レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第四章 世界中が敵

第169話 訃報

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大臣が死んでしまったことを知る由もないロックは、ヨムじいさんの村へ辿り着いていた。

そして、ジョセ大臣と話してわかった事実をみんなに話した。

奇しくもロックのパーティは全員が里子や孤児。

そして、ファルク以外が悲惨な目に遭ったのは、将軍のせいだということがわかった。

ジョセ大臣により元凶である将軍が処罰されることに一同は安堵した。

これで被害者が増えなくなることに。

「でも、魔王との繋がりはなかったのね。」

「魔王対策は進まなかったってことか…。」

「いえ、ヒントはもらってきました。」

ロックはジョセ大臣から受け取った紙を見せた。

「地図…ね。」

「どこだろ?」

「何にもなさそうな孤島だな。」

「ここからだとどれくらいかかりそうですか?」

「2日くれえかな。」

「なに言っとるんじゃ?
 こんな外海渡れんじゃろ。
 渡れたとしてもここから何ヶ月もかかる距離じゃぞ。」

「あ、言ってませんでしたね。
 ファルクさんは【龍化】のスキルを持っていて、ドラゴンに変身できるんです。
 空を飛んで移動できるので、バルキアからアルカトルも2日で着いちゃうんですよ。」

「…マジか…。」

ヨムじいさんもカイルも絶句。

「噂に聞いたことはあったが、そこまですごいとは…。」

「ただ、旅に必要な物資が足りないわね。
 おじいさん、ここで物資を買えないかしら?」

「ワシらもしばらく買い出しに行っとらんから、厳しいのう。
 ちょっと首都の様子を見るついでに、物資の調達に行ってこよう。」

「お願いしてもいいかしら?
 私たちはギルドのある町に立ち寄ることもできないから…。」

「もちろんじゃ。
 それまで何日かここで待つことになるが、ええじゃろ?」

「はい!
 ありがとうございます!」



「戻ったぞ~!」

数日後、首都に買い出しに行った村人たちが帰ってきた。

「お帰りなさい!」

「ありがとうございました!」

「ああ、ついでだから気にすんな!
 
 …それより、大変なニュースがあるぞ。」

「なんじゃ?」

「大臣が…殺されたらしい。」

「え!?
 誰にですか!?」

ロックが驚きの声をあげる。

「将軍がやったらしいぞ。
 しかもその将軍は逃げて指名手配中みたいだ。」

「将軍が…?
 スキルを奪っておいたのに…。」

「…ジョセ…。」

旧知の仲だったヨムじいさんもショックを隠しきれないようだ。

「僕が話に行ったばかりに…。
 …ヨムじいさん、すみません…。」

「ロック、お主のせいではない。
 あやつはあやつの信じることをしただけのことじゃろう。
 自分が納得せんとテコでも動かんやつじゃったからな…。」

「ヨムじいさん…。」

「どっちみちおい先短い老ぼれじゃったんじゃ!
 気にするでない!」

「…お2人は仲が良かったんですね。」

ジョセ大臣も悪態をついていたことを思い出すロック。

そんなことを言い合えるくらい仲が良かったのだろう。

「ただの腐れ縁じゃよ…。」

「…ジョセ大臣の死は…無駄にしませんから。」

「…頼んだぞ…。」



翌日、ロックたちはジョセ大臣の残した地図を頼りに、村を出発した。
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