レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第三章 魔王の真実

第93話 武器新調

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「ギルドマスター。」

レイカがそう呼ぶ男は寡黙そうだが威圧感があり、逞しい体つきをしていた。

かなり強そうだ。

「レイカ、そいつらが無限ガエルを倒したのか?」

「はい、そうです。
 とても有望な冒険者の皆さんですよ。」

「そうだろうな。
 見たところ、B、Cランクだ。
 そのランクで倒すなど前代未聞だ。」

「え?
 でも、自分より上のランクのモンスターを倒す冒険者は他にもいるんですよね?」


「低ランクのうちは自分のランク以上のモンスターを倒すという事例はある。
 いいスキルを持っていれば可能だからな。
 だが、高ランクになるとモンスターも強力なスキルを持っているからアドバンテージがなくなる。
 ナーガも倒していたな。
 おそらく今まででこんな冒険者はいない。」

(まずい…。
 もしかして疑われちゃってるのかな…。)

「ギルドマスター。
 もしかして疑ってらっしゃいます?
 この方達は信頼できる方々です。
 不正などはないと、私が断言できます。」

(バルキアのギルドマスターといえば、世界中のギルドでトップの人だよな…。
 その人にこんな風に意見できるなんて、レイカさんってすごい…。)

「疑ってはいない。
 そもそも今無限ガエルやS級モンスターを倒せるような冒険者はほとんど出兵してるからな。
 不正のしようがない。」

「じゃあどうしてわざわざ出てこられたんです?」

「うむ。
 これだけのモンスターを倒せる冒険者をチェックしないわけにはいかないだろう。
 もしかしたら、近々出兵依頼が来るかもしれんぞ。」

「え!?
 僕たちにですか?」

「後の2人はCランクだから、来るとしたらお前1人にだな。」

「え~!
 わたしも一緒に行く!」

「パーティ内で話し合って一緒に行くというなら、別に止められはせん。
 だが、魔族との戦いは厳しいぞ。」

「かまわないわ。」

話し合う以前に、ティナとミラの気持ちは決まっているようだ。

「お前はスキル5つ持ちのロック、だったよな。」

「僕のことご存知で?」

「そりゃそうだ。
 5つ持ちなんて他にいないからな。
 不遇なスキルばかりだったと聞いているが、逆境を乗り越えたんだな。」

「…はい。
 ここにいる仲間のおかげで。」

「うむ。
 いい仲間を持ったな。
 …がんばれよ。」


そういうとギルドマスターは戻っていった。


「あの人がギルドマスター…。」

「表に出てくることなんてほとんどないんですけどね。
 ちょっとびっくりしちゃいました。」

「緊張した~!!」

「嘘ばっかり。
 全然緊張してなかったじゃない、ミラ。」

「えへへ。
 バレた?」

「それにしても出兵か…。
 どこに行くかはわからないんですか?」

「そうですね。
 1番多いのはアルカトル王国です。
 魔王城から1番近く、魔族との戦いが多い激戦区です。
 サンジャータ王国も戦いは多いのですが、別の大陸で船が出てないためほとんど出兵要請はありません。
 次がフォーレン王国とボルドー国ですね。」

「どこも遠いですね。
 出兵要請が出るまでは自由にしてていいんですよね?」

「はい。
 出兵要請も必ず行かなければいけないわけではありませんので。」

「じゃあ2~3日後にメインシャの洞窟に行こうと思います。」

「ではリーベルガルへ向かわれるといいと思います。
 馬車で4日ほどで着きます。」

「リーベルガルですね。
 ありがとうございます。」

「じゃあ今日はもう宿に行こうよー!
 疲れた~!」

「そうだね。
 レイカさん、ありがとうございました!」

「いえ。
 ゆっくり休んでくださいね。」



翌日、3人は武器屋へ向かった。

だいぶレベルアップしたので、装備を買い換えるのだ。

レイカにおすすめの武器屋を聞き、せっかく預けたお金も引き出してきた。


「お~!
 いっぱいあるね~~!!」

世界最大の国の首都だけあり、品揃えは豊富だ。

もっとも魔武器の充実さではフォーレンの方が上のようだ。


「今のティナのステータスなら、Bランクの魔武器なら装備できそうだね。」

「そうね。
 防具はまだCランクね。」

「うう~。
 わたしなんて、武器はDランクのしか装備出来ないよう…。」

基本的に装備できる武器は器用さ、防具は体力の値に依存する。

ミラは器用さが低いのだ…。


「すぐに強くなれるよ!
 それに、世界一の鍛治師さんが協力してくれることになってるから、そのうち作ってもらおう!」

「え!?
 そうなの!?
 ロックとティナ、すごいね…。」

「それには素材が必要なんだけどね。
 ボスモンスターを倒せるようになって、その素材を持っていかなきゃいけないんだ。」

「ぼ、ボスモンスター…。」

話のスケールが大きくてクラクラしているミラ。

「ひとまずは、今使える武器を選びましょ。
 Aランクになると1桁金額が上がるから、もっとお金稼がないといけないわね。」

「そうなるとやっぱり【アイテムボックス】が欲しくなるね。
 素材をたくさん持ち帰れるように。」

「準備ができたらメインシャの洞窟に行こーーー!」

「そうしましょ。」


ティナが選んだ弓は、虹蛇の弓。

攻撃力500に、魔力5%UPと毒の効果がついていた。

値段は450万ゴル。
あとは100万しないくらいの装備をそれぞれ揃えた。


それから必要な物資を揃えて、3人は宿に戻った。
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