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第三章 魔王の真実
第133話 飛龍の正体
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「そういえば、お返しいただいたお金、金額が多すぎました!
申し訳ないので、多かった分はお返しします!」
旅の途中で貸したのは100万ゴルだったのだが、200万ゴルが送金されていたのだ。
「いや、受け取ってくれ。
イーザがもしお前らに助けてもらわなかったらと思うと、どうにかなりそうだった。
本当に無茶しやがって…。
むしろあれくらいじゃお礼し足りねえくらいだ。」
「でも、あんまり多すぎて困りますよ…。」
「大丈夫だって。
これでもS級冒険者なんだ。
100万や200万のお金で困ったりはしねえから。」
「そうだよ。
私もB級冒険者になれたし、稼げるようになったからね!
あの時あんたたちはD級冒険者だったよな?
100万のお金は大金だったはずだ。
それを見ず知らずの私に貸してくれて…。
改めて本当にありがとな。」
「…じゃあ、ありがたくいただきますね。
ところでイーザさん、B級冒険者になられたんですね!」
「ああ!
これで堂々とファルクについて来れたってわけさ!」
イーザは嬉しそうに笑う。
「とっても、B級じゃ危険だから残れって言ったんだけどな。
下手に置いていって、また騙されたら困るから連れてきたんだ…。」
手に負えなくて心底困ったようにファルクが愚痴をこぼす。
一転して、真面目な顔でロックたちを見つめるファルク。
「ところで、イーザと会った時はD級だったらしいが…、お前たち相当強いよな?」
【気配察知】はないが、強者の匂いを嗅ぎ取るファルク。
「今はA級冒険者になりました。」
「A級!?
D級だったのに!?
成長するの早すぎないかい!?」
驚くイーザと、腑に落ちない様子のファルク。
「A級?
ロックといったかな?
お前はA級どころか、S級の俺よりも強そうな気がするんだが…。」
「おいおいファルク。
ロックは確かにA級冒険者だ。
それ以上突っ込むのは冒険者のルールとしていかんぞ。
…とはいえ、後で話すことになりそうだがな。」
「…?
それはどういう…?」
「他のS級冒険者たちが揃ったらロックが話してくれることになっている。
それまで待ってくれ。」
前回と同じように、S級冒険者と信頼がおけるA級冒険者にはロックのスキルを伝えて戦力を強化する予定だ。
ロックのスキルについてはまだ各国には知られていないようだ。
だがここまで秘密が漏れると、上層部に知られるのも時間の問題だと秘密を知るものはみんな感じていた。
場に若干微妙な空気が流れ出したところで、ミラが元気な声を放った。
「はいはい、質問!
さっきの竜はどこに行ったの!?」
「そういえば!
イーザさんの登場で聞くの忘れてたわ!」
「あ~、あれは、俺。」
「「「へ??」」」
ファルクの言葉を聞いて、ロックたちの頭の上に「?」マークが浮かぶ。
「ふふふ。
びっくりするよね。
あれはこの人のスキルなんだよ。」
イーザがいたずらっ子みたいに笑い、そう教えてくれた。
「そんなスキルがあるんですか!?」
「ああ。
見せてやろうか。
ちょっと離れてくれ。」
見せてくれるというファルクから距離をとる。
ファルク自身も後ろに下がっていく。
そして、こう叫んだ。
「<豪龍化>!」
するとファルクはたちまちさっき空を飛んでいた飛龍に姿を変えた。
「うわ…。
す、すごい…。」
「すごいね!
ユニークスキルなの!?」
あっけに取られるロックとティナ、そしてはしゃぐミラ。
「ふうっ。」
スキルを解き、人の姿へと戻るファルク。
「このスキルはユニークスキルじゃない。
★4で、フォースドラゴンっていうドラゴンになれるんだ。」
「あ、すいません!
スキルのこと聞いちゃったりして!」
ロックが謝る。
「いや、このスキルは目立つからかなり知れ渡ってるんだ。
ちなみに今確認されてる中ではサンジャータ国王が同じようなスキルを使えるぜ。
あっちはウィザードドラゴンって種類のドラゴンだがな。」
「そうなんですね。
じゃあリッチェルさんもコピーできるんだ。」
「ああ。
あいつはまだここに残ってるだろ?
多分俺のスキルをコピーして帰るつもりなんだろう。」
「さっき見た感じだとかなり速いですよね。
ここからバルキアだとどれくらいかかりますか?」
「休憩しなければ1日で着くぜ?」
「そんなに速いんですか!?」
馬車で何ヶ月も旅してきたロックたちは驚きを隠せない。
「それだけ速かったら、モンスターから攻撃を受けないで一方的に攻撃できそうですね。」
ティナの言葉に首を横にふるファルク。
「残念ながら、移動中は攻撃できないんだ。
浮かんで攻撃するくらいはできるが、その時はゆっくりしか飛べないから、相手によってはいい的になっちまう。
でかいしな。」
「そうなんですね。
でも、1日で移動できるなんて…、すごい…。」
「ははっ!
