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第三章 魔王の真実

第101話 A級モンスターとの激闘

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メタルスコーピオンは巨体でどこにいるかすぐにわかったが、キングスコーピオンは普通のサソリサイズ。


ロックはスキル封じのスキルにより[武技]も使えなくなってしまったが、バフは健在。

これはロックのスキルではないからだ。


スキルなしで、近づいてきた敵を1体1体倒す。


しかし、キングスコーピオンがどこにいるかわからない。


「ロック!
 あそこよ!」

「ミラ!?」


ミラが無謀にもモンスターの群れの中を進み、ロックの所までやって来た。


「わたしは大丈夫!
 【光輝の壁】と[ハイシールド]でダメージは受けてない!
 それより早く!」

「…っ!」


ミラに対する心配が抑えられないが、彼女のためにも早く対処するしかない。


ミラの指し示す方に動けなくなったキングスコーピオンがいた。


すぐに攻撃するが、耐久力がある上【光輝の壁】でダメージが半減しているため、急所攻撃でも一撃では倒せない。

三撃目で倒すことができ、スキルが使えるようになった。


「きゃっ!」


ミラのシールドが破壊され、攻撃を受けている。

それでも半減されているため、大きなダメージではないようだ。


「ミラ!!」

「こっちは大丈夫!
 早くあの蛇を…!」


ミラは再び[ハイシールド]を生成し、回復魔法でダメージも回復させる。


助けに行きたい気持ちを抑え、ファラクのスキルを奪うロック。

今度は【光輝の壁】だけでなく【上級回復魔法】も奪った。


そして、ファラクを[武技]を使って撃破。

すぐにミラの元へ駆け寄った。


「ミラ、大丈夫!?」

たずねながら、ミラの周りの敵を一掃する。

「大丈夫よ!
 それより、もう1体A級モンスターがすごい速さで近づいてくる…!

 …下よ!!」


「グゥォォオオ!」


突然、地面の下からロックとティナを丸々飲み込めるほどの大きな口が現れた。

サンドワームだ。


事前情報では素早さUPのスキルを持っているらしく、噛み付く時はさらに素早くなると聞いていた。

おそらく、【噛み砕き】のスキルを持っているのだろう。



++++++++++++

【噛み砕き ★★】・・噛み砕く時の攻撃力、素早さが1.5倍。

++++++++++++



モンスター固有のスキルのため、一般には知られていない。


素早さが上がったとはいえ、サンドワームよりロックの素早さの方がまだかなり上だ。

しかし、ミラを庇ったため逃げ切ることができなかった。


「くっ!」


だが、【光輝の壁】でダメージが半減したロックに大したダメージは与えられず、シールドが割れることもなかった。

ロックに抱き抱えられていたミラもダメージを受けずに済んだ。


「[断月剣・絶]!」


単体攻撃の[武技]でサンドワームを一蹴。

モンスターの群れから離脱した。


「大丈夫!?
 ミラ!」

「大丈夫だって…。
 でもちょっと毒もらったみたいだから、回復するね…。」

「あ、ちょっと待って!」


【上級回復魔法】を渡すロック。


「ありがとう。」

ミラは【中級回復魔法】と入れ替えた。


回復魔法により全快したミラ。


戦線はファラクがいなくなったことにより、再び冒険者優勢となっている。


「MPが切れてしまったから、しばらく下がってるね。」


後方にはスキル【神の恩寵】を持ったA級冒険者が控えている。



++++++++++++

【神の恩寵 ★★★★】・・仲間のMPを回復させる。(1分間に Lvの値/2 回復)自身のMPを消費することで、倍のスピードで回復させることもできる。

++++++++++++



かなり優秀なスキルで、今のミラのMPなら10分もかからずに全快するだろう。


ロックは再び現れ始めたメタルスコーピオンを狩りに行った。


自分が動かないと犠牲者が出てしまう、そのプレッシャーとも戦いながら。
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