レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第三章 魔王の真実

第79話 スキル集め②

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『【中級特殊魔法】スキルを奪いました。』


【起死回生】スキルをミラに与えたため空きがでたスキル枠に、【中級特殊魔法】が収まった。


「ギ!?」


スキルを奪われたキングリザードがロックに気づき、他の敵も臨戦態勢に。

ロックは厄介な剣持ちと槍持ちから狙うとこにした。

まずは近くにいた剣持ちから。


「ギヤァ!」


素早さで勝るロックは一撃を入れ、そのまま距離をとる。

身構える剣持ち。

槍持ちが腰を据えて槍を構えた。

[武技]での範囲攻撃だろう。

ロックは杖持ちが槍攻撃の動線上に来るように位置取る。

スキルを奪われて動揺している杖持ちは反応が悪く、移動できない。


ズバッ!


もたついている間に、杖持ちにロックが攻撃。

杖で応戦するが、技術でもスピードでも大きく差のある相手に当てることができない。

B級3匹相手でも余裕を持って戦えるようになってきたロックであった。

もっとも、特殊魔法でバフ・デバフや状態異常を使われていたら展開は違っていただろう。

剣・槍持ちは[武技]をスタンバイ、杖持ちは後ろに下がった。


ドッ!


ロックに気を取られていたキングリザードたち。

そこへ杖持ちの背後に矢が突き刺さる。

ティナの狙いすました一撃だ。

完全にロックに気を取られていた3匹は、突然の攻撃に陣形が崩れ、[武技]の構えも解ける。

A級モンスターに比べると、とても戦いやすい。


「ギィャァ…!!」


一瞬の隙をついてロックが剣持ちに攻撃。

剣持ちは倒れたが、近くにいた槍持ちがリーチを活かしてロックへと槍を振るう。


「くっ!」


槍持ちはかなり素早い。


(素早さをあげるスキルか?)


おまけに[武技]により、時より強烈な一撃が飛んでくる。

スキルや[武技]による強化を含めても、まだロックが優勢ではあるが、その差は大きなものではない。


杖持ちは矢を警戒しながらティナの方へ接近を試みていた。

しかし、【全能力50%UP】によりティナとキングリザードのステータス差はほぼない。

すでに大きなダメージを負っている杖持ちは近づく前にティナの矢により倒れた。


それと同時に、槍持ちもロックが倒した。

だが、ロックもHPを4分の1ほど削られてしまった。

S級冒険者上位並みのロックとB級モンスターであるキングリザードがまともに戦えるという事実は、スキルの重要さを物語っている。

ロックはスキル5つ持ちだが、現在戦闘に直接関わるのは【スキルスナッチ】くらい。

それも前衛1人の現状では戦闘中に使うことはなかなか難しい。



『レベルが上がりました。』


ロックのレベルが上がった!



************

名前:ロック
パーティ:ラフリンクス
Lv:46→48
HP:8903→9284
MP:880→922
体力:870→913
力:877→913
素早さ:890→932
器用さ:883→921
魔力:869→910
スキル:
【中級特殊魔法 ★★★】
【成長促進(パッシブ) ★★★★★】
【隠密 ★★★】
【スキルギフト ★★★★★】
【スキルスナッチ ★★★★★ 】

************



とうとうステータスが900台に。

純粋なステータスでロックに敵う生物はほとんどいないだろう。


「よし!
 早速スキルを奪えたから、渡すね。」

「うん。
 でもさっきの敵から受けた傷は大丈夫??」

「ちょっと痛むけど大丈夫だよ。
 ティナのスキルのおかげで一緒にいたら回復してくるしね。」

「さっきのレベルアップでロックのHPは9000を超えたし、【慈愛の祈り】では回復力不足よね。」

「遠征の時は重宝するんだけどな。
 移動中や野営の時に、受けたダメージはMPなしでほとんど回復するし。
 今後それよりもティナが気に入るスキルが手に入ったら、その時は入れ替えもできるよ。」

「その時はお願いね。
 今回の【中級特殊魔法】はミラがよさそうね。
 今のままだと経験値を稼げないから。」

「いいの?」

「それがいいね。
 じゃあミラに渡すよ。

 <スキルギフト>!」



『どのスキルを誰に与えますか?』


「【中級特殊魔法】をミラに。」


『【中級特殊魔法】スキルをミラに与えます。』



「きたきたー!」



『【中級特殊魔法】スキルを受け取りました。』



「ありがとう!!」

ミラはステータス画面から【中級特殊魔法】で使える魔法を確認している。

特殊魔法使用時の経験値は、バフ・デバフによるダメージの増減分が経験値となる。

状態異常は与えられたダメージに応じて一定の割合で経験値となる。

自身が戦えなくても経験値を入手しやすいスキルである。


「よーし!!
 ガンガン行こー!!」

「行くのはロックだけどね…。」

「はは…。」

「それにしても、Bランクでも中級のスキルだったわね。」

「そうだね。
 上級を手に入れようと思ったら、A級か…。
 おそらく群れでいるだろうし、今のままじゃ厳しいね。」

「まずはこの辺りで中級やそのほかのスキルを集めて、行けそうだったらAランクエリアに進みましょうか。」

「そうしよう。」

「うんうん。
 さっきは勢いでガンガン行こう!って言っちゃったけど…、命大事に!」
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