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第三章 魔王の真実
第147話 手も足も出ない
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デルベルトから大きなダメージを受け、手足を全て槍で突き刺されたファルク。
それでも槍を持って立ち上がろうとするが、デルベルトがその槍を取り上げる。
バランスを崩し倒れたファルクの右手へ、再び槍を突き刺す。
今度はファルクの槍で、しかも地面まで突き刺したことで、ファルクは身動きが取れない。
「死んでくれるなよ。
お前なら優秀な魔族となれる。」
「誰…が…っ。
離し…やがれ、くそや…ろう…。」
「[オールミドルヒール]!」
ミラが回復魔法を唱える…が、デルベルトによりファルクは範囲外へと蹴り飛ばされており回復しない。
「む。
【再生】スキルも持っていたか。」
ファルクの傷が治るのを見て、スキルに気づくデルベルト。
「…ギルタブリル、来い。」
サソリ人間であるS級モンスター、ギルタブリルがファルクの側に近づいてくる。
「任せたぞ。」
デルベルトがそう言うと、ギルタブリルはサソリの尾をファルクへ突き刺した。
「が…っ!」
ギルタブリルの尾は猛毒を持っており、そのダメージが【再生】の回復力と相殺される。
「これで何もできまい。」
さらに、ギルタブリルは【分裂】と【影分身】を持っており、リッチェル・ティナ・ミラの3人の周りを数え切れないくらいの分裂体・分身体が取り囲んでいた。
それに加えて牛の頭を持ったモンスター、ミノタウロスの斧による[武技]はデルベルト並の威力を持っており、ダメージを半減させてもHPを半分削られてしまうほど。
ヤギの頭を持つバフォメットは絶大な魔力を誇り、繰り出される魔法のダメージもまたデルベルトやミノタウロスの攻撃と同等の威力を持っていた。
なんとか与えたダメージも、鳥人間のセイレーンにより回復されてしまう。
ミラの回復が追いつかなくなり、リッチェルも【神の恩寵】から【上級回復魔法】にコピーし直し、回復魔法を唱える。
それでなんとか耐えられているが、回復が途切れれば即座にやられてしまう状況に陥っていた。
「ふむ。
初めてここまで辿り着いた冒険者だからどれほどのものかと思ったら、大したことないではないか。
保険をかけるまでもなかったな。
セイレーン。」
魔王がそう言うと、セイレーンがイーザを回復した。
「え!?
な、なにを…?」
突然回復され、戸惑うイーザ。
「万が一のために、人質としようと思ったが、もう不要だ。
相手をしてやる。
かかってくるがよい。」
「な!?
…舐めるんじゃないよっ!」
「や…めろっ。
イー…ザ…。」
ファルクが声を絞り出すが、イーザは止まらない。
自分を助けに来てくれたばっかりに、恋人が、仲間が目の前で蹂躙されている。
一矢報いなければ、死んでも死に切れない。
…そんなイーザの思いも虚しく、一矢すら報いることはできなかった。
「ぅ…が…っ。」
飛びかかるイーザに対して、玉座から立ち上がることすらなく放った魔王の魔法は、イーザを一撃で戦闘不能にした。
「「「「イーザ!!!!」」」」
壮絶な威力の魔法。
絶命したかに思えたが、イーザがピクリと動いた。
「リッチェルさん!
お願い!
イーザさんを助けて!」
ティナがリッチェルへ懇願する。
今まともに動けるのはリッチェルだけなのだ。
「でも、君たちが…!」
「こっちは持ち堪えて見せるから!」
ミラも続く。
「…わかった…!」
S級モンスターたちの中を強引に進むリッチェル。
【見切り】により攻撃を交わしながら、そして【深淵の闇】に蓄積されるダメージを調整しながら。
リッチェルはイーザの目の前まで辿り着いた。
「イーザ!
しっかり…!
[ハイヒール]!」
イーザを淡い光が包み込む。
イーザを回復している間も、リッチェルは目線をずっと魔王から離さない。
魔王は微動だにしていない。
「くらえ!