まあそういうことで、よろしくな!」
イーザとの繋がりのおかげで、前回と違ってS級冒険者とすぐに打ち解けることができたロックたちであった。
申し訳ないので、多かった分はお返しします!」
旅の途中で貸したのは100万ゴルだったのだが、200万ゴルが送金されていたのだ。
「いや、受け取ってくれ。
イーザがもしお前らに助けてもらわなかったらと思うと、どうにかなりそうだった。
本当に無茶しやがって…。
むしろあれくらいじゃお礼し足りねえくらいだ。」
「でも、あんまり多すぎて困りますよ…。」
「大丈夫だって。
これでもS級冒険者なんだ。
100万や200万のお金で困ったりはしねえから。」
「そうだよ。
私もB級冒険者になれたし、稼げるようになったからね!
あの時あんたたちはD級冒険者だったよな?
100万のお金は大金だったはずだ。
それを見ず知らずの私に貸してくれて…。
改めて本当にありがとな。」
「…じゃあ、ありがたくいただきますね。
ところでイーザさん、B級冒険者になられたんですね!」
「ああ!
これで堂々とファルクについて来れたってわけさ!」
イーザは嬉しそうに笑う。
「とっても、B級じゃ危険だから残れって言ったんだけどな。
下手に置いていって、また騙されたら困るから連れてきたんだ…。」
手に負えなくて心底困ったようにファルクが愚痴をこぼす。
一転して、真面目な顔でロックたちを見つめるファルク。
「ところで、イーザと会った時はD級だったらしいが…、お前たち相当強いよな?」
【気配察知】はないが、強者の匂いを嗅ぎ取るファルク。
「今はA級冒険者になりました。」
「A級!?
D級だったのに!?
成長するの早すぎないかい!?」
驚くイーザと、腑に落ちない様子のファルク。
「A級?
ロックといったかな?
お前はA級どころか、S級の俺よりも強そうな気がするんだが…。」
「おいおいファルク。
ロックは確かにA級冒険者だ。
それ以上突っ込むのは冒険者のルールとしていかんぞ。
…とはいえ、後で話すことになりそうだがな。」
「…?
それはどういう…?」
「他のS級冒険者たちが揃ったらロックが話してくれることになっている。
それまで待ってくれ。」
前回と同じように、S級冒険者と信頼がおけるA級冒険者にはロックのスキルを伝えて戦力を強化する予定だ。
ロックのスキルについてはまだ各国には知られていないようだ。
だがここまで秘密が漏れると、上層部に知られるのも時間の問題だと秘密を知るものはみんな感じていた。
場に若干微妙な空気が流れ出したところで、ミラが元気な声を放った。
「はいはい、質問!
さっきの竜はどこに行ったの!?」
「そういえば!
イーザさんの登場で聞くの忘れてたわ!」
「あ~、あれは、俺。」
「「「へ??」」」
ファルクの言葉を聞いて、ロックたちの頭の上に「?」マークが浮かぶ。
「ふふふ。
びっくりするよね。
あれはこの人のスキルなんだよ。」
イーザがいたずらっ子みたいに笑い、そう教えてくれた。
「そんなスキルがあるんですか!?」
「ああ。
見せてやろうか。
ちょっと離れてくれ。」
見せてくれるというファルクから距離をとる。
ファルク自身も後ろに下がっていく。
そして、こう叫んだ。
「<豪龍化>!」
するとファルクはたちまちさっき空を飛んでいた飛龍に姿を変えた。
「うわ…。
す、すごい…。」
「すごいね!
ユニークスキルなの!?」
あっけに取られるロックとティナ、そしてはしゃぐミラ。
「ふうっ。」
スキルを解き、人の姿へと戻るファルク。
「このスキルはユニークスキルじゃない。
★4で、フォースドラゴンっていうドラゴンになれるんだ。」
「あ、すいません!
スキルのこと聞いちゃったりして!」
ロックが謝る。
「いや、このスキルは目立つからかなり知れ渡ってるんだ。
ちなみに今確認されてる中ではサンジャータ国王が同じようなスキルを使えるぜ。
あっちはウィザードドラゴンって種類のドラゴンだがな。」
「そうなんですね。
じゃあリッチェルさんもコピーできるんだ。」
「ああ。
あいつはまだここに残ってるだろ?
多分俺のスキルをコピーして帰るつもりなんだろう。」
「さっき見た感じだとかなり速いですよね。
ここからバルキアだとどれくらいかかりますか?」
「休憩しなければ1日で着くぜ?」
「そんなに速いんですか!?」
馬車で何ヶ月も旅してきたロックたちは驚きを隠せない。
「それだけ速かったら、モンスターから攻撃を受けないで一方的に攻撃できそうですね。」
ティナの言葉に首を横にふるファルク。
「残念ながら、移動中は攻撃できないんだ。
浮かんで攻撃するくらいはできるが、その時はゆっくりしか飛べないから、相手によってはいい的になっちまう。
でかいしな。」
「そうなんですね。
でも、1日で移動できるなんて…、すごい…。」
「ははっ!
まあそういうことで、よろしくな!」
イーザとの繋がりのおかげで、前回と違ってS級冒険者とすぐに打ち解けることができたロックたちであった。
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