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第四章 世界中が敵
第175話 情報収集
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ティルマンの元を飛び立った翌日、4人はサンジャータ王国のある大陸へと到着していた。
ブレスレットをつけていないのでギルドに居場所を悟られないとはいえ、S級冒険者4人組が突然訪れるなんてことは異常事態。
しかも、国間の交流が少ないとはいえ、情報交換はしている。
指名手配のことも当然伝わっているはずだ。
【気配察知】を持っている冒険者がいれば大騒ぎになる可能性があるため、4人は野営をしている。
「さて、どうアプローチすっかな。」
「ファルクさんは国王と面識があるんですか?」
「いや、面識はない。
ただスキルのことを聞いたことがあっただけだ。
ちなみに、今の国王になってから数年しか経ってないぞ。」
「なんで国王が替ったんですか?」
「数年前に、元国王が命を落としてな。
魔族の侵攻を止めるためにボスモンスターを倒そうとして、命を落としたらしい。」
「そうなんだ…。」
「確かに、ボスモンスターを倒してその生息域からモンスターがいなくなれば、魔族の侵攻はなくせるわよね。
でも、大陸の中で資源としても大切な存在なはずよね。」
「この大陸にはもう1つ生息域があるからな。
そこでまかなおうと考えたんだろう。」
「残った生息域のモンスターを集中して狩れば、そのエリアも魔族が率いるモンスターを減らすことができますね。」
「多少物資は不足してくるかもしれないがな。」
「じゃあアルカトルとかもボスモンスター倒せばいいのに。」
「う~ん。
この大陸はサンジャータ王国とエスって小国があるんだが、実質サンジャータの属国のようなものなんだ。
だから国同士の戦争もなかったらしいんだが、俺らの大陸は国間の関係性が複雑だからな。
大切な資源である生息域が1つ減れば勢力に大きな影響が出るんだろう。」
「わたしたちがやっつけちゃって大丈夫かな!?」
「ボスモンスターを倒してすぐにモンスターが消滅するわけじゃないが、将来的には混乱を生むだろうな。
それこそ戦争になるかもしれん。」
「どうしたらいいのかしら…。」
「それを僕たちだけで考えるのは難しいね。
どうすればみんなが幸せに暮らしていけるのか、各国のリーダーで話し合う場が持てればいいんだけど…。」
「そのパイプ役を担えるのがギルドでもあったんだがな。」
「まさか魔王側だったなんてね…。」
「とにかく1人1人共感してくれる人を増やしていくしかないと思う。
僕たちだけでボスモンスターを倒していくことは可能かもしれないけど、その後のことを考えると仲間を増やすことはすごく大事じゃないかな。」
「じゃあまずはサンジャータだね!」
「エスって国にはS級冒険者はいないのかしら?」
「確か1人いるぜ。」
「どっちが話聞いてくれそうかな~?」
「性格はわからないけど、いきなり国王に面会するっていうのは現実的じゃないよね。
エスのS級冒険者さんが協力してくれたら、面会できるかもしれない。」
「じゃあ、まずエスに行くか!」
「そうしよー!!」
「でも、どうやってアプローチするの?
国王じゃなくても、指名手配中のS級冒険者に会って話を聞いてくれるとは思えないわ。
ていうか、国交があんまりなくても、指名手配犯が追われないってことあるかしら?」
「「「う~ん。」」」
「とりあえず、首都から離れた小さな町に立ち寄って情報収集しようか。」
「そうしましょう。」
翌日、4人はニンカという小さな町に立ち寄った。
首都や生息域から離れた場所を選んだが、宿屋が多いところを見るとサンジャータとエスを行き交う人々が立ち寄るような町みたいだ。
「ここならどっちの国の情報も集められそうだね!」
「うん。
ミラ、この町に警戒した方が良さそうな気配はあるかな?」
「ん~。
強くてもC級だね。
ほとんどD以下。」
「ありがと!
じゃあ、手分けして情報を集めようか。」
「そうね。
時間と待ち合わせ場所はどうする?」
「お昼にこの場所でどう?」
「いいわ。」
「オッケー!」
「いいぞ。
じゃあ行くか。」
4人はそれぞれ別れて情報を集めて回ることにした。
ロックが進んだ先には防具屋があったので、店の中に入ってみた。
とりあえず客を装って商品を品定めする。
(さすがに僕たちが使えそうな強い防具はないな…。)
「いらっしゃ~い。」
奥の方からお店の人が出てきた。
「あ、どう…!?」
声の方を向いたロックは、すごい速さで顔を元の位置に戻した。
(え!?