闇…
…ぐ…ふっ?」
限界まで溜めたダメージを魔王に向けて放とうとした、その瞬間。
背後から、何者かがリッチェルの背中を切り裂いた。
それでも槍を持って立ち上がろうとするが、デルベルトがその槍を取り上げる。
バランスを崩し倒れたファルクの右手へ、再び槍を突き刺す。
今度はファルクの槍で、しかも地面まで突き刺したことで、ファルクは身動きが取れない。
「死んでくれるなよ。
お前なら優秀な魔族となれる。」
「誰…が…っ。
離し…やがれ、くそや…ろう…。」
「[オールミドルヒール]!」
ミラが回復魔法を唱える…が、デルベルトによりファルクは範囲外へと蹴り飛ばされており回復しない。
「む。
【再生】スキルも持っていたか。」
ファルクの傷が治るのを見て、スキルに気づくデルベルト。
「…ギルタブリル、来い。」
サソリ人間であるS級モンスター、ギルタブリルがファルクの側に近づいてくる。
「任せたぞ。」
デルベルトがそう言うと、ギルタブリルはサソリの尾をファルクへ突き刺した。
「が…っ!」
ギルタブリルの尾は猛毒を持っており、そのダメージが【再生】の回復力と相殺される。
「これで何もできまい。」
さらに、ギルタブリルは【分裂】と【影分身】を持っており、リッチェル・ティナ・ミラの3人の周りを数え切れないくらいの分裂体・分身体が取り囲んでいた。
それに加えて牛の頭を持ったモンスター、ミノタウロスの斧による[武技]はデルベルト並の威力を持っており、ダメージを半減させてもHPを半分削られてしまうほど。
ヤギの頭を持つバフォメットは絶大な魔力を誇り、繰り出される魔法のダメージもまたデルベルトやミノタウロスの攻撃と同等の威力を持っていた。
なんとか与えたダメージも、鳥人間のセイレーンにより回復されてしまう。
ミラの回復が追いつかなくなり、リッチェルも【神の恩寵】から【上級回復魔法】にコピーし直し、回復魔法を唱える。
それでなんとか耐えられているが、回復が途切れれば即座にやられてしまう状況に陥っていた。
「ふむ。
初めてここまで辿り着いた冒険者だからどれほどのものかと思ったら、大したことないではないか。
保険をかけるまでもなかったな。
セイレーン。」
魔王がそう言うと、セイレーンがイーザを回復した。
「え!?
な、なにを…?」
突然回復され、戸惑うイーザ。
「万が一のために、人質としようと思ったが、もう不要だ。
相手をしてやる。
かかってくるがよい。」
「な!?
…舐めるんじゃないよっ!」
「や…めろっ。
イー…ザ…。」
ファルクが声を絞り出すが、イーザは止まらない。
自分を助けに来てくれたばっかりに、恋人が、仲間が目の前で蹂躙されている。
一矢報いなければ、死んでも死に切れない。
…そんなイーザの思いも虚しく、一矢すら報いることはできなかった。
「ぅ…が…っ。」
飛びかかるイーザに対して、玉座から立ち上がることすらなく放った魔王の魔法は、イーザを一撃で戦闘不能にした。
「「「「イーザ!!!!」」」」
壮絶な威力の魔法。
絶命したかに思えたが、イーザがピクリと動いた。
「リッチェルさん!
お願い!
イーザさんを助けて!」
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今まともに動けるのはリッチェルだけなのだ。
「でも、君たちが…!」
「こっちは持ち堪えて見せるから!」
ミラも続く。
「…わかった…!」
S級モンスターたちの中を強引に進むリッチェル。
【見切り】により攻撃を交わしながら、そして【深淵の闇】に蓄積されるダメージを調整しながら。
リッチェルはイーザの目の前まで辿り着いた。
「イーザ!
しっかり…!
[ハイヒール]!」
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イーザを回復している間も、リッチェルは目線をずっと魔王から離さない。
魔王は微動だにしていない。
「くらえ!
闇…
…ぐ…ふっ?」
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背後から、何者かがリッチェルの背中を切り裂いた。
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