レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第二章 美少女とはじめる、むっつりスケベの冒険

第69話 情報屋の手腕

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「「300万!?」」

2人は情報料の相場を知らないが、想像していたより高額だったため戸惑ってしまった。

「おたくらに300万の価値がない情報なら、聞かなくてもいいぜ。」

ロックがティナに視線を送り、ティナはそれにうなずく。

「払います。
 聞かせてください。」

ロックは300万ゴルを支払った。

(ミスリルゴーレムを倒していてよかった…。)


300万ゴルを数え終わった情報屋が、話し始めた。

「…よし、いいだろう。
 
 おたくらが探している女の子だが、スレッグ大佐の家に監禁されてるぜ。」

「「監禁!?」」

「ああ。
 なんでもスキル4つ持ちの貴重な人材らしいな。
 とはいえ、普通大佐が育成に携わることはない。
 最初のスキル覚醒後、急に担当が大佐に変わったらしい。
 …どうやら、そのスキルがユニークスキルだったらしくてな。
 どんなスキルかまではわかんねえが、それが原因と見て間違いなさそうだ。
 通常複数人で行う訓練を2人だけでやってたようで、訓練内容がかなり過酷だったと聞いている。
 軍としては大佐から「問題ない」と報告されてるが、詳細は聞いてないらしい。
 軍の施設にいないようだし、別荘持ちという情報もない。
 匿っているとしたら、大佐の屋敷だ。
 ここ数日は訓練にも出てないらしいから、監禁されている線でほぼ確定だ。」

「昨日の夕方からでそこまで調べ上げたんですか…?!
 情報源は信頼できるところ…、なんですよね?」

「それが仕事だからな。
 100%ではないが、それに近い情報だと思ってくれていい。
 そうじゃないと情報屋としてやっていけねえからな。」

「…ありがとうございます。」

情報屋は紙切れを手渡してきた。

「スレッグ大佐の家の場所だ。

 …それと、これはサービスだ。
 明日の朝、大佐は軍の会議で家を空けるようだぞ。
 メイドなども雇わず1人で住んでいるようだ。」

「あ、ありがとうございます!」

「じゃあ、またな。」

「え?
 あ、あー…、また困ったことがあったらお願いします!」


そう言ってロックたちは店を出た。

「またって言われても、なかなか来ることはなさそうだよね?」

「そうね…。
 まあ、ただの挨拶よね。」

「じゃあ宿に帰って、明日の朝の計画を立てよう。」


宿に戻ってスレッグ大佐の家への潜入計画を立てるロックとティナ。

特に込み入った計画は立てられないので、ロックが【隠密】で潜入、ティナが見張りということになった。

「ミラさん、絶対に見つけましょうね。」

「うん。
 無事でいてくれよ、ミラ…。」


翌朝、情報屋の地図を頼りにスレッグ大佐の家へ向かった。

到着してみると、普通の屋敷なのだが、なんだか人気を寄せ付けない奇妙な雰囲気がある家だった。

(覚悟はしてきたけど、完全に犯罪だよな…。)

ロックは家の周りをぐるっと回り、入りやすそうな窓を探した。

2階に観音開きの簡易的な窓を発見。

(ごめんなさい…!)

窓の隙間にミスリルの剣を差し込み、グッと力を入れた。


パキッ!


鍵が壊れ、窓を開けることに成功。

(ミラ、無事でいてくれよ…。)

そのまま屋内に侵入、【隠密】を維持したままミラを探した。

そんなに広い屋敷ではない。

いるとしたら探すのにそこまで時間はかからない、家の周りを見てそう思っていた。


しかし。


見つからない。

全ての部屋を探したし、隠し部屋があるようなスペースもない。

(情報屋さんの情報が間違ってたのか?!)

これ以上探しても時間を浪費してしまうだけと判断し、ロックは外にいるティナと合流する。

「確かに…、監禁するならそれなりの広さが必要だし、あの大きさの屋敷で見つからないのはおかしいわよね。」

「もう1度情報屋さんのところに行ってみよう。
 急いで行けば、まだ午前中の間に戻ってこれる。」

スレッグ大佐の屋敷は街の外れの方にあるものの、急げば情報屋のバーや宿屋からそんなに時間がかかる場所ではなかった。

ロックたちは情報屋の元へ急いだ。




「すみません!!」

「おう。
 また会ったな。」

「あの!
 言われた通りスレッグ大佐の家に行ったんですが、監禁されている様子はありませんでした!」

「50万。」

「え!?」

「追加で情報が欲しいなら、50万ゴルだ。」

「…!
 それで『またな』って言ったんですか?
 あの情報だけじゃ見つけられないのわかってて?」

「50万で追加情報買うのか?
 買わないのか?」

「買いますよ!」

ロックは50万ゴルをカウンターの上に叩きつけるように置いた。

「…確かに。
 あの屋敷にはな、地下室があるんだよ。」

「地下室?
 最初に教えてくれれば…!」

「隈なく探せば見つかると思ったんだがな。」

「地下室はどこにあるんですか!?」

「本がたくさんある書斎があっただろう?
 そこにあるはずだ。」

「書斎ですね…!
 …ありがとうございました…!」

「じゃあ、がんばれよ。」

その激励には応えず、店を出た。


「ミラ、僕は先に行ってるから、後で来て見張りを頼めるかい?」

「わかったわ。
 気をつけてね。」

「うん。」
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