ど、どういうこと!?)
ブレスレットをつけていないのでギルドに居場所を悟られないとはいえ、S級冒険者4人組が突然訪れるなんてことは異常事態。
しかも、国間の交流が少ないとはいえ、情報交換はしている。
指名手配のことも当然伝わっているはずだ。
【気配察知】を持っている冒険者がいれば大騒ぎになる可能性があるため、4人は野営をしている。
「さて、どうアプローチすっかな。」
「ファルクさんは国王と面識があるんですか?」
「いや、面識はない。
ただスキルのことを聞いたことがあっただけだ。
ちなみに、今の国王になってから数年しか経ってないぞ。」
「なんで国王が替ったんですか?」
「数年前に、元国王が命を落としてな。
魔族の侵攻を止めるためにボスモンスターを倒そうとして、命を落としたらしい。」
「そうなんだ…。」
「確かに、ボスモンスターを倒してその生息域からモンスターがいなくなれば、魔族の侵攻はなくせるわよね。
でも、大陸の中で資源としても大切な存在なはずよね。」
「この大陸にはもう1つ生息域があるからな。
そこでまかなおうと考えたんだろう。」
「残った生息域のモンスターを集中して狩れば、そのエリアも魔族が率いるモンスターを減らすことができますね。」
「多少物資は不足してくるかもしれないがな。」
「じゃあアルカトルとかもボスモンスター倒せばいいのに。」
「う~ん。
この大陸はサンジャータ王国とエスって小国があるんだが、実質サンジャータの属国のようなものなんだ。
だから国同士の戦争もなかったらしいんだが、俺らの大陸は国間の関係性が複雑だからな。
大切な資源である生息域が1つ減れば勢力に大きな影響が出るんだろう。」
「わたしたちがやっつけちゃって大丈夫かな!?」
「ボスモンスターを倒してすぐにモンスターが消滅するわけじゃないが、将来的には混乱を生むだろうな。
それこそ戦争になるかもしれん。」
「どうしたらいいのかしら…。」
「それを僕たちだけで考えるのは難しいね。
どうすればみんなが幸せに暮らしていけるのか、各国のリーダーで話し合う場が持てればいいんだけど…。」
「そのパイプ役を担えるのがギルドでもあったんだがな。」
「まさか魔王側だったなんてね…。」
「とにかく1人1人共感してくれる人を増やしていくしかないと思う。
僕たちだけでボスモンスターを倒していくことは可能かもしれないけど、その後のことを考えると仲間を増やすことはすごく大事じゃないかな。」
「じゃあまずはサンジャータだね!」
「エスって国にはS級冒険者はいないのかしら?」
「確か1人いるぜ。」
「どっちが話聞いてくれそうかな~?」
「性格はわからないけど、いきなり国王に面会するっていうのは現実的じゃないよね。
エスのS級冒険者さんが協力してくれたら、面会できるかもしれない。」
「じゃあ、まずエスに行くか!」
「そうしよー!!」
「でも、どうやってアプローチするの?
国王じゃなくても、指名手配中のS級冒険者に会って話を聞いてくれるとは思えないわ。
ていうか、国交があんまりなくても、指名手配犯が追われないってことあるかしら?」
「「「う~ん。」」」
「とりあえず、首都から離れた小さな町に立ち寄って情報収集しようか。」
「そうしましょう。」
翌日、4人はニンカという小さな町に立ち寄った。
首都や生息域から離れた場所を選んだが、宿屋が多いところを見るとサンジャータとエスを行き交う人々が立ち寄るような町みたいだ。
「ここならどっちの国の情報も集められそうだね!」
「うん。
ミラ、この町に警戒した方が良さそうな気配はあるかな?」
「ん~。
強くてもC級だね。
ほとんどD以下。」
「ありがと!
じゃあ、手分けして情報を集めようか。」
「そうね。
時間と待ち合わせ場所はどうする?」
「お昼にこの場所でどう?」
「いいわ。」
「オッケー!」
「いいぞ。
じゃあ行くか。」
4人はそれぞれ別れて情報を集めて回ることにした。
ロックが進んだ先には防具屋があったので、店の中に入ってみた。
とりあえず客を装って商品を品定めする。
(さすがに僕たちが使えそうな強い防具はないな…。)
「いらっしゃ~い。」
奥の方からお店の人が出てきた。
「あ、どう…!?」
声の方を向いたロックは、すごい速さで顔を元の位置に戻した。
(え!?
ど、どういうこと!?)
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