
ハンナがロヴェルに問いかける。
「し、しかし…。」
腐っているとはいえ、自分の国の王を裏切ることができないロヴェル。
「…聞きましょう。」
「デイジー?」
「…あなたが国に忠義を尽くしているのは知ってる。
でも、国は国王のものじゃない。
大事なのは、そこに住んでる人たち。
私たちの役目は国民の幸せを守ること。」
「……。」
「…私は、国王よりこの人たちを信じる。
それが国民のためになると思うから。」
しばらくして、ロヴェルが重い口を開く。
「…とりあえず、話を聞こう。」
「ありがとう。」
ティナはお礼を言って2人を回復した。
「…な!?
まだ敵同士だというのに回復するとは…!?」
「私たちは最初からあなたたちを敵だとは思ってないわ。
…あの国王は別だけどね…。」
「……。」
「さあ、砦に戻ろう。」
アッサールの旦那。」
ファルクがそう言うと、助っ人はフードを脱いだ。
「アッサールさん!」
共に戦ったアッサールが助っ人だったことに驚くティナ。
「…元気そうだな、ティナ。」
アッサールが住むボルドー国はサンジャータの港から一番近く、魔王出現前は親交があった国。
S級最強と名高いアッサールを連れてきたことが、サンジャータ国王の切り札だったのだ。
「ぬ?
アッサール、この犯罪者と顔見知りか!?」
「…恩人だ。」
「お、恩人だと!?
この犯罪者が!?
ぐぬぬぬ…。
恩人だろうがなんだろうが、今は犯罪者じゃ!
いいからお主の【バーサーカー】で皆殺しにしてやれ!!」
「…断る。」
「なななな、何!?
じゃあお主何しにきたんじゃ!?」
「…真実を確かめに。」
「こいつらが犯罪者だというのが真実じゃろうが!!」
「…違う。
…それに、もう【バーサーカー】は…、ない。」
「ない!?
ど、どういうことだ!?」
「…言葉通りだ。
…あったとしても、この男1人にも敵わない。」
アッサールはファルクを見ながらそう言った。
「そんなわけあるか!
お主の戦闘力は世界でも一番強いと言われておろうが!
その代わり仲間もろとも見境なく攻撃してしまう欠陥品だがな!」
「お前…!」
アッサールを欠陥品呼ばわりしたサンジャータ国王に怒りを露わにするファルクを、アッサールが制する。
「…その欠陥品を、こいつらが救ってくれた。」
「意味のわからんことを…!
ああああぁぁ!!
もういい!!
わしがお主らをまとめてやってやるわ!!」
そう言って激昂したサンジャータ国王は【魔龍化】した。
力や体力が倍増するファルクの【豪龍化】とは違い、魔力やMPが倍増するウィザードドラゴンだ。
倍増した魔力による【上級攻撃魔法】は強力。
複数のS級冒険者相手でも殲滅できる威力を秘めている。
「…まずいっ!」
サンジャータ国王の放った魔法をファルクがその身を挺して受け止める。
「ファルクさんっ!」
ウィザードドラゴンとなったサンジャータ国王の表情が緩む。
まともに魔法をくらったファルクを仕留めたと思ったのだろう。
だが…。
「やっぱユニークスキルはすげえな。
あれだけの魔法でも大したダメージ受けねえ。」
とっさに【全能の権化】を発動し、全ステータスを2倍にしていたファルク。
ダメージは受けたものの、まだまだ余裕がある。
「グゥオオオオ!?」
(バカな!!)
ドラゴンとなったサンジャータ国王が取り乱し、大きな叫び声をあげる。
「うるせえよ。
いい加減黙れ。」
ゴッ…
ファルクは槍でサンジャータ国王の頭部を殴りつけた。
ウィザードドラゴンに変身したことにより体力が半減しているサンジャータ国王は、その一撃で気を失った。
レベルが100になり【全能の権化】でそのステータスがさらに2倍となったファルクの攻撃力はえげつないことになっていた。
「ふうっ。」
「…ありえんほど強いな…。」
アッサールが呆れたように呟いた。
スキルなしでの攻防でもファルクの強さは自分以上だと感じていたが、スキルを使った強さは想像のさらに上をいっていた。
「これでも魔王たちと戦うにはまだまだ力不足だけどな。」
「…魔王とは、それほどに…。」
「魔王というか、その黒幕がな…。
俺よりも強いロックが手も足も出なかった…。」
「…信じられん…。」
「そのこともちゃんと話したいわ。
一度砦に戻りましょう?」
「向こうではまだ戦いが続いているはずだ。
それを止める必要がある。
ロヴェル、戦いを止めて話を聞いてもらえるかい?」
ハンナがロヴェルに問いかける。
「し、しかし…。」
腐っているとはいえ、自分の国の王を裏切ることができないロヴェル。
「…聞きましょう。」
「デイジー?」
「…あなたが国に忠義を尽くしているのは知ってる。
でも、国は国王のものじゃない。
大事なのは、そこに住んでる人たち。
私たちの役目は国民の幸せを守ること。」
「……。」
「…私は、国王よりこの人たちを信じる。
それが国民のためになると思うから。」
しばらくして、ロヴェルが重い口を開く。
「…とりあえず、話を聞こう。」
「ありがとう。」
ティナはお礼を言って2人を回復した。
「…な!?
まだ敵同士だというのに回復するとは…!?」
「私たちは最初からあなたたちを敵だとは思ってないわ。
…あの国王は別だけどね…。」
「……。」
「さあ、砦に戻ろう。」
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